One Desireの2ndアルバム『Midnight Empire』を聴いた感想
フィンランド出身のメロディアス・ハードロック・バンド、One Desireの2ndアルバム『Midnight Empire』を聴きました。
One Desireというバンドに関しては、アルバムデビューしたときに、まずはフィンランド出身のバンドであるというところから、興味を持ちました。というのも、フィンランドからは、たまにとてつもない才気に溢れたバンドが出現することがあるからで、フィンランド出身と聞くとまずはその音を聞いてみるところから始まります。
で、もうデビューの時点で高い完成度を誇るメロディアス・ハードを聴かせてくれるバンドで、やっぱりフィンランド出身というだけでチェックしてみたかいはあったと大いに納得した出来だったんですけど、彼らは今回の2ndアルバムでそんなデビュー当時の衝撃を自ら打ち破るほどの成長を果たしました。
驚きましたね。まだまだ上があったのか、と。デビューアルバムで見せたその才能は、まだ序の口であったか。
メタル性も感じる手数の多いリズム、リッチなサウンドを切り裂くような美しくも力強いハイトーンヴォーカル、粒立った美しいトーンの余韻を響かせながら流れるギター、それらが渾然一体となって生み出す強力なメロディが素晴らしい。
ドラマ性すら漂うアレンジは楽曲を鮮やかに彩り、聴き応えは抜群ですし、まとまりと分離の良さを両立しているサウンドも見事。
素晴らしいですね。スキなく、彼らの音楽的魅力が、ギュッと詰まっています。ほれぼれと聴き入ってしまう名盤です。
このコロナ禍さえなければ、と頭をよぎってしまいますね。もしかしたら初の来日公演も決まって、彼らの活動にさらなる追い風が吹いていたかもしれなかったのに。
まあ、あったかもしれなかったこと、起こらなかったことを嘆いていてもしょうがないですし、今後彼らが、自分たちはまだまだこんなもんじゃないと、さらなる力作の発表を重ねて、実力を証明してくれることを期待するばかりです。