2018年に解散したThe Poodlesのヴォーカリスト、Jakob Samuelのソロアルバム『CoExist』が素晴らしい
ドラマーとしてミュージシャンのキャリアをスタートし、様々なバンドを渡り歩く過程でヴォーカリストに転向し、The Poodlesに加入したことでついに安住の地を得た(そのThe Poodlesも2018年に解散してしまったのですが)苦労人、Jakob Samuelの2ndソロアルバム『CoExist』がめちゃくちゃ素晴らしい。
収録内容はとにかくコンパクトです。11曲収録で約37分。短い曲は2分台後半、長い曲でも3分台後半と、4分を超える曲がありません。
バンド用の楽曲ではないため、ステージ進行で各パートのソロや見せ場の差し込みやすさを考えない曲作りをした結果、アレンジが極限まで研ぎ澄まされた楽曲が揃ったのかもしれません。
かといって、楽曲の展開がシンプルすぎたり、アレンジがそっけなかったりなんてことは一切ありません。様々な楽器サウンドのアクセントは随所に効いていますし、重めのAメロBメロから開放的に弾けるようなサビメロにつながったりと、展開にも捻りが効いています。
重く骨太なギターが唸りを上げる曲もあれば、控えめなアコースティックが背後で軽やかに鳴る曲もあり、ファンキーなリズムが跳ねる曲が飛び出してきたかと思えば、ホーン・サウンドがゴージャスで気分がぶち上がる曲が流れてきたりと、一曲一曲の短さからは想像もつかないバラエティ豊かな高品質楽曲群がひしめいています。
Jakob Samuelの歌声がまた魅力的なんですよね。渋さもあれば色気もあり、爽快さもあればときに豪快でもあったりして。
バンド用に楽曲アレンジをすり合わせる必要がなくなり、自分の欲望に忠実な楽曲を練り上げた結果、Jakob Samuelの才能が炸裂し、超キャッチーな歌メロが満載のメロディック・ロック・アルバムに仕上がっています。