The Strutsの3rdアルバム『Strange Days』が素晴らしい
イギリス出身のロック・バンドThe Strutsの3rdアルバム『Strange Days』が発売されました。
本来であれば、聴けたのはあと数年先だったのかもしれない新作です。
というのも、コロナ禍でのロックダウン中の10日間で10曲を録って仕上げた新作だそうで、この状況になっていなかったら、本来ならツアーで世界中を飛び回っていたはずで、アルバム制作には取りかかれていなかったと考えられるからです。
この10日間での10曲のレコーディングにバンドはゾーンに入っていたのか、Def LeppardのPhil CollenとJoe Elliottをゲストに迎えた”I Hate How Much I Want You”の冒頭では、電話でのやり取りにこのレコーディングに興奮している様子が語られています。
そんな興奮がまた、音に現れているんですよね。
ライブエナジーが迸るエネルギッシュなサウンドで、その音がまた自宅のJBLスピーカー4305Hとの相性抜群で、水を得た魚のごとく悦びに満ち溢れた音が流れてきます。
最高ですよ、これは。
まあ、もともとThe Strutsはデビュー当時から生々しく力強くも鮮烈な音を鳴らしていて、並々ならぬ音質へのこだわりを感じさせる音作りをしていましたが、そんな音質への追求はとどまるところを知らないようです。
コンパクトに凝縮された曲がほとんどで勢いがすごいです。抑圧された想いが弾け飛んでいるかのような、爆発的な躍動感。
中には長い曲もあるんですけど、まったくダレない展開でテンションが一向に落ちません。
ヴォーカルのLuke Spillerの歌声がまた素晴らしいですね。Queenの名ヴォーカリスト故Freddie Mercuryから薫陶を受けた全力投球の情熱的な歌唱が、力強いバンドサウンドに負けじと張り合っています。
日本盤ボーナスの、Summer Sonic 2019からのライブ音源もいいですね。バンドのアツいパフォーマンスはもちろんのこと、ライブならではの鮮度や圧は保ちつつ、それでいてクリーンな音にまとめているミックスのさじ加減が絶妙です。
もの凄いことになりそうな予感を、この新作を聴きながらヒシヒシと感じています。
2020年4月に予定されていた単独来日公演の振り替えとなる2021年4月の来日公演は、きっと伝説的な公演となるでしょう。
私は梅田クラブクアトロで開催される大阪公演を観に行きます。今から来春が楽しみで仕方ありません。