主演女優のふたりが超可愛いから、という男の欲望丸出しの不純な動機100%で、浜松市のミニシアターでフランス映画『私がやりました』を観てきた
浜松市のミニシアターシネマイーラで、フランソワ・オゾン監督のフランス映画『私がやりました』を観てきました。
近隣の上映館はわずか三館。
ただ、近隣といってもそのうち二館は片道約80kmある愛知の伏見ミリオン座と片道約100kmある静岡市のシネ・ギャラリーで、とても気軽にふらっと映画を観に行ける距離ではないので、実質浜松市のシネマイーラ一択。
当初は静岡市のシネ・ギャラリーに『ザ・キラー』を観に行くついでに二本連続で観ようかと考えていたのですが、幕間わずか10分で連続上映だったため、トイレ休憩に間食にと慌ただしすぎるのが気がかり(ローカルルールで上映中の出入りや飲食が禁止のため)で、三館の中では最も自宅から近い浜松市のシネマイーラで観ることにしました。
唯一の懸念は急用で上映時間に都合がつかなくなることでしたが、幸いそんな心配も杞憂に終わり無事に観てくることができました。
物語の舞台は1935年のフランス、パリ。舞台の背景の関係か、クラシック作品リスペクトの映像や演出が多いのですが、ガーリーさやポップさを押し出した美術や衣装も盛りだくさんで、古風でありながら斬新で可愛らしくもある映像が最高でした。
物語の発端となった事件そのものを直接写していなかったので、本当のところはどうなのか想像を膨らませつつ逆転司法闘争からの最後に真相かな?と予想しながら観ていたら全然違いました。
そんな本格的なサスペンス・ミステリーではなく、それでいいのかな…と観ているこちらが心配になる程、力技でやや強引に進行していきます。
矛盾なく本格的にきっちりしすぎていると、本作の登場人物たちの愛すべきユーモラスな持ち味が損なわれてしまうに違いないので、細かいところの整合性は捨ててキャラクターの魅力を前面に押し出す方向に振ったのでしょう。
主演女優のふたりが超可愛いのはもちろん、それ以外にも魅力的な人物たくさんでとても楽しい映画でした。勘違い自己陶酔の激しいクズの中のクズだった主人公の彼氏だけは最初好きになれず、なんでこんな男に引っかかったんだと頭が痛くなりましたが。
新聞の見出しで登場人物たちのその後を示唆するユーモアセンス抜群のエンドクレジット最高ですね。『ワンピース』の新聞とか手配書の懸賞金更新みたいで。
たまにミニシアターに行くと、上映予定作品数本の予告の後にすぐ本編開始で気持ちいいですね。宣伝まみれの大手シネコンとは大違い。
ミニシアターにはミニシアターの、大手シネコンには大手シネコンの良さ、魅力がそれぞれあるのは重々承知の上ですが、それでも物には節度ってものがあると思うんですよね。