イギリスの女性シンガー、Chez Kaneのデビューアルバム『Chez Kane』が素晴らしい
YouTubeに動画を投稿していたことで夢を掴んだ人は、たくさんいます。
デジタルカメラやレンズのレビューを投稿していたらアンバサダー的な仕事を得た人もいますし、ゲーム実況で稼ぐ人も珍しくないですし、ベースを演奏している動画を投稿していたらB’zのサポートメンバーに抜擢された人もいます。
Chez Kaneは、自宅のスタジオでMetallicaやVan Halen、『トップガン』の”Mighty Wings”のカバーなどを歌ってYouTubeに投稿していたら、ソロデビューのチャンスを得ました。
しかも、Clazy LixxのDanny Rexonの全面バックアップ、EclipseのErik Martenssonによるマスタリングという、夢のような待遇で。
Danny Rexonによる全面バックアップの内訳ですが、プロデュースだけでなくサックス以外の楽器すべての演奏、さらには作詞作曲と、リードヴォーカル以外ほぼ全てといっていいほどの仕事ぶりで、文字通りの全面バックアップです。
自分だったら、ここまで心血注いだら歌も自分で歌いたくなっちゃいますけどね。Satinみたいに。
インタビューに書かれていた通り、前から女性ロックシンガーを発掘してプロデュースしたいと考えていた、その熱意が本物であったという証でしょう。そうでもなければ、なかなかここまでできないですよ。
そのDanny Rexonが提供した楽曲ですが、全編キーボードが活躍するポップかつキャッチーなハードロックです。Crazy Lixxほどハードというわけでもなく、かといって物足りなさを覚えるほど軽くもなく。程よいバランスのサウンドで、カラッと明朗なメロディアス・ハードに仕上がっています。
Chez Kaneのハスキーで力強い歌声を存分に活かした快作。Danny Rexonがずっと温めていたアイデアにぴたりと合致する理想の歌声だったことが伺えます。
Danny RexonはChez Kaneの次のアルバムのために既に何曲か書き始めているだけでなく、年内にはCrazy Lixxの新作もリリースされるかもしれないとのことで、今後の活躍も楽しみですね。