イギリスのメロディック・ロックバンド、Kickが三枚もアルバムを出していたとは知らなかった

Kickが三枚もアルバムを出していたとは知らなかった

てっきり、一枚きりで解散したものだとばっかり思っていましたよ。まさか三枚も出していたとは、思いもよらず。

イギリスのメロディック・ロックバンドKickが『Consider This….』でデビューしたのは1999年のことなので、それから21年も経って、ようやく三枚目までアルバムが出ていたと知りました。

このKickというバンド、けっこう好きだったんですよ。工夫を凝らした展開を散りばめた楽曲を聴かせてくれるバンドで、稀有なセンスの持ち主でした。

なぜ今さらそんなことを知ったのかというと、恥ずかしながらVegaを未聴だったからです。

Vegaがデビューしたときに逃さずにチェックできていれば、解説から情報を得て、ここまで遅れを取ることもなかったでしょう。

Twitterのタイムラインに、ディスクユニオンさんのこのつぶやきが流れてきたときには、思わず二度見しました。

は!? Vo.は元KickのNick Workman!? 今度の新作で六枚目!?

前々から、Vegaというバンドの存在は知っていたんですよ。たまに、Amazonのおすすめに上がってきていたので。不思議に思ってはいたんですよね。このVegaってバンド、ちょいちょいおすすめされるけどなんだろうな、と。

そこで止まっちゃって、踏み込んで調べなかった自分の落ち度です。慌てて、「元Kick Nick Workman Vega」で検索した結果、こちらのサイトにたどり着きまして、Kickが三枚もアルバムを出していたと知った次第です。

新型コロナウイルスの蔓延のせいで、延期や中止になった興行のチケットを払い戻して戻ってきたお金で、Kickの2ndと3rd、Vegaの1stから5thまでをダウンロード購入しました。

まだまだCD派ですけど、だいぶダウンロード購入への抵抗が少なくなってきましたね。国内版だとカタカナ表記っぽかったので、打ち直しがめんどくさいので、あえて海外版をダウンロードしました。

そんだけダウンロードするならサブスクに加入したほうが断然お得っすよ、という声も聞こえてきそうですけど、そんなことは百も承知です。お得なのは間違いないですけど、自分の視聴環境、用途に合致しないので、今のところサブスクは要らないです。いくらお得でも、使えないなら意味がないんですよねぇ。

H.E.R.O.の『Bad Blood』を聴いた感想

H.E.R.O.の2ndアルバム『Bad Blood』を聴いた感想

初の単独来日公演直前に発売予定が発表されて以来、手元に届くのを心待ちにしておりました。デンマーク出身のロックバンド、H.E.R.O.の2ndアルバム『Bad Blood』。

Amazonで予約注文したらフラゲ日に届いたので、プライム会員じゃないのにフラゲ日に届けてくれるなんて、やけに太っ腹じゃないかAmazon、などと戸惑いつつも、嬉しくて否やもないので、早速開封して聴き込みました。

デビューアルバム『Humanic』の国内盤リリースが2019年の4月24日なので、約一年のスパンでの新作です。洋楽ロックバンドでこの間隔は、異例中の異例、かなり早いタイミングでのリリースでしょう。

イベント出演や大物のサポートを勤め上げてからの満を持してアルバムデビュー、初単独来日公演も盛況で成功と、勢いに乗っているのをひしひしと感じますね。この勢いを逃したくない、立ち止まらずに攻勢に出るべきだ、そういった判断なのでしょう。

レーベルと契約を結んでから1stアルバムまでが長かったので、アイデアやストック、やってみたいことが豊富な状態だった、というのも、次の一手の早さに繋がったんでしょうね。アルバムデビューにこぎつけるまでは苦労したかもしれませんが、その後の怒涛の勢いを見るにつけ、積むべくして積んだ苦労、正解だった回り道でしょう。

このバンドの一番の魅力、武器は、Chrisの美しいハイトーンヴォーカルだと思うんですけど、その魅力の活かし方を充分に心得た、高低差のある作曲が心憎いですね。

マニピュレーターを駆使した、リッチで重厚で手の込んだロックサウンドを切り裂くようにして耳に飛び込んでくる、高域の美しい歌声がたまりません。

裏声を美しく伸ばしたかと思ったら、荒々しいシャウトが飛び出したりと、表現力にも幅があって、聴いていて惚れ惚れします。

考え方のひとつとして、サウンドをシンプルにして歌声の魅力を前面に押し出すのもありだと思うんですけど、音にも凝りたいし歌声の美しさも活かしたい、と欲張った結果、モダンでポップでありながら挑戦的でもある、豊潤なサウンドに仕上がっています。

一番長い曲でも3分56秒と、コンパクトにまとめられた楽曲ばっかりで、12曲入りで40分と一周があっという間なのが、凝縮されていて濃密で聴き応えがある反面、もっと聴いていたいと物足りなさも覚えてしまいます。贅沢な注文ですね。

ちょっと気が早いですけど、次作では大曲も聴いてみたいですね。スリリングなソロバトルを繰り広げるような、ライブでトリップできそうな楽曲を。