ポートメッセなごやでGreen Dayのライブを観てきたら、ライブDVD『Bullet In A Bible』の楽しさが倍増した

ポートメッセなごやでGreen Dayのライブを観てきたら、ライブDVD『Bullet In A Bible』の楽しさが倍増した

2025年2月23日、日曜日。ポートメッセなごやで開催された、アメリカのポップ・パンク・バンドGreen Dayのライブを観てきました。

世がコロナ禍に突入したことで中止となってしまいましたが、EvanescenceやMy Chemical RomanceやJimmy Eat Worldなどが出演予定だったダウンロードフェスとGreen Dayの単独公演が前後して天を仰いだ2020年の春から、早いもので五年が経ちました。

あの時のリベンジ公演ですね。

車か電車か迷いつつ、車で行きました。お供は彼らの約20年前のライブDVD『Bullet In A Bible』。途中SAでの休憩を挟みつつ、ちょうど一周くらいで13時半ごろに駐車場に着きました。

電車で来る人の方が多いからというのもあったんでしょうけど、ガラガラというわけでもないけどめちゃくちゃ混んでいるというわけでもない市営金城ふ頭駐車場のキャパは素晴らしいですね。

開演前にTシャツどれか一枚とトートバッグを買いたかったですが、待機列が尋常じゃないくらい伸びていたので諦めました。

入場時の案内がわかりにくくて混乱を招いていて、こんな状況でサポート演奏はかわいそうだなとおとぼけビーバーに同情を覚えつつ、割り当てブロックの隅っこの方に程よくひらけたスペースを見つけて落ち着きました。

それにしても、腰を落ち着けてしばらくすると前方にスッとでかい人が滑り込んできがちなのはなんなんでしょう。まあ自分も後ろの人にそう思われているかもしれないわけで、ここはぐっと飲み込んで自分なりにベターなポジションをなんとか探すしかないわけですが。

開演直前にQueenの”Bohemian Rhapsody”とRamonesの”Blitzkrieg Bop”がライブ音響で流れて、みんなで合唱したり盛り上がったりも楽しかったです。

Ramonesの”Blitzkrieg Bop”は後日Apple TVで映画を観ていたら登場人物がレコードで流し出して、(あの時の曲だ!)と驚きました。こんなタイムリーなこともあるものですね。

サポートアクトの追加があったぶん、当初の予定よりやや押してスタートしたGreen Dayのライブは、ヒット曲のオンパレードでもう最高のライブでした。

『Bullet In A Bible』を観ていると、まるでアフレコのような高音質録音と歓声や演出の臨場感に驚くのですが、まさにそのまんまのライブでした。

歌も演奏も上手くて安定してるのにエネルギッシュでパワフルではち切れんばかりで、ほとんど休憩することなくノンストップで進行するステージに大感激。一度マイクにトラブルがあったのですが、何事もなかったかのように繋いでいる間に一瞬で交換していて、歴戦の呼吸とお手並みでした。

また、スクリーンが上下左右に四面あったり、火柱が何本も昇ったり大砲のような炸裂音が何発も弾けたりと、野外スタジアムライブのようなド派手な演出にも度肝を抜かれました。

物販の待機列が長すぎて諦めたり、入場時の案内がわかりにくくてゴタゴタしたり、混雑緩和のための規制退場っていうけどこの先で詰まるじゃん結局とモヤモヤしたものを抱えつつ愛車に戻ったり、駐車場の出口も混んでて終演から高速に乗るまでに一時間近くかかったりと、いくつか納得いかないというか腑に落ちないといこともありましたが、Green Dayのライブは最高でした。

帰りながら観た『Bullet In A Bible』のまた楽しいこと楽しいこと。

惜しむらくは、ところどころでインタビューやリハーサル風景を挟んでドキュメンタリー映画風な作りになっているためにライブ映像への没入が損なわれることですが、それらが挟まれていることで二十年経ってもまったく脇目も振らずにブレずにGreen Dayが突っ走っていることが伝わってきて、嬉しくて嬉しくてたまらなくなるのです。

ライブ映像を観ているだけではきっとわからなかったことがわかったような気がします。

Music is the air that I breathe.

『Bullet In A Bible』より
Billie Joe Armstrongの言葉

Green Day

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ライブ中にずっと動画を撮り続けている人はマジですごい

ライブ中にずっと動画を撮り続けている人はマジですごい

先日、ポートメッセなごやで開催されたGreen Dayのライブを観てきたのですが、途中どの曲だったかは忘れてしまったんですが、ヴォーカルのBillieが客席に向かって「No Phone!」と訴えるひと幕がありました。

彼の言わんとすることを意訳すると「ちょっとの間だけでいいから撮影やめて!今この瞬間だけでいいから。俺たちだけで充分だろ?」的な言葉を投げかけていました。

その言葉を受けてほとんどの人はスマホをしまったんですけど、いくら英語がわからなくてもあの必死さからニュアンスくらいは伝わっているだろうに、一部の人は動画を撮り続けていました。

別に、CDやDVDやグッズを買ってなくても「それでもファンなの?」なんて思いませんけどね。

わざわざ高い金を払ってライブを観に来るくらい大好きなバンドのヴォーカリストが「ちょっとの間でいいから撮影やめて!」って訴えてるのに、聞く耳持たずにずっと動画を撮り続けてるような人には思っちゃいますよね。

それでもファンなの?って。

好きだからそのバンドのTシャツ着てライブ観てるんちゃうの?って。

禁止されてたのはプロ用の機材での撮影、録音なので禁則事項には抵触していないとはいえ、話を聞く気ゼロとかファンとか好きとかそれ以前の問題で、人としてどうなのっていう話ですよね。

まあ好きにすればいいんですけどね。周りからどう思われようが、自分のやりたいことをやり抜く、その姿勢や心持ちの是非はとりあえず置いといて、すごいことですよ。

ライブ中ずっと動画を撮り続けてるの、マジですごい。

だって俺だったら、ずっと動画を撮っていたいとしても、できないですからね。

まず、すぐに肩が痛くなっちゃって腕を上げていられなくなっちゃって。腕を下げちゃったら前方の人だかりで画面が埋め尽くされちゃってステージなんて見えなくなっちゃうから、上げ続けてないといけないのがまず無理。

それに、長時間動画を保存できるようなストレージの空き容量もないですし。iOsのバージョンアップもできないくらいカツカツですからね。

iPhoneのバッテリーだって、そんなカメラ回し続けてたら二時間も持たないですよ。七年目に突入したiPhone XRでは。

さらにいうなら、たとえ動画を上手く撮れていたとしても、後から見返してるような時間もないですしね。新譜も聴きたいし大好きな過去作も聴きたいし、ライブDVDも観たいし映画も観たいし、小説や漫画だって読みたい。

一体どこに、自分が撮った映像も音もしょぼいフルライブ映像を見返している時間があるというのか。

すごいですよ、ほんと。ライブ中にずっと動画を撮り続けている人はマジですごい。

体力お化けのタスクマスターなんでしょう、きっと。

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行きたいライブが多すぎて迂闊に予定が決められない問題

行きたいライブが多すぎて迂闊に予定が決められない問題

私は今、とある問題に頭を悩まされています。

まあ、タイトルの通りなので勿体ぶるほどのことでもないんですけど。

そう、行きたいライブが多すぎるんですよ。そして、そのために迂闊に予定が決められなくて、ちょっと困ってるんですよ。

現時点で行く、行きたい、気になっているライブ日程を列挙すると…

  • 3/28 Winger 名古屋
  • 3/29 Inaba / Salas 横浜
  • 4/12 森恵 静岡
  • 4/14 Feeder × ELLEGARDEN 名古屋
  • 4/19 NOTD 京都
  • 5/5 Guns N’ Roses 横浜
  • 5/24〜25 Green Room Festival 横浜
  • 6/4 Valley 名古屋
  • 6/13 Inhaler 大阪
  • 6/21〜22、28〜29 B’z UNITE#02 横浜
  • 8/9 BAND-MAID 名古屋
  • 8/16〜17 サマーソニック2025 幕張
  • 9/8 Jack’s Mannequin 大阪
  • 冬 B’z ドームツアー

こんなの一体どうしろと??

3月下旬から4月上旬にかけてはお花見にも行きたいですし、5月の連休にはたまには母親を連れ出して親孝行もしたいですし、梅雨入りする6月には家で大人しくしていたいものですし。

ライブに行くだけでなく、他にも色々とやりたいことがあるのですよ。小説や漫画も読みたいですし、映画やライブDVDも観たいですし。

やりたいこと、やるべきことが多すぎて、合従軍に攻め込まれた秦のような混乱ぶりですよ。

中にはすでに売り切れだったり先行抽選外れたり日程と開催地の折り合いがどうにも悪かったりで諦めた公演もありますけど、できることなら行っておきたいのもまた確かなんですよね。

絶望のコロナ禍を経て、一層その思いが強くなりました。

行ける時に行っとかないと。

でも予算にも時間にも限りがあり、他にもやりたいことがあるわけで、ではどうするかと頭を悩ませることになるんですけども。

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東京ドームでMaroon 5のライブを観たら映画『トラップ』が頭をよぎった

東京ドームでMaroon 5のライブを観たら映画『トラップ』が頭をよぎった

先日、初めての東京ドームで、初めてMaroon 5のライブを観てきました。

私の座席は三塁側の二階席で、平たく言えばかなり後方で、これでS席かよとグチのひとつもこぼしたくなるような席でした。ちょっと前に話題になったハズレS席ってやつですね。

このフロアの傾斜がなかなかきつくて、豊田スタジアムやKアリーナも結構でしたけど、負けず劣らずでした。この傾斜のおかげで前方の視認性を確保しているわけで、ありがたいことはありがたいんですけど、吸い込まれて転げ落ちそうな錯覚すら覚える下りは恐ろしかったです。

座席に座ってみると、前後の幅がめちゃ狭いのにも辟易しました。人ひとり歩くのがやっと。立ち上がるか体を思い切り横にしないとすれ違いもできないくらい。

足を開いて座ると両隣の人の迷惑になって、足を閉じて座ると前の席の背もたれに当たってしまう。どうしろと?足首か膝か腰かもれなく全部か、二時間後にはイカれちゃいそうな着座姿勢になってしまうんですけど…。

ここで、去年観た好きな映画が頭をよぎりました。

M・ナイト・シャマラン監督、ジョシュ・ハートネット主演の映画『トラップ』が。

『トラップ』がどんな映画だったかというと、大人気歌姫のコンサートを大ファンの娘を連れて観にきた父親が、会場の尋常ならざる警備体制に違和感を抱き聞き取り調査をしてみると、どうやらこのコンサート会場にやって来ている連続殺人鬼を捕らえようとする捜査網だったことが明らかになり、平静を装うも隠しきれずに挙動不審になりコンサート会場を右往左往しだす、そんな様子を描いている映画です。

私がこの映画を観に行きたくなったのは、予告でコンサートの真っ最中に父親が右往左往している様子を映していたのですが、父親だけでなく他にも大勢の人がロビーや売店やトイレをうろうろしていたからです。

いやいや、そんなわけねえから。大人気歌姫のコンサートの真っ最中に、そんなに大勢の人がフロア外を開演二時間前みたいな呑気さでうろうろしてるわけねえから。フェスならまだしも、単独公演でこれはない。

そう突っ込みたい一心で観に行きました。

予告だけだと、編集のあやでそう見えていただけかもしれないですからね。ちゃんと映画を観て事実関係を確認してから突っ込まないと。

まあ、予告から受けた印象の通りだったわけですが。

で、この父親がコンサート会場からの脱出方法を探るためにしょっちゅう離席するわけですよ。隣や後ろのモブに、邪魔そうに睨みつけるような小芝居を入れて欲しかったな。

現実にこんなことされると、ほんとに邪魔くさいんで。

忌々しすぎて殺意が湧いてもおかしくないくらいには。

東京ドームの二階席みたいに、前後の座席間の通路が狭すぎると特に。

映画はめちゃくちゃ面白かったですよ。ツッコミどころ満載で。音楽が好きでライブやコンサートによく足を運んでいるなら、特に楽しめるんじゃないかなと思います。あるあ…ねーよ!祭りで。

Maroon 5

『トラップ』

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東京ドームでMaroon 5のライブを観てきた

東京ドームでMaroon 5のライブを観てきた

2025年2月8日土曜日、アメリカのポップ・ロックバンドMaroon 5のライブを観てきました。

会場はあの東京ドーム。噂のライブハウス東京ドームです。

東京ドームも、Maroon 5のライブを観るのも初めてです。

昔、Maroon 5が2007年に発売したライブ盤を聴いた時にライブならではの熱気に炙り出されたような即興性に圧倒されて、これは間違いあるまいといつか来たるその日を心待ちにしていましたが、やっとその日が訪れました。

ほぼ定刻通りに暗転し開演。

明滅する真っ赤な照明に東京ドームの巨大空間を揺るがす、耳をつんざく轟音。

2023年12月に有明アリーナで観たManeskinのオープニングとどことなく雰囲気が似ていて、懐かしいような早くも気圧されるような、そんな不思議な思いが去来する幕開けとなりました。

次から次へと繰り出される大ヒットナンバーの数々。ど迫力重低音にも埋もれない美声にコーラス。歌うだけじゃなく時にギターヒーローばりにギターを弾きまくるAdam。Mr. Bigみたいに担当ローテしてもクオリティ下がらなそうなバカテクに支えられたライブの上手さ。QueenのFreddie Mercuryばりに客席を煽るコール&レスポンス。

豪雨みたいなライティングとシンクロするドラムソロを組み込んできたり、オリジナルのポップさや華やかさを犠牲にしてでもバッキバキの重低音を叩き込んできたり、”香水”でも歌い出しそうな雰囲気でアコギ一本の伴奏が始まったりと、ライブならではのアレンジも意外だったり刺激的だったりで楽しかったです。

中には大胆に攻めたアレンジに(あ、あれ?)と時々スかされて現在地を見失いそうになったりした曲もありましたけど、元曲の素晴らしさの強引な軌道修正で結局感動させられるという。

最高でした。

本編17曲にアンコール3曲、計20曲に約90分のステージは、これまでのアルバム枚数やまだまだ披露しきれていないヒット曲に知る人ぞ知る名曲のことを考えると物足りなくも感じますが、凄まじい音圧や凝縮された滾るテンションのことを思えば、これくらいのコンパクトさで収めてもっと聴きたかったなとこぼしながら帰らせるくらいでちょうどよかったのかもしれません。

終演が早かったおかげで、妹宅の最寄りまでの終バスにも余裕で間に合いましたしね。

次の機会があったら今度は”Won’t Go Home Without You”や”Misery”や”Give A Little More”なども聴きたいな。

そうしたらそうしたで、どれを削るっていうんだよ、という難しい問題になってしまいますけども。

Maroon 5

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