友人に誘われて登山について行ったら、想像以上にハードだった

友人に誘われて登山について行ったら、想像以上にハードだった

あれは何年前だったか、紅葉の西沢渓谷に仲間四人でハイキングに出かけたことがあったんですけど、その仲間内で真っ先に「おれここで諦めて引き返して車で待ってます」とギブアップ宣言した人から、まさか「山に歩きに行きませんか」と誘われる日が来るとは、夢にも思っていませんでした。

なので、私が一番に想像したことは(あまりハードではない初心者向きのコースに行くのだろう)ということでした。西沢渓谷も、初心者向きという割にはハードだったので、少なくともあそこほどではないのだろうな、と想像を膨らませました。

更に詳しく友人の話を聞くと、ロープウェイとリフトを乗り継いで山の上の展望台まで上がって、そこで雲海とご来光を眺めてからコースを登り始めよう、という話だったので、自分の想像は間違ってなかったなと確信して、軽い気持ちで快諾しました。

いいでしょう。ぜひ、行きましょう。

まさか、コロナ禍でしばらく会っていなかったうちに、そんな友人が近隣の低山を毎週末のように登っては脚を鍛えていたとは、思いもよりませんでした。

西沢渓谷で得た、登山経験者の言う「初心者におすすめ」を甘く考えるなという自らの経験による訓告は、すっかり忘れ去られていたのです。

さて、そんな友人が選定していたハイキングコースは、ヘブンスそのはらの富士見台高原ロープウェイを利用した、富士見台高原パノラマコースでした。

夜明け前にロープウェイとリフトを乗り継いで展望台まで上がり、雲海とご来光を眺めてから登り始め、お昼時までには車に戻り、日帰り温泉入浴後にお昼を食べて夕方までには帰ってくる。

事前に予定していたタイムテーブルは、ざっとこんな感じ。

まあ行けるでしょうなどと気楽に構えていたのですが、登り始めて30分も経たないうちに脚が悲鳴を上げだし、いや想像以上にキツイぞこれは、最後まで行けるか…と不安と戦いながらのハイキングとなりました。

当日ですが、現地の最低気温は4℃、最高気温は17℃という予報で、更に山の上に行くということもあってガチガチの防寒対策を施しました。

真冬に白馬や志賀高原のスキー場に行ったときですらこんなに着込んだことねーぞ、っていうくらいの重ね着です。スキー場に行くときは移動は車で着いたらすぐにスキーウェアに着替えるから軽めの服装になるという面もありますが。

全身のほぼ八割がたをワークマンの防寒服で固めました。下着の上にメリノウールの上下タイツ、パンツはエアロストレッチウォームクライミングパンツ、上にはトレッキングカットソーにフリースジャケット、更にはインナーダウンに防風ジャケット。

ここまで着込んでいても寒かったですね。リフト乗り場の駐車場が一番寒かったです。まだ5時過ぎで日の出前だったというのも大きいでしょうけども。

ご来光を眺めたあとに登山道を歩きだしたらすぐに暑くなり、一枚また一枚と重ね着を脱いでいくことになりました。

スタート地点の展望台から目的地の富士見台高原までは、初心者が写真撮影や休憩をはさみながらゆっくり歩いて片道約二時間。ところどころぬかるんだ急な登坂は想像以上のしんどさでしたね。我ながらよく歩いたと思います。

しんどさもそうですが、絶景も想像以上でした。こんな絶景が眺められるのならばこのしんどさにも納得、そう思ってしまうほどの大パノラマが広がっています。こんな景色が見れるのならば、しんどさも忘れて餌に釣られちゃうのもしょうがないでしょうね。

中央自動車道を走り抜けているときにはただ(長いトンネルだなぁ)としか思っていなかった恵那山トンネルの上に、まさかこんな絶景が広がっていたとはまったく知りませんでした。

ビーナスラインっぽさや渋峠っぽさを思わせる風景がそこかしこに広がっていて、日本離れしてましたね。

快晴で絶景だったこともあって終始気持ちのいい登山が楽しめたので、山の魅力に魅入られつつある自分を感じています。今までまったく興味がなかった、近隣の低山ハイキングコースをちょっと歩いてみようかな、などと考え出しているくらい。

では最後に、富士見台高原パノラマコースを歩きながら撮ってきた写真を載せておきます。

今回の撮影機材

今回の撮影は、カメラはキヤノンのデジタル一眼レフEOS 8000D、レンズは純正標準ズームのEF-S18-135mm IS STM、この組み合わせでのマニュアル撮影です。

デジタル一眼レフとしては中型でやや重いため、登山の邪魔になるかと持っていくべきか悩んでいましたが、快晴と絶景に恵まれたこともあって、携行して大正解でした。

ピークデザインの長さ調節の容易なストラップで身体にカメラを密着させていたので、歩行への負担がかなり軽減されたのだろうと思います。リュックを下ろしたいときにはさすがにちょっと邪魔に感じましたけどね。

半年前の焼津の桜以来、久しぶりにシャッター切りまくれたので大満足です。

初夏の上高地でハイキングを楽しんできた

いざ、新緑の上高地へ

昔に治療した歯の詰め物が取れてしまって、随分と久しぶりに歯医者に行くことになったのがきっかけでした。

そこでレントゲンを撮ったら、親知らずが一本、横向きに生えてすぐ横の歯を押しているのが判明したため、取れた詰め物の治療を進めると同時に、トントン拍子にさっさと抜いちゃいましょう、という話になってしまったのです。

「え、チョット待って、怖いんですけど」などという私の心の内の逡巡など置き去りに、あれよあれよという間に抜歯手術の日程まで決まってしまったので、絶望に沈んだ私は楽しい予定を詰め込んで現実逃避を図りました。

よし、上高地に行こう!

今まで何度か上高地には行ってますけど、夏真っ盛りか秋かのどちらかで、新緑の初夏ってパターンはなかったですからね、ちょうどいい。

絶景の上高地をハイキングして、抜歯の恐怖に負けそうな心を奮い立たせるのだ。

今回の撮影機材

今回も、カメラはCanonのデジタル一眼レフEOS 8000D、レンズは純正標準ズームのEF-S18-135mm IS STM。この組み合わせで、すべてマニュアル撮影です。

上高地で撮ってきた写真

上高地は、長野県と岐阜県の県境にある山岳リゾートです。

クルマで行く場合は、マイカー規制されているので、あかんだな駐車場沢渡駐車場にクルマを停めて、バスかタクシーで目指しましょう。

私の華麗なる脳内計画では、8時前には駐車場にクルマを停めて、8時半には大正池から散策を開始しているはずが、駐車場に着いたのは9時過ぎ、散策を開始したのは10時前でした。

おかしいな。前と同じような時間に家を出たはずなのに、どうしてこうなった…。

いつ見ても、悠然と美しい大正池。素晴らしい。穂高連峰に雲がかかっていようとも、まったく揺るがない素晴らしさ。全然人がいないように見えますが、後ろと右側にめっちゃいます。

大正池のほとりギリギリまで寄って、さらにズームで。この日は基本曇りだったんですけど、時折、雲の割れ目から差し込む陽光がきれいでしたね。

いやぁ、きれいですよねぇ。なんなんですかね、この新緑の輝きさえ霞むほどの水面の美しさは。

大自然の中で異彩を放っていた、盆栽のような趣のある小さな木。経年経過を観察したくなる一本ですね。

入り組むように倒れ込む枯れ木と超ナイスなリフレクション。渋い。

新緑の白樺も鮮烈。

田代湿原から望む穂高連峰。ため息がこぼれるほど尊い。

新緑がめっちゃ鮮やかな田代池。水の透明感も抜群。

絶景の撮影に夢中になっていたら、ヒザ下を何かがかすめたような気配があったので、びっくりして見たらお猿さんでした。周りの人間には目もくれずに、気ままに闊歩してましたね。

日光みたいな、気性の荒いお猿さんじゃなかったので、いたずらされずに済みました。

写真ではわかりにくいですが、この梓川、めっちゃ流れが急です。優雅かつダイナミック。

この日は、めっちゃお猿さん見ました。子猿を背負った母猿もいて、シャッター切りまくったんですがまともに写らず。

やっぱ、動いている被写体をマニュアル撮影は厳しいですね。こういうときに、何も考えなくてもぱぱっと撮影モードを切り替えられるようになりたい。

梓川から見上げる河童橋。いくら夏とはいえ、三連休の初日にしてはやけに人が少ないなと不思議だったんですが、その理由は帰りに判明しました。

河童橋の上から望む穂高連峰。新緑が眩しすぎる。

河童橋越しの穂高連峰。いつ見ても絵になりますね。素晴らしい。毎回毎回、似たようなところから似たような構図で撮ってるんですけど、わかっていながらついつい撮っちゃうんですよねぇ。

新緑の上高地も素晴らしかった

毎年のように、上高地を訪れては、似たような構図に心奪われて思わず写真を撮っちゃってるんですけど、これはもうしょうがないですね。

上高地の被写体力、高すぎ。もう大好き。

渋滞に巻き込まれたわけでもないのに、何故か予想よりも到着時刻が遅くなったため、予定が押しに押して、ハイキングを終えてバスターミナルに戻ってきた頃には、15時を過ぎてしまいました。

また帰りのバスやタクシーの行列がとんでもないことになっているのではと戦々恐々としていたのですが、なぜかあまり混んでいなかったので、ホッとしてタクシーに乗り込んだら、運転手さんからその理由を聞きました。

なんでも、松本市から上高地に続く国道で、重傷者が出る酷い事故があったらしく、その国道が通行止めになっているそうで。

せっかくの連休なのに全然お客さんが上がってこないから商売上がったりだよ、とボヤいていました。

そうだよなぁ、連休の上高地が、こんなに空いてるわけないよなぁ。おかしいと思った。

最短距離で帰ろうとすると抜けるのに何時間かかるかわからないよ、と教えてもらったので、途中で迂回して大回りして宿に向かいました。

塩尻市に宿を取ったんですけど、宿のすぐ近くにワイナリーが何軒かあったので、16時までにはチェックインして、夕食までの間にワイナリー巡りにでも洒落込もうかと考えていたのですが、なかなか思うようには計画は進まないものですね。