私の映画館選びにおける優先順位

私の映画館選びにおける優先順位

新作映画の予告編を見て(これ面白そうだな、映画館で観たいな)となったら、私がまず最初にすることは上映スケジュールの確認です。

お隣の豊橋市の映画館ユナイテッド・シネマでの上映があるかどうか、ですね。映画を6回観れば1回ぶん無料になるカード会員になっているので、まずはそこを見ます。

豊橋のユナイテッド・シネマにはIMAXと4DXのプレミアムスクリーンがあるので、その仕様での上映もあるのか、あるとしたら金曜のレイトショーなどの行きやすい時間帯での上映もあるのかも合わせてチェックします。

アクションやSF超大作であれば、大画面とど迫力サウンドで没入感マシマシのIMAXは外せませんからね。上映回数や時間帯によっては諦めることもありますが、ここを狙います。

IMAXや4DXがないとなったら、ユナイテッド・シネマの通常上映で我慢するか、いつ行ってもガラガラに空いているイオンシネマで観るか、自宅から一番近いTOHOシネマズで観るか、という三択になります。

イオンシネマはたまにどちらでも上映していない作品を上映してくれるなど、痒くて手の届かないところに触れてくれたりするので、チェックは欠かせません。

TOHOシネマズは通常上映でも音質が素晴らしいので、ドラマやホラーやミュージシャンの伝記映画など、音質が重要になる作品の場合には第一候補としています。

自宅から通いやすい映画館三館それぞれ微妙に特徴が異なるので、うまいこと棲み分けというか使い分けができています。

先日、大好きな漫画の『BLUE GIANT』がアニメ映画化されて、原作が好きすぎるとアニメ化とか映画化には興味がないのでスルーするつもりでいたのですが、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の前に予告が流れてそこで音を聞いたら凄かったので、映画館で観てみたくなりました。

音のいい映画館で観たい!

まずは豊橋のユナイテッド・シネマのIMAX上映があるかをチェックしてみたらなかったので、それならTOHOシネマズの通常上映かなぁと考えたのですが、せっかくなら特別な音響設備を売りにした劇場で観てみたいなという気持ちもむくむくと頭をもたげてきまして、悩みました。

自宅から遠いっちゃ遠いけど行けないこともないプレミアムな音質のスクリーンというと、TOHOシネマズ赤池のドルビーアトモスか、ミッドランドスクエアシネマのドルビーシネマか、川崎市のチネチッタのLIVE ZOUNDか、だいたいこの辺りが有名どころになってくると思うんですけど、まあ遠いですよね、やっぱり。

お隣の市でも上映している映画を、ちょっと音が良さそうだからって、片道100kmや200kmとなると、さすがに気軽に観に行くかという距離ではないですからね。

去年、『トップガン マーヴェリック』の4DX Screenを観るために沼津まで行ったことを友人に話したら(正気か…?)って顔されちゃいましたし。

沼津がまた遠いんですよね。同じ県内なのに、名古屋市に行くより遠いですからね…。車で片道約三時間かかるという…。

TOHOシネマズ赤池のドルビーアトモスは一日一回しかない上に時間帯も微妙、ミッドランドスクエアシネマは迷路のような名古屋駅を通り抜けることを考えるだけで気が滅入る、川崎市のチネチッタまでは車で片道四時間近くかかる、とこういった次第で結局最寄りのTOHOシネマズの通常上映で公開初日に観ることを選びました。

TOHOシネマズの通常上映もめっちゃ音よかったので、それはそれで間違ってなかったとも思っているんですけど、近くの劇場で手っ取り早く映画『BLUE GIANT』を観た人たちの何割かは観劇後に(近くに特別な音響を売りにした劇場はないかな?)と考えていることとお察しします。

映画の公式Twitterでも特別な音響を売りにした劇場を紹介していたんですけど、その中のひとつに沼津市のシネプラザ・サントムーンがありまして。サントムーンでも臨場感体感上映なんてやってたのかと驚きました。

まあ、先述した通り沼津市まで三時間近くかかるので、ちょっくら良い音で映画観てくるか、っていう距離ではないのですが。

サントムーンっていう施設名が『BLUE GIANT』と縁を感じられて良いですよね。

『BLUE GIANT SUPREME』8巻にフランスのナンバーワンのジャズクラブが出てくるのですが、その店名がサン・ムーンという。こじつけというかたまたまというか偶然の一致というか、こういうところから劇場を選ぶのも面白いですね。

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前、原作が好きだと映画化とか興味がなくなるとか言ってなかったっけ?

そんな疑問の心の声がどこからともなく聞こえてきそうですけど、大好きな漫画『BLUE GIANT』のアニメ映画を公開初日のレイトショーで観てきました。

だって、音楽担当・上原ひろみですよ。日本のトップ・ジャズピアニストが映画のために書き下ろした新曲満載ですよ。それだけでも行くでしょう。映画館に。

『THE FIRST SLAM DUNK』の前に流れた予告で音を聞いたら、これは映画館で観たいなと思っちゃったんですよね。

予告でほんの少し音を聞いただけでも並々ならぬこだわりが感じられたので、最初、特別な音響を売りにした施設で観たいなと考えていました。

我が家から近いプレミアムシアターというと、ユナイテッド・シネマ豊橋のIMAXか、ミッドランドスクエアシネマのドルビーシネマか、TOHOシネマズ赤池のドルビーアトモスか、川崎市のチネチッタのLIVE ZOUNDか。

中でもチネチッタのLIVE ZOUNDは上映回数が多い上に、同じ上映形態の『THE FIRST SLAM DUNK』をハシゴできる上映スケジュールだったのでこれはいいなと前向きに検討していたのですが、ひとつ問題がありまして。

遠いんですよね。自宅からチネチッタまで。

車で片道四時間近くかかるんですよ。

破格のライブを二本川崎で観て日帰りすると思えば…なんとか自分なりに納得させる方便を模索しますが、やっぱり遠い。せめて片道二時間であったなら。うだうだ悩まずに行っちゃえるのになぁ。

やはり川崎市まで映画を観に行くというのは現実的ではないか…。

『トップガン マーヴェリック』の4DX Screenを沼津市まで観に行ったときですら、友人にそのことを話したら(正気か…?)って顔されましたからね。

TOHOシネマズ赤池のドルビーアトモス上映は一日一回しかない上に時間帯もビミョー…。

ミッドランドスクエアシネマは迷路みたいな名古屋駅を通り抜けることを考えるだけで気が滅入る。

IMAXでの上映はナシ。

ああでもないこうでもないと考えを巡らせた結果、結局公開初日に見ることを重視して最寄りのTOHOシネマズに行きました。TOHOシネマズの通常上映の音もめっちゃいいですからね。

天上の音さえ知らなければ普通はこれで大満足です。

まあ、それだけにドルビーアトモスとかLIVE ZOUNDはどんだけ凄いんだろうと期待と想像が膨らんでしまうのですが。

上原ひろみが映画のために書き下ろした新曲の数々は熱くソウルフルで、ほんと素晴らしかったです。

主人公たちのバンドの演奏も凄くいいですが、バンド結成前の出会いの場面での川喜田のバンドとピアニスト沢辺の掛け合いも素晴らしかったです。

ただ、ドローン撮影みたいにぐるぐる飛び回るようなカメラワークは、落ち着きがなさすぎてしんどかったですね。

これこそソー・ブルーの平氏のいうところの小手先の技術というやつなのではと思ったり。音楽が素晴らしいだけに演奏シーンのCGの違和感が大きかったのは残念でした。

実写っぽさやアニメらしさや漫画っぽさが混在していた作画は時として芸術的でもあり、音と演奏がシンクロしていないように感じることもあれば、演奏と溶け合って高みに上り詰めてゆく高揚感が味わえるシーンもありました。

『BLUE GIANT』は客席模様が面白い漫画ですけど映画でもそこは変わらず、モブをモブと思わずに客席の顔ぶれを注意深く観察していると、それぞれの音楽観や人生観の変化が見てとれて泣けてきます。

二時間の映画に収めるために色々すっ飛ばして駆け足の展開なので、淡白というか薄味になってしまっているのが物足りなかったですね。それでも二時間が一瞬で溶けるくらい感動的で面白いのですが。

激アツなライブを一本堪能したかのような満足感です。

観終わってそのまままっすぐ家に帰りましたけど、できることなら店内が明るすぎず物静かな喫茶店で美味しいコーヒーでも飲みながらポケ〜っと余韻に浸ってから帰りたかったですね。

自室に帰っちゃうと、あれやこれ片付けとかなくちゃとかお風呂入ろうかとか、雑事がチラついちゃうのが難。

二軒ほど余韻に浸るのにぴったりな喫茶店の心当たりはあるのですが、レイトショーを観たあとだと閉店間際だったり、ついでに寄るという立地ではなかったりで、ちょっと厳しいのが残念。

浜松市のミニシアターで『a-ha THE MOVIE』を観たついでに駅近のジャズ喫茶を訪問してきた

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一週間という短さでしたが、隣の浜松市のミニシアター、シネマイーラにてノルウェーのロック・バンドa-haの伝記映画『a-ha THE MOVIE』が上映されていたので、観に行ってきました。

ミニシアターは初めてだったので、事前に公式サイトでローカルルールをチェック。

全席自由で事前予約なし、席の確保が不安だったら早めに行く必要あり、スクリーンはひとつのみで前の作品の上映終了から次の作品の上映開始までの間で入れ替え、飲食は禁止ではないが周囲への配慮を忘れないように、などなど。

映画館によっては上映中の出入りは絶対に禁止だったり飲食も厳禁だったりするので、ミニシアターに行く場合はローカルルールの事前確認は必須です。

公式サイトで上映情報を調べてみたら、当日は土曜日の夕方だったのですが、東海地方ではここでしか上映していないようだったので、あんまり混んでないと思うけどひょっとしたら意外と盛況ということもありうるのか、混雑状況がまったく読めず上映開始20分前に受付に行きました。

先客は約10名といったところでしょうか。ロビーのソファに座ったり、チラシや展示の書籍を眺めたりなどして、思い思いに上映時間を待っておりました。

最終的には約30名ほどになっていたと思います。早い者勝ちの自由席なので、埋まり具合とスクリーンの見やすさを考えながらここかなと思った席に座りました。

ミニシアターなので設備はどうなんだろうと少し不安に思っていたんですけど、シートは厚みもあってしっかりしていて音響も素晴らしく、まったくの杞憂でした。

スクリーンは大手シネコンと比べたらさすがにやや小ぶりのように感じましたけど、いざ上映が始まると気にならないくらいの大きさです。

ただ、たまに空調の稼働音が気になったので、静かな映画や音が演出上で重要な位置を占めている映画では、興を削がれてしまうこともあるかもしれません。

映画の内容は幼少期から最近までを本人たちのインタビューを軸に振り返る構成で、当時の写真や映像に交えて”Take On Me”のPV風のアニメーションが挿入されたりして、洒落た趣の映像演出に見入ってしまいました。

活動休止前まではけっこうみっちり振り返っていたのに、復活後から駆け足というかあっさりというか、多くを語らずだったのがやや肩透かしでしたが、上映時間の制約もあったのかもしれません。

“Take On Me”を途中でぶった切るのはやめてくれ〜と悲鳴を上げたくなってしまいましたが、様々なバージョンの名曲が(ちょっとずつでも)素晴らしい音響で聴けたのは福音でありました。

『a-ha THE MOVIE』を観たあとは、映画館から徒歩約10分の浜松駅近のジャズ喫茶トゥルネラパージュを訪問してきました。約2000万円のアヴァンギャルド社製の超弩級ホーンスピーカーの音が聴けるということで、前々から気になっていたお店です。

お店のドアに手をかけようとしたら店内のBGMが漏れ聞こえてきて、これが噂のアヴァンギャルドのサウンドかぁとテンション上がりながら入店しました。

閉店間際だったからか空いていたので、スピーカーの前のおひとり様用の席に座りました。

美味しそうなリスニングスポットには先客がいたので、あんまりリスニングには美味しくないけど仕方がないなと間隔をたっぷり取って周りに誰もいない右端の前方に座ります。

iPhoneに取り込んだ漫画を読みながらケーキセットを頂いたんですけど、ちょいちょい読書を中断させてくる轟音は凄まじかったですね。

大音量の低音で空気のみならず床や椅子がビリビリと震えてるんですけど、全然うるさくないんですよ。耳がバグりそうな極上サウンドが生演奏のように生々しく朗々と鳴っているので、しばしば手を止めてスピーカーを見てしまいます。何だこのスピーカー、すげぇな、と。

「スウィートスポットだと?そんなもん知らねぇよ」とでも言わんばかりの豪快なサウンドに酔いしれました。

音も凄いんですけど、チーズケーキもアイスコーヒーもむちゃくちゃ美味しくて、何もかもが高レベルです。インプレッサWRX STI 22Bを全開ドライブする藤原文太みたいなジャズ喫茶でした…。

ジャズばっかりじゃなくて、たまにサザンナイトとかイベントの日もあるみたいですね。サザンナイトの日はたまたま有給を取ろうかと考えていた日と同じだったので、この音での”涙のキッス”や”真夏の果実”聴きたさに、行っちゃうと思います。

家に帰ってきてから気がついたんですけど、ライブの後みたいに音を遠くに感じました。大音量なのにうるさくないので忘れてしまいそうになるんですけど、文庫本とか持ち込んであんまり長時間入り浸っていると、知らず知らず耳へのダメージが大変なことになっているかもしれません。

それにしても、知らなかっただけで素敵なジャズ喫茶たくさんあるんですね。

ジャズ喫茶巡りにハマっちゃいそうな予感が激しくします…。