名古屋クラブクアトロでValleyの来日公演を観てきた

名古屋クラブクアトロでValleyの来日公演を観てきた

名古屋のライブハウス、クラブクアトロでカナダのポップ・ロックバンドValleyの来日公演を観てきました。

昔は好きなバンドの来日公演を観るとなったらほとんどクラブクアトロだったものですが、気がつけばParamoreかOrianthiを観て以来、約10年ぶりの名古屋クアトロです。

地下鉄直結のパルコ東館8Fで超絶便利な立地は、もし当日の天気が大雨でも傘もささずに入場が可能で、感動的ですらあります。

当日は定時ダッシュ終電ダッシュするつもりだったのですが、時間休を利用すればいいじゃんということにやっと気がついて、15時に上がらせてもらって余裕を持って名古屋に向かいました。

定時ダッシュだったら晩御飯を食べる暇もなく間に合うかどうかギリギリでの会場入りですが、この日は早上がりで余裕があったのでパルコ西館7Fのレストランフロアでローストビーフ丼を食べてから入場しました。

なんとか我慢できたので結果オーライでしたが、ライブ中にあれ?やべ、トイレ行きたいかも…となったので、今度からライブ前にローストビーフ丼はやめておいた方が無難なのかもしれません。

一度同じフロアで暴力的に美味そうな匂いを撒き散らしている極味やに入ってみたいのですが、いつも行列でこの日も順番待ちになっていたので諦めました。いつか、ライブや映画など後の予定が詰まっていない時に訪れたいものです。

前売りで売り切れていなかったので7〜8割くらいの入りかな?と予想していましたが、開演30分前に入場したらほぼ満員くらいの入りで開演を今か今かと待ち焦がれる熱気に満ち溢れていて面食らいました。

ほぼ定刻で暗転し開演。

Valleyのライブはめちゃくちゃハッピーな空間で、最高でした。

やはり、ライブハウスでロックバンドと化すポップロックバンドのライブは至高ですね。The 1975やLANYやCarly Rae Jepsenなどのライブを観て知っていましたが、再確認。

セットリストもキラーチューン攻勢で凄かったですね。え?もうアンコールで演る曲ないのでは?と心配になるほどの。それでいて、まだこの曲があったか!としっかり盛り上げてくるアンコール。

ほぼ満員のクアトロの熱狂。最高でした。

なんかドラムの音がいくつもあるなと不思議だったんですが、よくよく見たらドラムセットの奥に電子ドラムが置いてあって、巧みに織り交ぜながらリズムを叩いていました。

今まで気がついていなかっただけかもしれませんが、こんなセットの生ドラムは初めて聴いたかもしれません。

ベースのポジションにも電子パッドのような機器が設置されていて、メンバーの演奏のみでスタジオの電子サウンドをライブでも再現しようと奮闘している心意気が感じられました。

数曲で担当楽器をチェンジしての演奏も披露していましたが違和感ゼロでレベル高く、自分たちでライブバンドだと言うだけはあるなと納得のパフォーマンスでした。

終演後、出口を出たところで今回の来日公演のフライヤーを配布していたのですが、もらって帰る人の多いこと多いこと。このフライヤーをもらって帰る人の多さが、今回のライブの素晴らしさの何よりの証左でしょう。

下にもリンクを貼ってあるインタビューの中で、“今新しいアルバムの制作にライブの感じを入れようとしている”とのコメントがありましたが、このライブを観た後でこれ以上に次のアルバムが待ち遠しくなる言葉が他にあるでしょうか。

セットリスト再現プレイリストを作成したので、それを聴いて余韻に浸りながら、新譜の発売を心待ちにしております。

Valley

【インタビュー】カナダのオルタナポップバンド:ヴァリー、3人体制で新章へ――これまでの歩みと新作『Water the Flowers, Pray for a Garden』を語る

「Like 1999」のその先へ——ヴァリーが語る日本での記憶と、再生を刻んだ山奥のアルバム

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ポートメッセなごやでGreen Dayのライブを観てきたら、ライブDVD『Bullet In A Bible』の楽しさが倍増した

ポートメッセなごやでGreen Dayのライブを観てきたら、ライブDVD『Bullet In A Bible』の楽しさが倍増した

2025年2月23日、日曜日。ポートメッセなごやで開催された、アメリカのポップ・パンク・バンドGreen Dayのライブを観てきました。

世がコロナ禍に突入したことで中止となってしまいましたが、EvanescenceやMy Chemical RomanceやJimmy Eat Worldなどが出演予定だったダウンロードフェスとGreen Dayの単独公演が前後して天を仰いだ2020年の春から、早いもので五年が経ちました。

あの時のリベンジ公演ですね。

車か電車か迷いつつ、車で行きました。お供は彼らの約20年前のライブDVD『Bullet In A Bible』。途中SAでの休憩を挟みつつ、ちょうど一周くらいで13時半ごろに駐車場に着きました。

電車で来る人の方が多いからというのもあったんでしょうけど、ガラガラというわけでもないけどめちゃくちゃ混んでいるというわけでもない市営金城ふ頭駐車場のキャパは素晴らしいですね。

開演前にTシャツどれか一枚とトートバッグを買いたかったですが、待機列が尋常じゃないくらい伸びていたので諦めました。

入場時の案内がわかりにくくて混乱を招いていて、こんな状況でサポート演奏はかわいそうだなとおとぼけビーバーに同情を覚えつつ、割り当てブロックの隅っこの方に程よくひらけたスペースを見つけて落ち着きました。

それにしても、腰を落ち着けてしばらくすると前方にスッとでかい人が滑り込んできがちなのはなんなんでしょう。まあ自分も後ろの人にそう思われているかもしれないわけで、ここはぐっと飲み込んで自分なりにベターなポジションをなんとか探すしかないわけですが。

開演直前にQueenの”Bohemian Rhapsody”とRamonesの”Blitzkrieg Bop”がライブ音響で流れて、みんなで合唱したり盛り上がったりも楽しかったです。

Ramonesの”Blitzkrieg Bop”は後日Apple TVで映画を観ていたら登場人物がレコードで流し出して、(あの時の曲だ!)と驚きました。こんなタイムリーなこともあるものですね。

サポートアクトの追加があったぶん、当初の予定よりやや押してスタートしたGreen Dayのライブは、ヒット曲のオンパレードでもう最高のライブでした。

『Bullet In A Bible』を観ていると、まるでアフレコのような高音質録音と歓声や演出の臨場感に驚くのですが、まさにそのまんまのライブでした。

歌も演奏も上手くて安定してるのにエネルギッシュでパワフルではち切れんばかりで、ほとんど休憩することなくノンストップで進行するステージに大感激。一度マイクにトラブルがあったのですが、何事もなかったかのように繋いでいる間に一瞬で交換していて、歴戦の呼吸とお手並みでした。

また、スクリーンが上下左右に四面あったり、火柱が何本も昇ったり大砲のような炸裂音が何発も弾けたりと、野外スタジアムライブのようなド派手な演出にも度肝を抜かれました。

物販の待機列が長すぎて諦めたり、入場時の案内がわかりにくくてゴタゴタしたり、混雑緩和のための規制退場っていうけどこの先で詰まるじゃん結局とモヤモヤしたものを抱えつつ愛車に戻ったり、駐車場の出口も混んでて終演から高速に乗るまでに一時間近くかかったりと、いくつか納得いかないというか腑に落ちないこともありましたが、Green Dayのライブは最高でした。

帰りながら観た『Bullet In A Bible』のまた楽しいこと楽しいこと。

惜しむらくは、ところどころでインタビューやリハーサル風景を挟んでドキュメンタリー映画風な作りになっているためにライブ映像への没入が損なわれることですが、それらが挟まれていることで二十年経ってもまったく脇目も振らずにブレずにGreen Dayが突っ走っていることが伝わってきて、嬉しくて嬉しくてたまらなくなるのです。

ライブ映像を観ているだけではきっとわからなかったことがわかったような気がします。

Music is the air that I breathe.

『Bullet In A Bible』より
Billie Joe Armstrongの言葉

Green Day

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東京ドームでMaroon 5のライブを観てきた

東京ドームでMaroon 5のライブを観てきた

2025年2月8日土曜日、アメリカのポップ・ロックバンドMaroon 5のライブを観てきました。

会場はあの東京ドーム。噂のライブハウス東京ドームです。

東京ドームも、Maroon 5のライブを観るのも初めてです。

昔、Maroon 5が2007年に発売したライブ盤を聴いた時にライブならではの熱気に炙り出されたような即興性に圧倒されて、これは間違いあるまいといつか来たるその日を心待ちにしていましたが、やっとその日が訪れました。

ほぼ定刻通りに暗転し開演。

明滅する真っ赤な照明に東京ドームの巨大空間を揺るがす、耳をつんざく轟音。

2023年12月に有明アリーナで観たManeskinのオープニングとどことなく雰囲気が似ていて、懐かしいような早くも気圧されるような、そんな不思議な思いが去来する幕開けとなりました。

次から次へと繰り出される大ヒットナンバーの数々。ど迫力重低音にも埋もれない美声にコーラス。歌うだけじゃなく時にギターヒーローばりにギターを弾きまくるAdam。Mr. Bigみたいに担当ローテしてもクオリティ下がらなそうなバカテクに支えられたライブの上手さ。QueenのFreddie Mercuryばりに客席を煽るコール&レスポンス。

豪雨みたいなライティングとシンクロするドラムソロを組み込んできたり、オリジナルのポップさや華やかさを犠牲にしてでもバッキバキの重低音を叩き込んできたり、”香水”でも歌い出しそうな雰囲気でアコギ一本の伴奏が始まったりと、ライブならではのアレンジも意外だったり刺激的だったりで楽しかったです。

中には大胆に攻めたアレンジに(あ、あれ?)と時々スかされて現在地を見失いそうになったりした曲もありましたけど、元曲の素晴らしさの強引な軌道修正で結局感動させられるという。

最高でした。

本編17曲にアンコール3曲、計20曲に約90分のステージは、これまでのアルバム枚数やまだまだ披露しきれていないヒット曲に知る人ぞ知る名曲のことを考えると物足りなくも感じますが、凄まじい音圧や凝縮された滾るテンションのことを思えば、これくらいのコンパクトさで収めてもっと聴きたかったなとこぼしながら帰らせるくらいでちょうどよかったのかもしれません。

終演が早かったおかげで、妹宅の最寄りまでの終バスにも余裕で間に合いましたしね。

次の機会があったら今度は”Won’t Go Home Without You”や”Misery”や”Give A Little More”なども聴きたい。

そうしたらそうしたで、どれを削るっていうんだよ、という難しい問題になってしまいますけども。

Maroon 5

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TMGのライブを観に大阪に行ったら、危うくZepp間違いするところだった

TMGのライブを観に大阪に行ったら、危うくZepp間違いするところだった

日本の大都市に点在している有名なライブハウスのひとつにZeppというハコがあるんですけど、大阪にはそのZeppが二ヶ所あるって知ってました?

私は知りませんでした。

東京にはいくつかあるって知ってたんですよ。新宿とか羽田とかダイバーシティとか。

なので、東京のZeppに行く時には間違えないように注意しないとな、と思っていました。

まさか大阪にも二ヶ所あったとは。

TMGの大阪公演をZepp Osaka Baysideで観る前の週、Lanyの大阪公演をZepp Nambaで観ていたので、危うく思い込みで二週連続でZepp Nambaに行ってしまうところでした。

なんで気がついたのかというと、ライブの二日前に、入場チェック時に必要になる発券ページをスクショしたからですね。そこでよくよく見てみたらZepp Osaka Baysideだった、という。

危ないところでした。Nambaに行く気満々でしたからね。

会場の近くに新世界とか四天王寺とかあるから、今度はその辺をぶらぶらして串カツでも食べてから会場入りしよう、などと呑気に考えてましたから。

Nambaに行った時には気がつきませんでしたが、Baysideの壁には「ここはZepp Nambaではありません」と注意書きが貼られていました。

やっぱりいるんでしょうね。勘違いや思い込みで、Zepp間違いしてしまう人が。

あの日もいたのかもしれません。Nambaと思い込んでNambaに行っちゃって、Baysideだったと知って絶望した無辜の民が。

毎回のように数名はいてもおかしくない、意地悪クイズのような罠ですよ。

大阪にはZeppが二ヶ所あると前々から知ってたとしても、たまたまどちらかがずっと続いていてある日急に逆になったら、大阪のZeppとしか思ってなかったらやらかす可能性ありますからね。

いつもの癖で移動しちゃって、会場に着いてから気がついたり。

絶対に買いたいグッズがあったりとか、整理番号良かったから入場開始までに着いて好きなポジションを取りたいとか思ってたのにそんなことになったら、ショックすぎてテンションガタ落ちですよね。

せっかく大好きなバンドのライブを、Zeppという素晴らしいハコで観れるチャンスだったというのに。

Zeppに限った話ではないかもしれませんが、そんなことにならないように、ライブの前日までに今一度会場についての確認を怠らないように気をつけないとな、と気を引き締めるきっかけになりました。

前々週に名古屋で観て以来のTMGのライブは、相変わらずのど迫力サウンドでした。

今度はスピーカーから距離を取って真ん中寄りで観たのですが、それでも重低音の圧が凄まじかったです。

Matt Sorumの曲の最後を締めるドラミングがまたかっこいいんですよね。『TMG Ⅱ』への参加とライブを観たことで、一気に大好きなドラマーになりました。

やっぱロックはライブハウスですね。ライブハウスのスタンディングこそ至高。

パイプ椅子が並べられてるとテンション下がる。アコースティックとか弾き語りとかならばまだ致し方なしかと思えるのですけど。

TMG

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Zepp Nambaで観てきたLanyのライブがむちゃくちゃ素晴らしかった

Zepp Nambaで観てきたLanyのライブがむちゃくちゃ素晴らしかった

アメリカのポップロックバンド、LanyのライブをZepp Nambaで観てきました。

これがむちゃくちゃ素晴らしかったです。既発曲全曲ライブバージョンを公式リリースして欲しいくらい、素晴らしいライブでした。

前々から、ポップロック系のアーティスト(例えば、Carly Rae JepsenとかThe 1975とか)の、ライブでのロック色が増強された生バンド演奏を魅力的に感じていましたが、それはこのLanyのライブでも同じでした。

スカッと気持ちよく抜けるのに軽いわけではない重低音、艶やかなトーンが強調されて鳴きまくるギター、大歓声や迫力の演奏に埋もれずに突き抜けてくる歌声、スタジオ音源に忠実でありながらそのまますぎないライブアレンジ、チャーミングでサービス精神に溢れたステージ進行、どれもが高次元に完成されていて素晴らしかったです。

特にドラムですね。ライブだとはちゃめちゃにかっこよくて、サマソニ2022で初めてThe 1975のライブを観た時の衝撃を思い出しました。CDとライブとで、激変する印象と存在感。痺れました。

Paulのヴォーカルも凄かったです。一時はツアーの予定通りの開催も危ぶまれた交通事故の影響を微塵も感じさせない、愛くるしい王子様のようなパフォーマンスは圧巻でした。

バンド形態のライブの場合、アコースティックセットやインストパートを設けたりで交代で休憩しながらできるだけ止めずに進めていくパターンが多いですが、本編終了まで休憩なしノンストップで完遂というエネルギッシュなステージには感激しました。

これこれ。やっぱこれですよ。休憩なし出突っ張りノンストップ。

アコースティックもインストもそれはそれで好きですけど、裏の目的が透けちゃうとちょっと嫌という複雑な胸の内。休憩ありきで組み立てられるとちょっとねぇ…。萎えません?それがなかったのはほんと素晴らしい。単独公演では数年に一度あるかどうかじゃないでしょうか。

大阪の熱気というか熱狂というか、盛り上がりも素晴らしかったですね。Zeppとは思えない大歓声。名古屋や東京で観るライブとはまたちょっと違う、大阪ならではの熱量。圧倒されるものがありました。

いやはや、すごいライブでした。Zeppで観れたのが奇跡だったと思えてくるほどの。

本編終盤で何名か退出されていきましたけど、終電リミットだったのでしょうね、おそらく。19時開演なら終電に間に合うだろうってところにサポートをぶち込まれると、こうなっちゃうんですよね…。

引き上げながら「来年も再来年もその次の年もまたライブしに来るよ!」と言ってましたけど、今後はもうZeppクラスの会場ではなかなか観れなくなるんでしょうね。

今度は城ホールか。

はたまたサマソニのヘッドライナーか。

今後の益々の活躍に果てしなく夢が広がっていくようなライブでした。

ライブが終わって、ライブハウスを出た時にはひと塊りになっている一団が徐々にバラけ出して散り散りになっていくの、中学高校までの同級生が進学するにつれどんどん別れ別れになっていくみたいで切ないですよね。

いつかまたみんなとタイムラインがクロスする、そんな夜があるのだろうか。

ちょっとだけ涼しくなって秋の空気を漂わせはじめた夜風に、やけにセンチになりつつお宿へと帰ったのでした。

Lany

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