イタリア出身のロックバンドMåneskinにハマった

イタリア出身のロックバンドMåneskinにハマった

Måneskinのことを知ったのは、ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2021で彼らが勝者となり、その喜びを捉えたひと幕がTwitterのタイムラインに流れてきたことがきっかけでした。

最終パフォーマンスが終わって完全燃焼、疲れてへたり込んだヴォーカルのダミアーノのパンツの股間が破れているのを他のメンバーが指摘する、短い動画が面白かったんですよね。

その時の率直な感想は、久しぶりにユーロヴィジョン・ソング・コンテストに関する話題を見た気がするなぁ、というものでした。

ノルウェーのハードロック・バンドWig Wamがノルウェー代表となり、欧州を席巻していた頃以来です。日本ではあまり話題にならないですよね。過去にはABBAやCeline Dionなども勝ち取っている、歴史あるコンテストです。

https://youtu.be/bC9sg6MpDc0

ユーロヴィジョン・ソング・コンテストのYouTube公式に、Måneskinの優勝決定からトロフィー授与、優勝決定に喜び昂ぶるメンバーがそのまま最終パフォーマンスに臨んでいる動画が上げられているんですけど、これがまあ普段どおりの好パフォーマンスで見事なんですよね。

指先が震えちゃってミス連発とか、気持ちが昂りすぎちゃって泣いてしまい歌えないとか、浮足立ってしまって普段どおりに振る舞えないとか、そんな様子はまったく伺えません。

これはつまり、彼らはまだハタチそこそこの若さにして、すでに少々のことでは動じない確かな実力を備えているバンドである、という証です。くぐり抜けてきた場数を感じます。

ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2021優勝曲”Zitti E Buoni”がまた最高で、途中でラップっぽくなったりもしてけっこう独特でアクも強いのに、めっちゃキャッチーでパンチもきいていて、何故か聴きやすくて妙に心に残ってクセになるという、強烈な魅力をまとった楽曲だったのです。

様々なジャンルの音楽からの影響を感じる、エネルギッシュでハイテンションなロックです。

一発で虜になってしまいました。

その頃はまだAmazonでは輸入CDもなく配信のみだったので、”Zitti E Buoni”が収録された『Teatro d’IRa – Vol. Ⅰ』をダウンロード購入しました。

早まったかな、という思いもありました。

というのも、欧州だけでなく日本も含むアジアはもちろん、北米や南米でも売上チャートで急上昇し、彼らを特集したネット記事が次々に上がり、大手洋楽レーベルがTwitterで取り上げたり、大手CD販売チェーン店が店頭に特設コーナーを設けたり、日本語字幕Ver.の公式MVがアップされたりと、日本盤が出るのも時間の問題だろうなと思わせる、異例の盛り上がりを見せていたからです。

そのムーブメントの盛り上がりからすると、予想以上に時間がかかったような気もしますが、無事に日本盤のリリースも決定しました。ソニー・ミュージックより、2021年10月13日発売です。

その後、1stアルバムやEPのCDを取り寄せました。もしかしたら日本盤のボーナストラックに(特にEPは)収録される可能性もあるなと様子を見ていたのですが、ボーナストラックは一曲のみとの記載があったので安心して踏み切りました。

クレジットを見て意外だったのが、まだ若いのにとんがった独自性とクセになる聴きやすさを最初の頃から自分たちのプロデュースで両立していて、恐るべきバランス感覚に舌を巻きました。

コロナ禍さえなければと、惜しまれますね。今頃、日本盤リリースにとどまらず、フェスへの出演や単独来日公演、プロモーション来日など、様々な話が決まっていたでしょうに。

生でライブを観てみたいですよ。

動き回りながら複雑な歌メロを平然と歌いこなすヴォーカル、奔放に跳ねるリズム、骨太なサウンド、ユーロヴィジョンで優勝するほどのステージングと、話が決まった時点で最高が約束されている要素満点ですからね。

いつの日か彼らのステージを生で観られることを願いつつ、とりあえず日本盤が手元に届く日を心待ちにします。

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Amazonで検索していたら、キングレコードの「死ぬまでにこれは観ろ!2021」キャンペーンの中の一作として、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』が再発されると知ったので、Blu-rayディスクを購入しました。

前に観たのはまだWOWOWに加入していた頃だったので、もう何年前か定かではありません。確かなのは、『トランスポーター』シリーズを観たあとってことだけですね。(あ、ジェイソン・ステイサムが出てる!)という驚きが鮮烈に残っているので。

ガイ・リッチー監督の初監督映画として名高いですが、俳優ジェイソン・ステイサムの映画デビュー作でもあります。

アクションスターとしての確固たる地位を築く前の出演なので、ステイサムの華々しい活躍シーンがなくて彼のファンには少し物足りないかもしれませんが、そんなことはどうでもよくなるほど娯楽映画作品としての構成の妙が際立っています。

物語の主人公は盗品売買でその日暮らしの四人組。

資金を持ち寄り裏賭博で一攫千金を目論むも胴元のイカサマにハメられて法外な借金を背負い、返済に迫られ途方に暮れたところで強盗団の計画を盗み聞き、その獲物を横取りしようと画策します。

その奇襲は見事に成功し、これで借金を返済して一件落着かと思いきや、ここから話はこじれにこじれます。

街でのんきに遊び呆ける主人公グループ、復讐に燃える強盗団、強盗被害にあった一味、取り立て屋、胴元たちの思惑が交差しては複雑に絡み合い、捻れまくり、さすがにこれで決着かという場面からさらにひと捻りし、おまけに最後あのあとどうなったんだろうという想像の余地の楽しみまで残す、という凝りよう。

それでいて、しっちゃかめっちゃかにとっ散らからずに、散漫さや冗長さも感じさせることなく、過不足なく説明しつつ小気味いいテンポで物語を進行し、あっちにこっちにと揺さぶりながらも鮮やかに結末に向けて収束させるのだから、見事と唸るほかありません。

本当に初監督作品なのか?と疑いたくなるほど卓越した手腕です。

デジタル一眼カメラで写真を撮るようになったり、アクションカメラなどで動画を撮って編集したりするようになった今だからこそ、観直して改めて気がつくこともありますね。

公開当時1999年。2021年の今観ても全然古臭さを感じさせない斬新な構図やリズミカルで心地よいカット割り、場面転換には驚かされます。新進気鋭の新人監督の恐るべき才気が迸っています。

まさに、死ぬまでにこれは観ろ!キャンペーンにふさわしい傑作と言えるでしょう。

https://youtu.be/h6hZkvrFIj0