久しぶりに『エイリアン』を観たら、学生時代とは恐怖の対象がすっかり変わっていた

久しぶりに『エイリアン』を観たら、学生時代とは恐怖の対象がすっかり変わっていた

先日、といってもひと月近く前の話なんですけど、妹と映画を観に行ってきたんですよ。

エイリアンシリーズの最新作、『エイリアン:ロムルス』を。

妹はエイリアンシリーズのDVDをすべて持っているエイリアンガチ勢なんですけど、IMAXスクリーンで一度も映画を観たことがないという話だったので、そんなに好きな映画シリーズの最新作はIMAXで観た方がいいよ絶対、と力説して連れていきました。

映画の恐怖演出よりも隣で妹がビクッとして座席を揺らした振動にビビらされたりしながら観た『エイリアン:ロムルス』はそれはもうとても面白く、というかグロく、妹も大画面とど迫力サウンドには大満足だったようでそれは良かったんですけど、私の心の片隅には一抹の後悔がありました。

今更だけど、過去作を観直しておけばよかったな…。せめて1〜4くらいは。

あとから解説動画を見たりして知ったんですけど、過去作からのオマージュネタもいくつかあったようなので。

で、過去作を観直すかと重い腰を上げて妹にDVD貸してくれと頼んだら、張り切っちゃって1〜4に加えて前日譚のプロメテウスとコヴェナント、AVPも二本手渡されまして、週末に部屋を暗くして籠り切ってエイリアンマラソンすることになりました。

後回しにするとズルズルと先延ばしになってしまいますからね。こういうのは最初の勢いが肝心です。

(79年にこのクオリティでこの映像を撮ってたとか、リドリー・スコットの知恵と創意工夫と情熱すごすぎんか)

(2の始まりってこんな感じだったっけ??)

(3のオープニングは無慈悲すぎるな…。2の癒しの天使が…)

(4は印象的なシーンが多いけどまったく見覚えがないな。たぶん初めて。3のあのラストで、これで終わりだと自分なりにひと区切りつけていたのだろう)

(プロメテウスとコヴェナントはところどころ繋がりとか意味不明だけど、映像美と圧巻の世界観で加点ボーナスえぐい)

(AVPはプレデターがちょっと弱すぎてバランス崩壊しとらんか?2は色々適当すぎるな〜)

薄暗い部屋の中で体内時計を狂わせまくりながら、昔の薄〜い記憶と照らし合わせたりして観ていたのですが、この歳になってエイリアンを観るとあれですね。

未知の怪物も怖いですけど、それよりも超絶ブラック企業ウェイランド社の悪辣さに震えあがっちゃいますね。

ボーナス没収するぞと脅しをかけて追加調査を強要したり、密室に化け物と閉じ込めて着床させようとしたり、飲み物にしれっと劇薬混ぜたり、要件を満たしての異動願いを未達だと握りつぶしたり、劣悪すぎる労働環境で使い潰したり。

ロクでもなさすぎる…。

黒に近いグレーに思えていた弊社が超絶ホワイトに思えてくる不思議…。

良かった、入社先が弊社で…。

…はっ?

今、おれは一体何を…。

いかんいかん、危うく騙されるところだ!

『エイリアン:ロムルス』

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33年ぶりに劇場で映画『ターミネーター2』を観たら猛烈に感動した

33年ぶりに劇場で『ターミネーター2』を観たら猛烈に感動した

二週間限定で全国の映画館でリバイバル上映された、1991年の名作SFアクション映画『ターミネーター2』を観てきました。めちゃくちゃ素晴らしかったです。少なく見積もっても、想像していた10倍くらい感動しました。

想像していた以上に感動したあまり、DVD持ってるのに、4Kレストア版Blu-ray欲しくなっちゃってますからね。うち、4Kテレビないのに。

初めて『ターミネーター2』を観たのは中学生当時。どうしても映画館で観たいと親に駄々をこねてお小遣いをせびり、当時小三の弟とふたりで浜松市の街中の映画館に足を運びました。

初めての劇場での鑑賞ももちろん大満足で、それ以来とんねるずのテレビ番組でのパロディや衛星放送や地上波放送に加え、ビデオレンタルにDVDも購入してとこれまで何度も観てきている大好きな映画です。

当然、どんな物語でこれから何が起こるのか、展開からセリフから結末まで知り尽くしている状況で観たわけですが、不朽の名作映画の面白さはまったく揺るぎませんでした。

もしかしたら初めて観た時の感動を上回っているかもしれません。それくらい、猛烈に感動しました。

なんせ、序盤の山場であるバイクとトラックのカッコ良すぎるカーチェイスシーンで、早くもワケのわからない感動が込み上げてきて目頭が熱くなってましたからね。これまでこんなところで、ハラハラドキドキ大興奮するのは常でも、泣けてきたことなんか一度もないのに。

劇場の大きなスクリーンで集中して観ていたおかげか、新発見もいくつかありました。

例えば、ラストのサムズアップ。いつの間にあんなの覚えていたのか不思議に思ってたら、ジョンとボブおじさんがじゃれ合っているのを眺めていたサラがひとり言を言っている合間に、ジョンが教えているっぽいところがチラッと映り込んでいました。

まるでワンカットであるかのように、目まぐるしく移り変わる周囲の状況もシームレスに連動していくカメラワークにも痺れました。ジョージ・ミラー監督か。いやぁ、神ですね。ジェームズ・キャメロン監督は神。

ポニーテールでトンファー片手に軽やかに走り出すサラは颯爽としててむちゃくちゃかっこいいわ、健気に母親を想いながらも未来の指導者としての資質に目覚め始めるジョンの成長には頼もしさを覚えるわ、当初は固くて不自然だった言動がジョンとの触れ合いを通じて徐々にこなれていくT-800は微笑ましいわ、警官に扮して違和感なく人間社会に溶け込んで執拗に追いかけてくるT-1000は空恐ろしいわ、主要キャラの造形も完璧。

今回のリバイバル上映で、改めて本作の魅力を実感しました。

正直なところ、心の片隅には疑問もあったんですよ。

いくら『トップガン』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に並ぶ人生でもトップクラスに好きな映画とはいえ、何度も観ている映画を今さら映画館で観ることに意味はあるのだろうか?と。

愚問でした。意味も意義もありまくりでした。

できればもう一回観ておきたいくらい猛烈に感動してますが、進みの遅すぎる傍迷惑な台風のせいで断念します。天気予報を見る限り、ピークは越えてるっぽいんですけどね。念のため。

今後もし(あの映画面白かったなぁ。もう一回映画館で観たいな)と思っていた映画のリバイバル上映を知ったら、都合のつく限り観に行こう。

そんな決心を新たにした『ターミネーター2』のリバイバル上映でした。

最近、『レザボア・ドッグス』や『テルマ&ルイーズ』など、4Kリマスター作品の再上映が多いので、次の機会は意外と近いのかもしれません。

ターミネーター2

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神の思し召しに導かれたかのようにブロードウェイミュージカル『天使にラブ・ソングを…』来日公演を観てきた

神の思し召しに導かれたかのようにブロードウェイミュージカル『天使にラブ・ソングを…』来日公演を観てきた

東京随一の繁華街渋谷にある東急シアターオーブで、ブロードウェイミュージカル『天使にラブ・ソングを…』の来日公演を観てきました。

私の記憶が確かならば、小学生の頃地元の劇団が体育館で劇を上演してくれたのと、高校生の時の課外授業で浜松の劇場に足を運んで観劇して以来、30年ぶりの舞台の観劇です。

30年ぶりの舞台の観劇というところからも想像がつくように、普段は舞台を観に行くことはありません。プレイガイドではJリーグと音楽ライブを検索する程度で。

それがなぜ今回はミュージカルを観に行ったのかというと、先日観た映画『ブルックリンでオペラを』の影響です。

この映画での劇中劇オペラが素晴らしくて、それでちょっとオペラとか観てみたいなと思ってしまったんですよね。

でも、さすがにオペラは敷居が高いじゃないですか。普段まったく舞台を観ないのに、いきなりオペラだなんて。

かといって舞台劇を観に行ったら、歌がないかもしれない。劇中劇オペラの歌に特に感動したのに、歌のない芝居劇を観に行くのも趣旨が違うでしょう。

どうしたもんかと腕を組んで唸っていたら、Twitter(X)のタイムラインに彗星の如くブロードウェイミュージカル『天使にラブ・ソングを…』の来日公演の広告が流れてきたんですよ。

これだ!

これが天啓か!

普段、ミュートするかブロックするか興味がないを押すしかないしょうもない広告しか流してこないくせに。稀にはやるじゃないか。

オペラは敷居が高すぎる+芝居だと歌がないかも=天使にラブ・ソングを…ミュージカル。今の気持ちにジャストフィットする最適解が、まさかこんなところから導き出されるとは…。

思い立ったが吉日ということでチケットぴあで前売り券を買い、新幹線往復日帰りで上京したのでした。

ミュージカルは昼の部と夜の部の一日二公演で、一瞬どっちにしようか迷ったのですが、ニュース番組で路上飲みで溢れかえる夜の渋谷の人混みに恐れをなし、昼の部を選びました。

もったいないけど、観劇後はちょっとだけ散策して、日が暮れる前にさっさと帰ろう。そうしよう。

開演時間の一時間ちょい前に東京駅に着いていれば楽勝だろうと思ってたら、渋谷駅の動線が工事中のせいもあってか田舎者には訳が分からずとりあえず外に出て、ちょうど東急プラザが目に入ったので(ああ、あそこか)と向かってみたら全然違って真逆だったという初見殺しにハマりかけつつ、開演10分前になんとか東急シアターオーブの受付フロアに到着しました。

危なかった。もうちょい余裕かましてたら確実に遅れてた…。

これだから初めての会場は油断禁物だ。

座席番号から薄々見当はついていました。

案内に従って座席に向かったらやはり側面だったので(正面じゃなかったか)とがっかりしていましたが、サイド席は一列しかなくてボックス席みたいになっていたので逆にテンションが上がりました。現金なもので。なにこれ最高。

ストーリーは基本的に映画の一作目を踏襲していました。それをミュージカル舞台向けに若干アレンジ。セリフや歌は当然英語で、ステージの両脇の電光掲示板に日本語訳が表示されます。

離れた正面席ならば舞台の様子も日本語訳も同時に視界に収めやすいのではないかと思いますが、正面でも近すぎたり端すぎたりすると字幕に舞台にと目が行ったり来たりになって忙しすぎるので、セリフや歌詞の日本語訳は思い切って切り捨てて舞台に百パー注視するのが吉なのではないかと感じました。

事前に映画を観ておけば(ここはあのシーンでこういうことを話しているのだな)と推察できるので、可能であれば事前に映画の一作目を観ておくといいでしょう。

ただ、ギャグやユーモアやアレンジされたシーンへの理解と反応が薄くなってしまうのがネックですが…。

まあ、それより何より歌ですよ。出演者たちの圧倒的な歌唱力。出演者全員、アメリカン・アイドルで優勝争いを繰り広げたとしてもまったく不思議ではない超絶的な歌唱力。

多彩で豊富な各々の見せ場に、美しく壮観なハーモニー。感動的な大円団からのお茶目で可愛らしいカーテンコール。

めちゃくちゃ素晴らしかったです。最高でした。行くと決める前にはネガティブな葛藤もありましたが、行って本当に良かったです。

神の思し召しに感謝ですね。天照大神様ありがとうございます。

天使にラブ・ソングを…

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ギャンブルに向かない男の賭けごと

ギャンブルに向かない男の賭けごと

私はギャンブルに向いていません。

全くやらないわけではないです。宝くじを買ったこともありますし、サッカーくじを買ったこともありますし、パチスロや競馬をやってみたこともあります。

しかし、くじはいつの間にか買わなくなってしまいましたし、パチスロは5千円があっという間に台に吸い込まれて消えてこんな遊び無理無理となった一回きり、競馬は馬の名前に惹かれて単勝一点買いしてみたら60倍当たったものの100円しか賭けてなかったのでその日の収支とんとんで終了の一回だけ。

まあ、競馬は下手に1万円とか突っ込んで60万円を手にしてたらギャンブル狂いの依存症になっちゃってたかもしれないので、結果オーライだったとも思っていますが。

大勝負に出れないんですよね。ここぞってところに大枚を突っ込んでの大勝負に。

肉を切らせて骨を断つに出れないというか。慎重というか臆病というか。

ローリスクローリターンを選びがちで、ハイリスクハイリターンに出られないんですよねぇ。

こんな自分にも、これもある意味ギャンブルのようなものなのかもしれないな、と思っている趣味があります。

音楽CDアルバムを買って聴いてみたり、新作映画を映画館で観てみたり、気になった小説を読んでみたり、といったことなどです。

ただ娯楽を楽しんでるだけじゃん。それのどこがギャンブルに似てるの?と疑問を抱く人もいるかもしれませんが、音楽CDアルバムだったら一枚3000円、新作映画だったら一本1900円、小説だったら文庫新刊800円とかするわけじゃないですか。

これって要するに、そういったお金を払って来て欲しいと願っている投票券を買うのと似たようなものですよね。ひと口3000円、1900円、800円で。

果たしてこの作品は自分にとって当たりかハズレか。

自分の直感を頼りにお金と時間を使って、自分の目と耳を使って実際に聴いたり読んだり観たりして確かめて。

結果、その作品に対する好きの度合いが、払戻金であり配当となります。

この面白いところが、初めて聴いたり観たり読んだりした時にはイマイチでハズレだったと思った作品も、何年か経つと好みが変わったのか感じ方が変わったのか知らず知らず立場が変わったからなのか、評価がひっくり返ることがあるんですよね。

敗者復活のチャンスがあるんですよ。

その逆に、稀に思い出補正が暴かれてしまう時もあるのが悲しくもありますが。

競馬では、騎手や競走馬の血統や脚質やレースの距離や足場との相性や当日の調子や過去のレースの戦績や完全なヤマ勘などから、どの馬が来るか予想して投票券を買います。

それはどの映画や音楽や小説を選び手に取るかの判断材料にも通じるところがあって、監督やプロデューサーや作曲家や編曲家は誰なのか、出身地や過去作の傾向から自分の好みに近いか予想したり、試聴サンプルや予告編を参考にすることもあれば、時には事前情報ゼロでもポスターやジャケットアートなどを見た直感に従ってみることもあります。

ちょっとギャンブルに似てるでしょう?

当たると気持ちいいんだな、これが。

のるかそるか

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スポーツの試合を観戦中に選手の間に(ん?今のは一体なんだったんだ?)と疑問を感じたやり取りがあったなら

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映画『チャレンジャーズ』観てきました。

『チャレンジャーズ』は上映館数が少なくて、自宅から約90km離れた名古屋か約100km離れた清水かという二択だったのですが、上映期間中にちょうど名古屋にライブを観に行く予定があったので、名古屋のミッドランドスクエアシネマに初めて足を運びました。

ミッドランドスクエアシネマにはまだ日本に数館しかないドルビーシネマをいつか体験しに行きたいとも思っていたので、その場所を確認して把握しておくのもありだとも判断しました。

映画を観に行く前に藤が丘のJazz茶房青猫さんでアイスコーヒー飲んでたら、居心地が良いあまりくつろぎすぎて時間ギリギリになり、焦りましたが。

大都会の超巨大駅の目の前にあるおしゃれな商業ビルに入っているシネコンはすごいですね。異様な雰囲気に完全に呑まれ、浮き足だって最上階の映画館フロアへと上って行きました。

中部地区での上映はわずか数館ということもあってか、客席は結構埋まっていました。七割近くは入っていたんじゃないですかね。

ここで不安になったのは客層が悪いのではないかということ。うるさかったりスマホ見たりする人が近くにいたら嫌だなと。途中で出入りする人が数名いたものの、みんな静かに集中して観ていて心配していたようなことがなくてホッとしました。

しかしミッドランドスクエアシネマのサラウンドは凄かったですね。後ろの方から話し声が聞こえたので(おしゃべりしてるやつ誰だよ、声がでけーんだよ)と忌々しく思ってたら、映画の登場人物の家族が画面の外で話している声でした。

物語の舞台は、とあるプロテニス男子シングルス・トーナメントの決勝戦。そこで対峙した、ふたりの選手とひとりのコーチの三人の間にあった過去13年間の青春や恋愛や苦悩や確執を、フラッシュバックのように随時差し込みながら試合が進行して行きます。

その中で(ああ過去のあの場面と同じやり取りがそのうち出てくるのだな)とピンときたシーンがあったのですが、なかなかその場面が訪れずに(勘が外れたか…)と思い始めた最終盤にその場面がやってきました。

ふたりの間だけで伝わった秘密の告白。観客には当然訳がわからず、あと少しというところで勝負を捨てたとも取れる態度の急変に困惑します。

現実世界の試合でも、昔からの因縁があればあるほど、こういった当事者の間でしか意味の通じない暗号じみたやり取りが秘密裏に交わされているのかもしれませんね。

これまで観たこともなかったような構図やアングルやカメラワークが次々と繰り出される白熱のラリーには痺れました。

チャレンジャーズ

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