岡崎体育Zepp名古屋公演クイックライブレポ

岡崎体育Zepp名古屋公演クイックライブレポ

観てきました。

私のXのタイムラインに彗星の如くやってきた盆地テクノのパイオニア、岡崎体育春のZeppツアー2024名古屋公演を。

最初はそのつもりはなかったんですけどね。

Xのタイムラインに彗星の如く流れてきて知った、チケット余りまくって困ってるって事態もどこか他人事でしたし。

それはそうでしょう。活躍ぶりから名前は知ってましたけど、曲を聞いたことはなかったので。

それが本人自らがガンガン宣伝して遅れていた売り上げを挽回し、札幌公演をほとんど完売にまで持っていって名古屋のチケットの売り上げも徐々に伸ばして、といった空前絶後の現象を目の当たりにして、ついに(これは実際に行ってライブを観てみるべきなのではないか)と心を動かされたのでした。

少なくとも、他でこんな動きを見た覚えはなかったので。

何十年に一度レベルのこのビッグウェーブに乗るしかない。

チケットを買わずに行かなかったら、あとでウジウジ後悔する自分が目に浮かぶようでもありましたし。

(この人のライブを観てみたいな)となったそのタイミングで、ちょうどツアー中で、まだ売り切れていない公演があって、その会場が自宅から無理なく行ける地域で、その日休みで、予定も特になくて、予算も問題なくて、っていうふうにすべてのピースがカチカチっとハマって(よし行こう!)となるなんて、滅多にないですよね。

そんなことから、YouTubeで何曲か視聴した程度で岡崎体育のチケットを買い、名古屋まで足を伸ばしました。

開演の直前には、会場のZeppの方だったか招聘元のサンデーフォークの方だったか、マイクパフォーマンスみたいなことを熱く語り出したのには(こんなことある!?)とびっくりしました。

チケット販売苦戦からの完売という世紀の捲りっぷりに興奮、感動したんでしょうね。

開演予定時刻の17時になったとほぼ同時に暗転し、スクリーンに本日の主役、岡崎体育が映し出されました。

岡崎体育が恋人に言い聞かせるように優しく語り出したその瞬間、観客のボルテージは一気に最高潮に!

数日前まで名前しか知らなかったのに、何曲かYouTubeで視聴した程度でもげらげら笑いながら観れて2時間あっという間に過ぎ去るライブもあるんですね。これまでにない新体験でした。

しっとりした曲もあればしんみりした曲もあり、自虐ネタのような曲もあればツッコミまくる曲もありと、盆地テクノは想像以上にバリエーション豊富でした。

生演奏ではないのに髪の毛一本一本の先にまで響き渡ってくるような重低音は凄まじかったです。Zepp名古屋を崩壊させる気かと思うほどの。

MCでの客席とのやり取りの盛り上がりも凄かったですね。

あのサイズの箱ならではのところもあったんでしょうけど、(ここは本当に名古屋なのか?)と現在地を大阪と間違えそうになるボケとツッコミの応酬に笑いっぱなしでした。

最後の曲の演奏を終え、万雷の拍手で迎えられた岡崎体育は、今後の目標、夢、それを実現するための決意を熱く語り出した。

その言葉は力に満ちていた。最初は苦戦していたチケットの売り上げを自分の頑張りで挽回したことが、大きな自信になっているようだった。観客はその言葉に静かに耳を傾けていた。

その美しい光景はまるで、今後の岡崎体育が歩む道のりの行く末を暗示しているかのようだった。

私たちは心と体の元気と健康を保ち続け、一分一秒でも長く、好きな音楽を享受し続ける。

そうして、岡崎体育の夢の果てを見届けて、この夜に交わされた約束を守るのだ…。

岡崎体育

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数日前まで名前は知っていたが曲は聞いたことなかったのに、どんな曲でどんなステージなのかが無性に気になり、ついにライブチケットを買ってしまった

数日前まで名前は知っていたが曲は聞いたことなかったのに、どんな曲でどんなステージなのかが無性に気になり、ついにライブチケットを買ってしまった

初めてその事態を認識したのは、SNSのタイムラインに、岡崎体育自身が投じた「やばい!札幌のチケットめっちゃ売れ残ってる!」といった趣旨のつぶやきが流れてきたときでした。

最初は他人事でした。

活躍していたので名前は存じ上げていましたが、曲を聴いたことはなかったので。

(めっちゃ売れてそうなのに意外と苦労してるんだなぁ)と思っただけで。

それがまさか。まさかですよ。

札幌のチケット売上大苦戦で大爆死危機のはずが、いざ開演してみればほぼ満員で大成功、行った人たちの大絶賛の声が再びSNSのタイムラインに流れ込んでくるにあたり、自分は今ひょっとしてとんでもない現象を目の当たりにしているのではないかと思うに至り、どんな歌を歌いどんなステージを見せてくれるのかが気になり始め、ついには(ライブに行ってみたいな)と興味を抱くようになってしまったのでした。

こんなパターンは人生で初めてですよ。記憶している限り。

音楽を聴くようになって三十数年が経過してますけど、数日前まで一曲も聴いたことなかったのに数日後のライブに行ってみたくなるだなんて。

サマソニで名前は知ってたけど曲は知らなかったバンドのステージを一曲だけ観たことはありますけど、ZOZOマリンから幕張メッセへの移動がめんどくさくてその場にとどまろうとした消極的な理由からですし、結局一曲だけ聴いたところでMCで(はぁ?何いってんだ?)とムカついて移動したのでノーカンです。

で、岡崎体育のライブの日程を調べたら数日後に名古屋公演があって、チケットもまだ残ってるじゃないですか。

ここまでくると、いよいよ運命的なものを感じるじゃないですか。乗るしかないだろう?と誘ってくるような声が聞こえてくるようです。

目に浮かぶようですよ。

これでもし行かなかったら、予定もないし行こうと思えば行ける名古屋でまだチケット残っていたのだから、(あの時行っておけば…)とウジウジといつまでも引きずる自分が。

だったらもう行くしかないじゃないですか。乗るしかないじゃないですか、このビッグウェーブに。

名古屋公演当日まであと数日。

とうとう、これまで名前しか知らなかったアーティスト、岡崎体育のライブチケットを買うに至ったのでした。

最初は他人事だったのに、まさかチケットを買って実際にライブに行ってみることになるとは…。

岡崎体育

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名古屋のSpade BoxでWandsの初代ヴォーカリスト上杉昇さんのアコースティック・カバーライブを観てきた

名古屋のSpade BoxでWandsの初代ヴォーカリスト上杉昇さんのアコースティック・カバーライブを観てきた

2024年3月23日土曜日、名古屋のダイアモンドホールの地下にあるライブハウスSpade Boxにて開催された、Wandsの初代ヴォーカリスト上杉昇さんのアコースティック・カバーライブを観てきました。

まず自分の立ち位置を明確にしておきますと、Wandsは初期が最も好きで思い入れもあるけど第5期も好き、上杉さんがソロで活動していることを最近知って生で歌声を聴いてみたくてチケットを買った、初めて上杉さんのライブを観る者です。

チケットには整理番号しか記されていなかったのでスタンディングだろうと思っていたら、フロアには椅子が敷き詰められていて驚きました。

「自由席です。空いているお席へどうぞ」と案内され、後方の空席に座り開演を待ちました。

時間になり、ステージには三名が登壇。本日の主役ヴォーカリストの上杉昇さん、上杉さんをサポートするアコースティックギターの平田崇さん、ピアノの森美夏さんの三名です。

初めて生で聴いた上杉さんの歌声は凄かったですね、やっぱり。

ストレートに響いてくる力強さはもちろんなんですけど、時には抑えて時には解き放ち、抑揚をつけながら叩きつけられたものだからたまったもんじゃありませんでした。

最後の曲以外は座りながら頻繁に水を飲みつつ歌っていたので(体調や体力面であまり思わしくないのかな)と想像していたら、MCで「こんな姿勢でごめんなさい、歳をとって身体にも色々とガタが来てて薬漬けで、喉も渇いちゃって」といったような話がありました。

冗談めかしてはいましたけど、「歳は取りたくないということです」というひと言には真に迫るものがありました。

一度眉毛のラインに両手を当てて客席を見渡していた時には、視線で射抜かれたように感じてドキッとしました。上杉さんほどのヴォーカリストでも客席の反応が気になったりするのかと。

たまに間を置かずに連続で歌うこともありましたが、基本的には一曲歌うごとにその曲に関する思い出やなんで歌ってみようと思ったのかを訥々と語るステージ進行で、意外と茶目っ気のある人柄にも触れられて楽しい夜でした。

自分はどちらかというとカバー曲よりもオリジナル曲により惹かれるものを感じるのですが、「自分の曲とか人の曲とか、あまりそういうこだわりはない。いい曲はいい曲というか」という上杉さんの話が印象に残っています。

上杉さんの歌声も凄かったですけど、サポートギタリストの平田さんの演奏も凄まじかったですね。

席が遠かったためロゴは視認できませんでしたが、たぶんマーティンのギターだと思うんですけど、鬼鳴りのエレアコやばかったです。森恵さんのマーティンも激鳴りでしたけど、それに匹敵する鳴りっぷりでした。

ギターも凄いけど演奏も凄い、そんなギタリストでした。

それでいて、あくまで上杉さんの歌を引き立てることに徹する演奏。たまに前に出てくる時の迫力。スッと引いて傍に控えて支える安心感。素晴らしかったですね。

平田さんのギターだけ聴いてみたくなってYouTubeを検索したのですが、自分のチャンネルを作って演奏動画を上げたりはしてませんでした。残念。

どなたかの動画にサポートとして参加している動画はいくつか見つかるのですが、そのどれもが傍に控えて主役を盛り立てているという。奥ゆかしすぎる。奥ゆかしすぎますよ、平田さん。

チャンスがあったら平田さんの単独ライブを観たいですね。あの絶品のギターの音色だけを二時間ずっと聴いていたい。

「ツアー初日のため、ツアーが終わるまで演奏曲目についてSNSやブログに投稿するのはご遠慮ください」という案内があったため、ライブの後はWandsの曲を聴いて思ったことも迂闊に呟けない日々を過ごしております。

上杉昇

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静岡市のライブハウスSOUND SHOWER arkで森恵さんの弾き語りライブを観てきた

静岡市のライブハウスSOUND SHOWER arkで森恵さんの弾き語りライブを観てきた

静岡市清水にあるライブハウス、SOUND SHOWER arkで森恵さんの弾き語りライブを観てきました。

森恵さんのことを知ったきっかけは、彼女がYouTubeにアップしていたJ-Popの名曲の弾き語りカバー動画を観たことです。

一番最初に聴いた曲は正直覚えていないのですが、”もう恋なんてしない”か”純愛ラプソディ”か”M”か”世界が終わるまでは…”か、確かこのあたりだったはず。

ギターは上手いし歌声も素晴らしいしで惚れ惚れと聴き入っていたんですけども、そんな彼女が弾き語りツアーをすると知りまして、これは絶対生で観たい!静岡にも来るし!(同じ県内とはいえ自宅のある西部地方からライブハウスのある静岡市清水までは110km以上あって隣県の名古屋市の方が近いのですが…)とひとり盛り上がり、チケットを入手しました。

一度YouTube生配信を見てみたところ、近況報告や活動予定告知、コメントの読み上げなど視聴者とのやり取りを挟みつつ、アコギ一本でオリジナル曲やカバー曲を弾き語りしていくスタイルだったので、(なるほど、これに近い感じの程よいリラックス感が漂う弾き語りライブをするのだろう)と予想していました。

全然違いました。

スツールに腰掛けてアコースティックギターを弾きながらしっとり歌うのだろうとばっかり思ってたら、そういうコーナーも途中用意されていましたけど、ステージ上にはギターのみならずキーボードやリズムマシンまで、ひとりで全部使うとは思えない機材の数々。

ルーパーを駆使した手際のいい即興的なリズム音作りから、ひとりの手で紡がれているとは思えない音の圧と数が押し寄せ、圧倒されました。マーティンのアコギも鬼鳴りで激ヤバ。そしてそれ以上に、彼女の歌声、声量が凄まじい。

今までライブで何人ものシンガーの生歌を聞いてきましたけど、(彼女ほど声が出ているシンガーがかつて他にいたか?)と自問しても、対抗馬が思い浮かぶどころか(いやひょっとしたら過去イチかもしれない…)と思わされるほど、圧倒的な歌声です。

ライブで何が一番がっかりするかっていったら、歌声があまりよく聞き取れない時じゃないですか。

シンガーの喉の調子がイマイチだったり、楽器隊の音がデカすぎだったり、その時の場所や座席が音響的に不利で声が埋もれがちだったりとか、理由や原因はその時々で様々ですけど、ライブで歌声がよく聞こえないことほどがっかりすることはないですよ。

その点で言ったら、彼女の歌声は極上です。小さめのライブハウスで、本来の弾き語りでアコギ一本だったら声が通って当たり前ですけど、キーボードやリズムマシンから重低音バンバン鳴らしてましたからね。

その上でこのインパクト。度肝を抜かれましたね。

昔、歌手のChristina Aguileraの名前だけ聞き知っていた時に、彼女の主演ミュージカル映画『バーレスク』でその途轍もないパワフルな歌声を初めて聴いてぶったまげましたけど、あの時に匹敵する衝撃でした。

7月からスタートしたこの弾き語りツアーも残すところ沖縄での三公演のみ。お近くで行こうか迷っている方がもしいたら、全力で彼女のステージを体感してみるべきだとおすすめしておきます。

B’zのLIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-をエコパスタジアムのアリーナ席のAブロック2列目で観たら、時の流れが加速した

B’zのLIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-をエコパスタジアムのアリーナ席のAブロック2列目で観たら、時の流れが加速した

チケット高額転売対策の一環だと思うんですけど、B’zのライブって、事前にどの席なのかわからないようになってるんですよね。

購入する時点で、SS席とかS席とかA席とか、大まかな区分というか席種は別れているんですけど、ただそれだけ。他のアーティストは大体チケットが手元に届いた時点でどこの席か分かるようになっているんですけど、B’zの場合はどのブロックのどの列の何番とか、細かいことは当日に受付してみないとわからないんですよ。

ちょっとドキドキですよね。クジみたいというかガチャみたいというか。前々から決まっていることを当日まで伏せているだけだと思うんですけど、その日の自分の運勢が試されているかのようでもあって。

なので毎回、ライブ当日開演直前にチケットゲートを潜るのは緊張の一瞬です。果たして今回の席はどこなのか。

QRコードを読み取り機にかざして吐き出されたチケットを見た私は、その文字列が意味するところをすぐには理解できませんでした。Aブロック2列目!?何度見直しても、Aブロックの2列目と記載されているのです。

座席表を見るとアリーナ席は前方からA、B、Cとブロック分けされていたので、これはつまり一番前から2列目であるということを意味しています。

一番前から2列目!?

こんなことがあるのか。遅ればせながら”Ain’t No Magic”からLIVE-GYMに通うようになって十数年、(回数を重ねるたびになんか座席がちょっとずつ前方になっていっているような気がする…)とは思ってましたが、ここにきてまさか前から2列目とは。

今回で、一生分のS席ガチャ運を使い果たしてしまったんじゃなかろうか…。

前から2列目で観たB’zは、それはそれは強烈でございました。それはもう、想像以上に。

前から2列目といっても端っこの方だったので、目の前まで来てくれたのはほんの数回ずつでした(ど真ん中最前がプレミアム席なのでその忖度もあったのかなと予想)けど、それでもすぐ目の前で肉眼で見る本物のおふたりのなんと神々しいことか。微妙な表情の機微までが肉眼で見て取れることのなんと嬉しいことか。

今まで、こんな前からライブを観たことなかったので、知りませんでした。最前列の破壊力って、凄まじいんですね。

今まで、オールスタンディングで番号よくても頑張って最前行こうとかまったく考えたことなくて、みんななんであんな必死に前に行こうとしたりベストポジションキープしたがったりするんだろうと不思議に思っていたんですけど、こういうことだったんですね。

なるほど。すべてはこのためだったのか。

一瞬でしたもんね。開演から終演まで、二時間半が一瞬。今まで生きてきた中で、一番早く経過した二時間半だったんじゃないでしょうか。

よっぽどのハズレでもない限り、基本的にライブは楽しくて開演から終演まで一瞬ですけど、それでもあえて断言しましょう。始まったと思ったら終わっていたと。それほどあっという間に、待ちに待ったライブは終わってしまいました。

いつもなら気になることが、まったく気にならなくなるんですよね。その日の天気とか、調子とか、ミスの多い少ないとか、MCや休憩長いなとか、周りのお客さんがどうだとか。すべてが些事になっちゃうんですよ。

最前でのライブ観覧がこんなにも最高だったとなると、今後はチケットの申し込み優先順位が一変してしまうかもしれません。

SS席は何度か申し込んだことあったものの一度も当たったことないので最近では端から捨ててましたけど、今後は第一希望プレミアム、第二希望SS、第三希望Sで申し込むかもしれません。

それくらい強烈で鮮烈な、夢のようなひと時の体験でした。

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