北欧スーパー・メロディック・ロックバンドCrowneのデビューアルバムが凄すぎる

北欧スーパー・メロディック・ロックバンドCrowneのデビューアルバムが凄すぎる

2021年6月、Art Nation、H.e.a.t、The Poodles、Europeといったスウェーデンのメロディアス・ハードロック・バンドのメンバーが各1名ずつ集まって結成されたスーパー・バンド、Crowneのデビューアルバム『Kings In The North』が発売されました。

3月にこのバンドの結成と同時に新曲”Mad World”が挨拶代わりに公開されてからというもの、このCDの発売を心待ちにしていました。というのも、発表から発売までの間の約三ヶ月で、四曲がアルバムの発売に先駆けて順次先行公開されていったんですけど、そのどれもが素晴らしかったからです。

新曲を先行公開して注目を集めるからには、半端な曲なわけがないのですが、それにしても出来が良すぎる。それが四連発ですよ。こんだけ煽られたら、否が応でも期待感が高まり募ってしまいます。ハードル上がりまくりですよ。自分で自分の首を絞めるとはこのことか。

ようやく待ちに待った発売日に入手して早速聴いてみると、一曲目がアルバムのタイトルトラックだったのですが、これまで秘匿されていたこのタイトル曲が、先行公開曲によって上がりまくっていたハードルを軽々超えてくるという怪物っぷり。

最強タイトル曲で幕を開けて、怒涛の先行公開曲四連発とさらに畳み掛けて、そろそろここらでバラードを挟んで小休止かと思いきや、まだまだ続くアグレッシブな強烈ナンバー。手綱を緩める気ゼロ。

細かい駆け引きとか、緻密な組み立てとか、物語性のある曲の流れとか、そんなことガン無視で全力全開チューンを次々に投入、という豪快なアルバム構成。

めっちゃいい曲書けたから自分のバンド用にこれは残しとこ、みたいな腑抜けた出し惜しみは皆無。

いや、ホントのところはわからないので、勝手な妄想ですけども。さらにこの上を行く曲も書いていて、それは自分のバンド用にキープしている可能性も無きにしもあらずです。でも、そんなせこい考えで、こんな凄い曲だらけのアルバムは到底作れないと思うんですよね。

全員、自分の今のバンドや主な仕事を投げ捨てて、このCrowneに乗り換えようとしているのではないか、と疑いたくなるほどの気合の入りようです。

ただ豪華なメンバーが集結しただけじゃなくて、血気盛んな新進気鋭バンドのような、一発ドカンとかましてやるという野心が透けて見えるような、そんなメロディとサウンドが満載です。

欲を言えば、疾走系のかっこいい曲ばっかりなので、ポップで親しみやすいさわやかな曲やグッとくる情熱的なバラードなどもあったら、全方位完全無欠のアルバムになっていたのではないかと思いますが、まあこれはただの無い物ねだりでしょう。

果たして、W.E.T.のように、第二弾、第三弾はあるのか。Art NationやH.e.a.tの活動に支障をきたさない程度に、上手くバランスを取った継続的な活動を望みたい新たなスーパー・バンドの誕生です。

輸入盤DVDが安いからって、安易に飛びつくのは止めたほうがいいのかもしれない

輸入盤DVDが安いからって、安易に飛びつくのは止めたほうがいいのかもしれない

大好きなBon Joviのライブ映画『Bon Jovi From Encore Nights』を観に行くことになって、テンションが沸騰した私は、Amazonで輸入DVDを買いました。

Bon Joviの『Greatest Hits – The Ultimate Video Collection』です。

17曲のMVと、そのライブパフォーマンスが収められていて、約1500円。安すぎですよね。思わず飛びついてしまいました。これが落とし穴とも知らずに。

ライブ映画の観劇前日に届いたので、(よしよし、これで行き帰りにカーオーディオでMVとライブ映像を再生しながら余韻に浸れるぞ)と笑顔になったのも束の間、開封した途端にぬか喜びに変わりました。

というのも、ディスクの盤面が傷だらけだったのです。レンタル落ちの中古品ですら見たことないレベルの傷まみれです。ディスクホルダーが緩かったので、輸送中に動いて盤面に傷をつけてしまったようです。

マジかよ…。

さすがに凹みましたね。

すぐさまプレーヤーに投入して、映像や音声の再生に問題ないことを確認して、不幸中の幸いというかホッとしたというか、でも気分が悪いのはどうしても残ってしまって。

調べてみたら、どうやら輸入DVDあるあるのようですね。ホルダーからディスクが外れていて傷だらけだった、というのは。中には再生できなかった人もいるみたいなので、自分はまだラッキーだったと納得するしかありません。

返品して他の新品を送ってもらったとしても、また開封してみたら傷だらけ、今度は再生もできないかもしれない、と下手したら結果が現状よりも悪化する可能性が高いですからね。

輸入盤CDでもたまにホルダーが割れていたことはありましたけど、CDの場合は盤面傷だらけなんてことはなかったので、完全に油断してました。

盤面傷だらけでも映像と音声の再生には問題ありませんでしたけど、どちらも正直、高品質とは言い難いです。

おそらくですけど、DVD一枚にMVとライブ映像を17曲ずつ、計34曲分のデータを詰め込むためにレートを下げた結果、バランス調整をミスったのではないかと。

そんなことになるくらいだったら、多少値段が高くなったとしても、画質と音質をリマスターして、MVで一枚、ライブ映像で一枚、素直に計二枚組にしてくれたらよかったのに…。

ディスクチェンジの手間が省けるのは助かりますけど、逆に言えばメリットはそれくらいですよね。

劇場で『Bon Jovi From Encore Nights』を観てきた

劇場で『Bon Jovi From Encore Nights』を観てきた

当初は、観に行くの無理だな、と諦めムードでした。Bon Joviのライブ映画『Bon Jovi From Encore Nights』のことです。

というのも、上映される映画館が限られている上に、基本的に上映は6月10日木曜日の一日のみで、しかも上映時間も18時50分からという、定時ダッシュ決められたとしても最寄りでも無理ゲーじゃん、という絶望の状況だったのです。

それでも観に行くのであれば、全国でも数ヶ所しかない一週間上映している映画館まで行くしかない状況でした。名古屋か、富士宮まで。

ライブ映画を観るために、片道2〜3時間かけて映画館まで行くだなんて、ちょっと現実的ではないというか、普通じゃないですよね。

Bon Joviは洋楽ハードロックが好きになったきっかけのバンドで、特別な思い入れのあるバンドのひとつですが、それにしたってこのハードルは高い。それで、まあ見送るしかないかな、と諦めムードだったのです。

それが、岡崎でも一週間上映している、という書き込みを見て(あれ?おかしいな、一週間上映している映画館は、一番近くで名古屋か富士宮だったはずだけど…)と首を傾げながら再度公式サイトで上映期間をチェックしてみたら、日程がいつの間にか変更されていたのか、最寄りの映画館でも一週間上映になっていたので、これなら行ける!とテンション上がって劇場に突撃してきました。

日曜日の夜だからというのもあったのか、劇場は人影もまばらで閑散としていました。

券売機でチケットを買い求めると、上映30分前に一番乗り。ど真ん中よりやや後方のベストポジションをキープし、ひょっとしたら貸し切りかとドキドキしながら時間を待ちました。

さすがに貸し切りではありませんでしたが、自分を入れても観客は四人だったので、ほぼ貸し切りのようなものでしょう。日曜の夜だからガラガラだったのだと、土曜の夜は盛況だったのだと信じたい。

観劇に際して、私にはひとつ懸念事項がありました。

Jonの相棒ともいうべきギタリストRichie Samboraの脱退の影響です。抜群に上手い歌によるコーラスとギタープレイでバンドに華を添えていた存在があまりに大きすぎて、Phil Xを代役に迎えて果たしてその穴を埋められているのだろうか、という心配です。

結論から言えば、その心配は杞憂でありました。正式メンバーとして迎え入れているだけあって、コーラスにギターソロにと想像以上の大活躍。ひと安心するとともに一抹の寂しさもあって、複雑な胸の内もありますけど、懸命にこなしている姿には胸を打つものがありました。

ライブで聴くと、家や車でCD音源を聴いているのとはガラリと受ける印象が変わる曲があるんですけど、今回もありました。最近の曲と、あんまり好きじゃなかった曲です。

観劇前にセットリストをうっかり見てしまったので、最近の曲わりと多めかぁ、と落胆してたんですけど、その最近の曲もけっこう良かったんですよね。『Have A Nice Day』の頃までは好きでアルバム毎回買ってたけどなぁ、という人も、目からウロコ間違いなしの、最近のBon Joviのかっこよさが溢れてます。

特に、”Story Of Love”。もはやプロデューサーというよりも、Bon Joviのシックスマン的な存在感でこのライブにギターで参加していたJohn Shanksが渋いトーンでギターを泣かせていて、沁みました。もともと、『2020』収録曲の中では好きな曲上位でしたけど、さらに好きな曲になりました。

ついで、”Keep The Faith”。正直、この曲はあまり好きではなかったんですけど、何ならこの曲の代わりに”I Believe”か”I Want You”をベストに入れてくれればいいのにとか思ってましたけど、ライブで聴くとベースラインとシャッフルビートが際立って、雰囲気が一変します。実はライブ映えする曲だったのですね。こんなかっこいい曲だったっけ?と驚きました。

Jonの声もよく出ていて調子良さそうで、銀髪になり、シワが目立ち、老いが隠し切れなくとも、Bon JoviはBon Joviで相変わらず途方もなくかっこいいバンドなのだ、ということがこのライブ映画を観てよくわかりました。

生ではなくスクリーン越しというのが悲しかったですが、コロナ禍のせいで来日ライブ開催は壊滅的で新作映画の上映も寂しい現状に、イベントへの参加に飢えていたので、久々に心躍りましたし楽しかったです。

願わくば、Mr. BigやAerosmithといった人気ハードロック・バンドでもこのEncore Nightsが開催されてシーンが盛り上がると嬉しいですね。

Bon Joviのベストアルバムでの”Lay Your Hands On Me”の編集、雑すぎでは?

Bon Joviのベストアルバムでの”Lay Your Hands On Me”の編集、雑すぎでは?

ライブ映画『Bon Jovi From Encore Nights』を観るために最寄りの劇場に向かう道すがら、愛車の中でiPhoneに入れたBon Joviのベストアルバム『Greatest Hits – The Ultimate Collection』を聴いて気分を盛り上げていたんですけど、前々から腑に落ちなかったことがついに消化されました。

まあ、タイトルを見てのとおりです。

Bon Joviのベストアルバムでの”Lay Your Hands On Me”の編集、雑すぎやしませんか?という話です。

10周年ベスト『Cross Road』でも同様の編集がされています。

上に貼り付けた公式MVを観てのとおり、フルバージョンだとイントロも長ければアウトロも長いので、アルバム一枚の中にギリギリまで収めたいベストアルバムに収録となると、ある程度のカットも致し方ないのかもしれません。

イントロはまだわかるんですよ。あまりにも長すぎるので、ばっさりカットもしょうがないでしょう。

しかし、アウトロのフェードアウトはないですよ。ライブエナジーが迸っているあの白熱のアウトロをフェードアウトさせます?アウトロこそがこの曲で一番美味しいところなんじゃないかと思うんですけど。この扱いはちょっとあんまりじゃないですかね。

あのアウトロをフェードアウトさせるんだったら、他に一曲外して…そうですね…例えば、日本に忖度した”Tokyo Road”とか、Jonのソロの”Blaze Of Glory”とかを外してもらって、その代わりに”Lay Your Hands On Me”をフルで入れてくださいよ、といいたくなってしまいます。

CDからiTunesライブラリに音源を取り込む際のビットレートをMP3の192kbpsに決めた理由

CDからiTunesライブラリに音源を取り込む際のビットレートをMP3の192kbpsに決めた理由

あれは何年前でしたかね。二十年は経ってないですよね。十五年前くらいでしょうか。

iPhoneが登場する少し前。

AppleのiPodがWindowsにもついに対応した!と騒然となり、それまでWindows機しか触ったことのなかった自分にも、Appleという何やらすごいコンピューター会社があるらしい、と認知されるようになりました。

たしか、どなたかがiPodを買って使い始めたということをブログかHPで報告していて、それで更に気になって調べてみたら、デザインは可愛らしくて素敵だわ今まででは考えられなかったほど大量の楽曲をコンパクトに持ち歩けるわ、物欲のツボを刺激しまくるとても魅力的な製品で、欲しくて欲しくてしょうがなくなり、ついにiPodを買ってしまったのでした。

iPodで音楽を聴くためには、iTunesという音楽管理ソフトを使用する必要があって、iPodで音楽を聴きたいがために、iTunesを介して手持ちのCD音源をせっせとパソコンに取り込んでいくことになります。

そこで突き当たるのが、CD音源をパソコンに取り込む際のビットレートをどうするのか、という問題です。

ビットレートとは、音質の善し悪しを左右する数値で、数字が小さければ小さいほどデータ量が少なく音質も悪く、大きければ大きいほどデータ量も多くなるが音質も良くなる、その指標となる数値です。

これは、写真や動画の画質データにも関連する悩みです。PC内に保存する画質や音質が良ければそれに越したことはありませんが、かといって画質や音質が良すぎるとデータ量が膨大になることを意味し、HDDやメモリの残量を逼迫しますし、ひとつひとつのデータが重くなるため転送のやり取りや編集にも時間がかかります。スペック次第では、そこにストレスを感じるようになることもあるでしょう。

したがって、CD音源をパソコンに取り込む前に、自分が満足(もしくは我慢)できる音質と、HDDの容量と、パソコンのスペックとを天秤にかけて、ベストバランスを探る必要があります。

iTunes標準だと、iTunes Plusの256kbpsがCD音源取り込みの基準になっています。これだとファイルが特殊で再生機器を選ぶかもしれないことと、データ量も大きいと考えられたため、汎用性の高いMP3での取り込みがベストだろうと考えました。

MP3では128kbpsが標準音質となっていましたが、いくらなんでも128kbpsではCDからの音質劣化が大きすぎて物足りませんでした。

案の定、良音質の160kbpsと高音質の192kbpsと聴き比べてみたら、128kbpsは明らかにスカスカ。160kbpsと192kbpsは若干192kbpsのほうが音の密度というか鮮度が高いように聞こえる。一応もうひとつ上の224kbpsも聴き比べてみましたが192kbpsとの差がよくわからず。で、MP3の192kbpsで取り込んでいくことに決めました。

当時はまだまだHDDの容量も少ない上に高価で、パソコンのスペックも低かったですし。容量を圧迫せず、再生機種も選ばない納得の音質は、MP3の192kbpsだという判断です。

もし今から取り込み始めるとすれば、HDDも大容量化してだいぶ安くなってますし、パソコンのスペックも申し分ないので、MP3の320kbpsか256kbpsに設定していたかもしれません。あの当時は、まさか家でもパソコンからのAirPlayでMP3メインで音楽を聴くようになるとは思っていませんでしたから。

どこを落としどころとするか、これは人によって様々でしょう。MP3の128kbpsでも充分だと感じる人もいれば、ハイレゾでも物足りなく感じる人もいます。有線接続ならまだしもBluetooth接続なんてまっぴらごめんだ、なんて人もいます。

ハイレゾでも物足りない、なんてなっちゃうと大変ですよ。音源の音質そのものの追求はもちろんですが、再生機器へのこだわりも天井知らずになってしまいます。再生機器にお金をかければかけるほど高音質化は見込めますが、果たしてそれが自分の好きな音かというと、決してそうとは限らないのがオーディオの恐ろしいところです。

予算内で、とりあえず満足、納得のいく、自分が好きな音に辿り着けるかどうか。

その意味では、MP3の192kbpsで、家ではパソコンからAirPlayでコンポに音を飛ばし、愛車ではiPhoneからBluetoothでカーオーディオに音を飛ばし、JBLのスピーカーから流れてくる音に満足できている自分は、幸せ者なのかもしれません。