初めてサマソニ(幕張会場)に行ってみてわかったこと

初めてサマソニ(幕張会場)に行ってみてわかったこと

行ってきました。初めてのサマソニ。2022年8月20日土曜日、幕張一日目。

実際に行ってみて、家で頭で考えていただけではわからなかったこと、行ったからこそ骨身にしみてわかったことがいくつかありました。

色々なバンドを少しずつ観るよりも超好きなバンドをじっくり観たいということもあって、フェス派か単独派かで言ったら単独派なので次があるかどうかはわかりませんが、今回の気づきを次の機会に活かせたらいいなと。

プラチナチケット強すぎ

特に痛感したのはこれですね。プラチナチケットの圧倒的強さ。

プラチナチケットとは何なのかざっくり説明すると、一般チケットより高価だが数が絞られているぶん様々な恩恵が受けられるチケットです。

細かく説明すると長くなるので割愛しますが、高価なぶんそれだけの見返りが得られると思っておけば間違いありません。

逆にいうと、恩恵を把握しておいて自分から積極的にそれを活用しに行かないと、あまり旨味がありません。

グッズは絶対に買うタイプの人や、入場で長々と待つのは嫌だ、無料会場循環バスで並びたくない、休憩時間は日陰で優雅に過ごしたい、優遇されたアリーナ席で気持ちゆったり観たい、そんな人は何も考えずにプラチナ一択で間違いありません。

特に衝撃的だったのはプラチナラウンジですね。ガラスに透けて中がちらりと見えていたんですけど、一般チケット民がうだる暑さのなか地べたや縁石を椅子代わりに座り込んで休憩したりご飯を食べている横で、涼しそうな室内で優雅にソファでくつろいでいたりなんかして。

何だこの差は?と。ショックを受けた一般チケット民も少なくなかったのではないかと。

プラチナチケットが高速道路ロングドライブだとしたら、一般チケットは下道オンリーロングドライブ、それくらいの差があります。

次に行くことがあったとしたらプラチナチケットだな、と思いました。炎天下で行列に並ぶ時間を圧倒的に減らせるわ、涼しい室内で休めるわで、荷物めちゃくちゃ減らせますもん、あの好待遇を受けられるなら。

ZOZOマリンスタジアムと幕張メッセの行き来は想像以上に大変

地図で見ると、サマソニ幕張の会場であるZOZOマリンスタジアムと幕張メッセは道路を挟んで隣り合っています。

そのため、現地に行く前の私はこう思っていました。なんだ、すぐ隣じゃん。これなら各ステージ間の行き来は余裕だな、と。

とんだ勘違いでした。

この画像はZOZOマリンスタジアムから幕張メッセのマウンテンステージに移動したときの歩行ログです。約2キロの移動に約30分かかりました。

一度移動しただけで(いやこれは想像以上にキツイぞ)と自分の思い違いを痛感しました。

まだ本格的に混んでくる前の時間帯の移動だったのでこれで済みましたが、メインを張るバンドの直前や直後にもなると観客の多さも移動による入れ替わりも激しさを増すので、入退場規制などにより歩みが遅かったり動線が制限されたり大回りを余儀なくされたりで、もっと時間がかかると予想されます。

また、ステージを移動して戻ってきたところで、思っていたような席や場所を確保できない、ということもあるでしょう。

そう考えると、移動もリスクですよね。

時として決断を迫られることもあるでしょう。それでも移動するか、諦めてそのまま留まるか。

自分の中で確固たる優先順位を先に決めておかないと、現地で右往左往することになる

サマソニの場合、開場は朝9時で10時過ぎ頃から各ステージでバンドの演奏がスタート、終演はステージによって異なりますが21時や22時頃と、一日丸々会場にいると拘束時間が長くなります。

そのため一度受付した後は手首に目印のリストバンドをして入退場自由となります。そのまま会場内で一日ふらつくのも、一度会場の外に出て目当てのバンドの時間に戻ってくるも、それぞれの裁量次第です。

自由度が高いということが魅力であるが故に、自分の中で確固たる優先順位が定まっていないと、現地でちょっとしたことで揺れて惑わされることになります。

このTシャツとタオルは絶対に手に入れておきたい、このバンドは絶対に観たい、お酒飲みながらご飯食べたい、ご飯を食べるならこの時間帯に、などなど。

そのうえで、事前に考えていたとおりに事が運ばなかったとしてもその都度その場で柔軟に修正していく対応も求められます。

そうじゃないと、いちいち狼狽えてしまって、ああしておけばよかったこうしておけばよかったと、いつまでも引きずりながら後手後手に回ることになってしまいますからね。

アーティストグッズを手に入れるには、出演するステージ側のグッズ売り場に行く必要がある

ちょっと考えれば想像がつきそうなものですが、エリアマップでZOZOマリンスタジアムと幕張メッセ両方にグッズ売り場があるのを確認した私は、どっちかに行けばそれで事足りるのだと早合点しました。

実際にはそれは大間違いで、オフィシャルグッズであればどちらでも買えますが、ZOZOマリンスタジアムに出演するアーティストのグッズはZOZOマリンスタジアムのグッズ売り場で、幕張メッセ側のステージに出演するアーティストのグッズを買うには幕張メッセのグッズ売り場でなければ買えません。

そこに想像が及ばず幕張メッセ側のグッズ売り場のほうが行列が短くて済みそうだと判断した私はまず幕張メッセに向かいました。それが大間違いとも知らずに。

幕張メッセのグッズ売り場の列に並んでしばらくして、ようやく気が付きました。あれ?ManeskinやThe 1975のグッズがないぞ…と。

思い違いに気がついてすぐさま行列を離脱しZOZOマリンスタジアムに移動。グッズ売り場に並びましたが時すでに遅く、ManeskinとThe 1975のTシャツは並んでいる間に売り切れて終了してしまいました。これももしプラチナチケットにしてたら、待ち時間が短く済んだぶん間に合ってたかもしれません。

翌日のバンドのグッズも売っていたので、泣く泣くThe StrutsのTシャツとオフィシャルのTシャツとタオルを買いました。

次の機会には並ぶグッズ売り場を間違えないように気をつけます。

フェスだと単独と違って持ち時間が限られているからか、MCや休憩でダラダラせずに次から次に曲を演ってくれるのは最高

フェスの最大の利点として、様々なバンドを一度に観ることができるという点が挙げられますけど、その一方で各自持ち時間が短く限られているというマイナス要素もあります。

しかし、そのマイナス要素がプラスに転じることもあります。

持ち時間が短く限られているぶん、MCや休憩でダラダラせずに次から次へと曲を演ってくれる、というプラスに。

MCを聞くのが好きな人もいるんでしょうけど、自分は生演奏を全身で浴びたいがためにライブに行っているので、MCや休憩が長いとイライラしちゃうんですよね。いつまで話してんだよ、なげ〜よ、さっさと次の曲いってくれよ、と。

時間が短く曲数も少なくなるのは寂しいですけど、そういうストレスを感じずに済むのはありがたいです。

飲み物は500mlペットボトル四本で足りた

荷物は泊まり用の手提げボストンと、サマソニ用の装備を詰め込んだリュックのふたつになりました。

リュックの中身はマスクの予備、タオル、フード付きタオル、雨用ポンチョ、制汗スプレー、ウェットティッシュ、モバイルバッテリー、500mlペットボトル四本、日焼け止め、家で凍らせてきたポカリのゼリー飲料二個、現地で買ったグッズです。

これだけでもずっと背負いっぱなしだとけっこう重く感じて、辛かったですね。

でも野外イベントで手ぶらはちょっと怖いですからね。

昔、GWに富士スピードウェイにスーパーGTを観戦しに行ったことがあったんですけど、昼間快晴でめちゃ暑くて半袖一枚で手ぶらで行ったらレース終盤に雨が降ってきて、日が暮れたらめちゃくちゃ寒くなってきて、雨に打たれながら寒さに震えて全然戻ってこない送迎バスを待ち続けていたのが悪夢のようで、トラウマになっています。

喉がカラカラなのに飲み物が売り切れてたらとか、想像しただけで恐ろしすぎますからね。

当日の天気は雲が多めの晴れで夜になったら小雨が降ってきてと、暑さ的には暑かったは暑かったですけど絶望的に厳しいというほどでもなく、助かりました。

現地で買った生ビール二杯とペットボトル三本半で終演までもちました。家で凍らせてきたポカリのゼリー飲料は最後の砦の奥の手でしたが、我慢せずとも飲まずに済みました。

これはあくまでも天候に恵まれたからこの程度で済んだのであって、本当に暑さが厳しかったらこんなものではなかったと勘違いしないように気をつけねばなりません。

雨への備えは絶対必要

先にも少し書きましたけど、当日は少し雨が降りました。

私はマリンスタジアムのスタンド席で屋根の下にいたので、雨用のポンチョを着なくてもズボンが少し濡れたくらいで済みましたが、空の下のアリーナ席で観たいとなるとカッパを着ていなかったら全身ずぶ濡れで終了です。

会場内では傘禁止なので、会場外用に折り畳み傘と会場内用にポンチョかレインコートか、最低でもこれくらいは用意しておくべきでしょう。

ポンチョも、安いだけのやつは防水性はともかく透湿性は皆無なので、通勤や通学で短時間雨を凌げれば問題ないのなら我慢できるでしょうけど、野外フェスで長雨で長時間ずっと羽織りっぱなしとなると蒸れて不快指数がとんでもないことになると思うので、多少高くても透湿性も確保されたものがおすすめです。

想定以上に夜の気温が低く寒く感じた場合に備えて、パッカブルウインドブレーカーをカバンに忍ばせておくのもいいかもしれません。

会場にフェス用の荷物を詰め込んでいくバッグも、できれば撥水性や防水性のあるものが望ましいでしょう。私はナイキの耐天候性を備えたバックパックを買いました。6000円ほどと安かったですしね。

泊まる場合は会場から歩いていける距離で送迎付きのホテルを選ぶべし

当日、幕張に着いた私はライブ会場に行く前にホテルに向かいました。送迎付きのホテルを選んだので、まずフロントで泊まり用の荷物を預かってもらい、そのまま会場まで送ってもらうためです。

我ながらこれは大正解だったと思います。

会場の最寄り駅ではないため電車もそれほど混んでいませんでしたし、荷物も軽くできて送ってもらえてと、だいぶ楽ができました。

ツーデイズ観覧した同僚は会場に直行してクロークに荷物を預けて、終演後に荷物を引き取って海浜幕張駅から数駅移動した先のホテルに泊まったそうなのですが、絶えず人波に揉まれての満員電車の移動で立ちっぱなしで堪えたそうです。

私が泊まったホテルから会場までの距離は約3.5キロ、歩くと40分ほどです。終演後はちょっときつかったですけど、己に課した制約を遵守して歩いてホテルに戻りました。

なんだかんだロスが尾を引く

フェス派というよりは単独派だと気取っておきながら、サマソニを観終わって帰ってきてからというもの、魂を置き忘れてきてしまったかのようなロス状態に見舞われ、心ここにあらずな数日間を過ごしました。

ホテルをチェックアウトして帰りの駅に向かう道中、いかにもこれからサマソニに行きますって格好をした人とすれ違うたびに、中学の親友と高校から離れ離れになるみたいな寂しさや切なさを感じたり。

月曜日の朝に出勤する時、朝っぱらからなんでもない交差点の縁石で愛車のお気に入りのホイールをがりったり。

ヒゲを剃ってるときに手元が滑ってカミソリでアゴと上唇を切ったり。

同僚と「俺たちほんとにサマソニ行ってきたんかな?」とラインをやり取りしたり。

楽しかったフェスとつまらない日常のギャップのデカさに戸惑ったり。

このような数日間を経て、ようやく地に足がついてきました。喜ぶべきか悲しむべきかはさておき。

単独派だなんだといいながら、要は超楽しかった、ということです。きつかったこともありましたけど、楽しかったです。

今まで一度もフェスに行ったことがないのであれば、食わず嫌いしてないで、知見を広げるためにも一度行ってみるのもいいと思いますよ。

単独派を気取っていた自分でもびっくりですけど、こんなおじさんくさいことを言いたくなる気持ちになるくらいには、満喫しましたし楽しかったのは確かです。

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アルバムツアー終了間際に発売されて、その初回限定盤にまだ開催中のそのツアーから6曲が抜粋されたライブDVDが付属する異例ずくめのアルバム、それがB’zの『Highway X』

アルバムツアー終了間際に発売されて、その初回限定盤にまだ開催中のそのツアーから6曲が抜粋されたライブDVDが付属する異例ずくめのアルバム、それがB’zの『Highway X』

B’zの新作『Highway X』は、異例中の異例、そんな言葉がぴったりと当てはまる一枚です。

2022年5月14日からアルバム『Highway X』の全国ツアーが開始されているのにそのアルバムの発売日が約三ヶ月後の8月10日で、そのアルバムツアーがアルバム発売後まもなくの8月14日で終了するとか。

しかもアルバムの初回限定盤には今まさに最終日が間近となったそのツアーの模様が収められた6曲入りライブDVDが付属するとか。

今まで何枚も音楽CDを買ってきて、このパターンはさすがに初めてですね。前代未聞、前人未到、空前絶後。そんな言葉で語られるレベルの、世にも珍しい販売パターンです。

今度のアルバムに収録されるのはどんな曲なのかな?とドキドキワクワクを胸にライブを観に出かけ、そのライブの感動も薄れ忘却しつつある約三ヶ月後にCDに収められたいつになくライブ感あふれるサウンドに感激し、まだ終わってないツアーの映像をDVDで観てCDもよかったけどやっぱりライブもいいなぁと感動を揺さぶられる。

こんなふうに様々な楽しみ方ができたアルバムがかつてあっただろうか、という話ですよ。

まあ、なかったんですけどね。

特別な野外ライブイベントでこれから発売されるアルバムに収録される新曲を一曲だけ聴いた、とかならありますけど、さすがにアルバムツアーでCD発売前のアルバムから全曲先駆けて聴いたのは初めてです。

ツアーの日程を消化しながら、ライブ中に気がついたことを試したりしてギリギリまで音源に手を加えていたからなのか、新作のサウンドはいつになくライブっぽいサウンドに仕上がっているように感じました。

ギターの骨太なトーンはもちろん、豪勢できらびやかなブラスとか、重厚でありながら跳ねているリズムとか、要所要所で効果的なアクセントをつけてくるキーボードとか、それら主張の強いサウンドの束にも埋もれずに突き抜けてくる唯一無二の歌声とか。

それらが代わる代わるその存在を主張してくるんですけど、その主張が強すぎずかといって物足りなくもないという絶妙のバランスでまとめられていて、賑やかで迫力がありつつも、聴きやすくてわかりやすいサウンドが最高です。

中でも特に印象深いのが、アルバムの最後を飾るバラード”You Are My Best”ですかね。

ライブで初めて聴いたときも(曲名から予想していた通りの感動的なバラードだ〜)と感激したんですけど、CDで聴いたら(うお〜ライブのときの好印象を上回る完成度だ!)と驚かされて、ライブDVDを観てみたら(いやいや、ライブバージョンもやっぱり素晴らしいぞ?)と振り回された挙げ句、何を信じたらいいのかわからなくなって心の整理がつかなくて。

何だこれ?一体どうなってる?ちょっとわけがわからないな…。

まあ、何にしろ素晴らしいことに変わりはないのだから、別にいっか。

私は考えることをやめました。

『DINOSAUR』や『NEW LOVE』ほどの即効性のあるインパクトには欠けるような気もしますが、これは聴き込むほどにしっくりハマってくる、もしくはライブで聴くとまた印象が変わって化ける、そのどちらかでしょう。

延期になりましたけど、それまではCDを聴き込んで、ライブツアー千秋楽のライブビューイングで答え合わせします。

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B’zの初期の楽曲をベスト盤のような音質で聴きたいのでデジタルリマスター再発売希望という願いよかなえ

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5月21日に静岡県袋井市のエコパアリーナで開催されたB’z LIVE-GYM 2022 Highway Xを観てきてからというもの、ブログを書いたりライブ映像作品を観たりB’zのランダムプレイリストを聴いたりするなどしてその余韻に浸っていたわけですが、その最中でちょっと物足りなく感じるというか、こうだったらいいのにな、嬉しいのにな、と思ったことがありました。

それはB’zのランダムプレイリストを聴いているときのことでした。

B’zのデビューアルバム『B’z』収録曲の”Half Tone Lady”が流れてきました。この曲めっちゃ好きなんですよ。デビューアルバムの中で一番好き。華やかなキーボードにややあっさりながら躍動するギター、ポップで親しみやすいメロディ。

まだバンドが走り始めたばっかりで型ができ上がっていないながらも、あとから振り返ってみると所々でらしいフレーズや味付けが聞き取れるのも面白い。

ただ、いかんせん、音がしょぼいんですよねぇ…。『B’z』に限らず、CD黎明期の昔の音楽CD全般に当てはまる弱点ですが。

今と違って昔はレコーディング予算も限られている上に機材もぜんぜん違うので、致し方ない面もあるのかもしれません。この素晴らしいメロディを、もうちょっとガツンと来る音で聴きたい。このささやかな願いは贅沢なんでしょうか。

“だからその手を離して”や”君の中で踊りたい”など、ベスト盤に収録された曲はいいんですよ。リマスターされた素晴らしい音質で聴けるので。ただ音圧を上げて揃えただけじゃなくて音の粒立ちや分離にまでこだわり抜いたのであろうリマスターで聴けるので。

問題は選外となったのに好きな曲です。格差を知っているだけに、夢を見てしまうのです。これと同等の音で昔の好きな曲も聴きたいなぁ、と。

ひょっとしてサブスク版ではリマスターされていたりするんでしょうか。サブスクは利用していないため確認できていませんが。いやしかし、そんなまさかCD派をないがしろにするようなことはさすがにないと信じたい。

ゆえに、B’zの昔のアルバムのデジタルリマスター再発売を希望します。願いよかないたまへ。

されなかったらされなかったで、この物足りない音質も時代を感じさせてくれる味には違いない、と自分に言い聞かせてごまかします。

ほとんど諦めていますけど、万が一デジタルリマスター再発売していただけるのであれば、Bon Joviみたいに昔のライブ音源をボーナスCDとして付属するか、昔のライブの模様を収めた選り抜きDVDを付属するなどしていただければ、より一層嬉しく存じます。

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こんな自称世界一かっこいいロックバンドは嫌だ

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誰とは言いませんが、数年前にハマった日本のロックバンドの話なんですけど、最近では海外での活動にも力を入れていて絶好調。彼らはライブ中のMCで、世界一かっこいいロックバンドだと自称しているんですよ。

「どうも、世界一かっこいいロックバンド、〇〇です」と。

初めて観に行ったライブでは、そのパフォーマンスの素晴らしさに目が潤んじゃうくらい感動して、そのときにそのMCを聞いていたならば素直に頷いていたかもしれませんが、最近はちょっと勘違いしてるんじゃないかという言動が目に余るので、ここでネタにしちゃいます。

別に、大口を叩くなと苦々しく見ているわけではないですよ。むしろ逆で、その心意気や良しと感心しています。大好きなバンドが、自分たちは世界で一番かっこいいバンドだと信じて活動している、これほど応援のしがいのあることもないでしょう。

ただ、残念ながら、大口に行動が見合ってないんですよね。口で言うだけじゃなくて、行動でも示してほしいと、ついてこいと背中で語ってほしいと、そう願っているわけです。

それでは、どういったところで言動が一致していないと感じているのか、いってみましょう。

30公演以上の大規模全国ツアーで、全公演統一セットリストを組んじゃう

全国で30公演以上も開催するアルバムツアーで、最初から最後まで全公演まったく同じセットリストとか、世界一かっこいいバンドがこんなセット組みます?

せめて、同会場で複数回演るときくらい、数曲の日替わり曲用意しません?熱心に複数回観に行く人が可哀想でなりません。不憫。あまりにも。

歌詞やアレンジほぼ同じなのに、日本盤と国際盤をリリースしちゃう

初めて日本盤と国際盤を出したときはそうでもなかったんですけど、アルバムリリースを重ねるたびに海外志向が加速していった結果、日本盤でも歌詞がほとんど英語ばっかりになって国際盤との違いが希薄になり、3,4曲あった入れ替え曲が1,2曲になってと、差異がほとんどなくなってきています。アレンジは前々からほとんど変わりなかったですが。

律儀に両方買っているので愚痴りたくなっちゃうんですけど、もうちょっと色つけてくれてもいいんじゃないですかね。ほんとに両方とも買ってよかったと、心から満足させてほしい。

ダラダラするの嫌いだからと言いながら、MCでダラダラしちゃう

とあるツアーを観に行ったときのMCで、世界一かっこいいロックバンドのヴォーカルは言いました。

「おれ、ダラダラするの嫌いだからさ」

これを聞いたときは呆れて口が塞がらなかったですね。苦笑いしながら(それ自分が言っちゃう?まさにたった今ダラダラしてるじゃねえかよ)と心のなかで突っ込んでしまいました。

MCで「最前にいるお客さんがいつも同じ」とか言っちゃう

たしか、海外ツアー中でのMCだったと記憶しているんですけども。観客席を見渡して、世界一かっこいいロックバンドのヴォーカルは言いました。

「なんかさ、最前にいるお客さんいつも同じだね」

いやいやいや、自分たちだって毎回毎回おんなじ曲ばっかり演ってるのに、それ言っちゃう?それ言っちゃうなら、こっちだって言わせてもらうよ?日本盤も国際盤もCD買ってチケット買ってライブ会場に足を運んでグッズも買ってるんだから。ちょっとくらい言わせてもらってもいいよね?

これ聞いたときはホントがっかりしちゃいました…。

BAND-MAIDの3rdフルアルバム『CONQUEROR』は超名盤

BAND-MAIDの3rdフルアルバム『CONQUEROR』は超名盤

仮にですよ。仮定の話です。

友人や知人家族とBAND-MAIDについて熱く語り合っていたとして、そんなときにふと「どのアルバムが一番好きか?」という話題が持ち上がったとしたならば。

私は頭を痛めて唸るでしょう。うぅむ。

一番最初に聴いたアルバム『Just Bring It』には特別な思い入れがあるし、舞妓リメイクの世界観が強烈な『BAND-MAIKO』の中毒性も半端ないし、YouTubeで公式動画を見てハマるきっかけになった曲のひとつである”Daydreaming”が収録されている『WORLD DOMINATION』も素晴らしいからなぁ。

そんなふうにひとしきり考え込んだ末に導き出される結論は、「3rdアルバムの『CONQUEROR』かな」ということになるでしょう。

https://natalie.mu/music/pp/bandmaid06

BAND-MAID – CONQUEROR

このアルバムは、構成がドラマチックなんですよね。私はそこに惹かれています。

まず、幕開けを飾るのがたおやかな”PAGE”。意外性がありつつもここしかないという絶妙の位置にハマっていてる、清廉な曲。ここから、このアルバムは怒涛の展開を見せます。

アグレッシブな曲が続いたかと思えば壮大なスケールの曲が流れてきたり、ポップな曲やセンチな曲を受けてまた激しいロックナンバーが立ち上がってきたりと、山あり谷ありの起伏目まぐるしい展開。

まるで、沢から湧いた清流が小川になり滝となり河川になり、山や渓谷や野を越えてついには大海原へと至るようです。感動に打ち震えながら、この激流に身を委ねるのみ。素晴らしい。

特に、ラスト三曲が凄まじい。さんざんいい曲ばっかり聴かされてフラフラのところに、これでトドメだと言わんばかりの苛烈な曲三連発。容赦なし。

最後の”輪廻”がまた一段と激しいんですけど、この最後に来ての最高潮ともいえる激しさが、次作『Unseen World』の世界観に通じているようでもあります。アルバム一枚聴き終えて、繰り返しリピートする際にピッタリの最高の曲名というだけでなくて。

超名盤。うん、超名盤です。

BAND-MAIDの3rdアルバム『CONQUEROR』は、超名盤。