キャンピングムーンの火ばさみを買ったものの、めちゃくちゃ使いにくかったので押しバネを仕込んで改良した

キャンピングムーンの火ばさみを買ったものの、めちゃくちゃ使いにくかったので押しバネを仕込んで改良した

キャンプを始めた当初は、100均の火ばさみを使っていました。セリアで買ったやつです。100円とは思えないほどしっかりしていましたし、炭や薪を掴むのにも何も問題ありませんでしたし、これで十分だと思っていました。

そんなふうに考えていた時期が、私にもありました。

ところがですよ、曲がりなりにも何度か日帰りや泊まりでキャンプやBBQを楽しんでいると、不思議と道具や装備へのこだわりや憧れが現れてくるもので、YouTubeやTwitterで見かけたかっこいい火ばさみに目を奪われたり、キャンプ仲間が使っているかっこいい道具にいいなと羨んだりで、次から次へとかっこいい道具に目移りするようになるのです。

なんたって、100均の火ばさみの見た目は、まんまゴミ拾いなどで使うゴミばさみそのものですからね。使っていてもテンションが上がらないというか、心が高揚しないというか。所有満足度はゼロです。使い込んでも愛着も育まれません。

これでは、かっこいい火ばさみが欲しくなるのも、自然の摂理でしょう。これは何も火ばさみに限った話ではなく、なんというか、お気に入りの道具で、身の周りを固めたくなるんですよね。

で、買い揃えたお気に入りの道具をご満悦で眺めながら、焚き火してお酒飲んで、美味しいもの食べて、仲間と楽しく会話したい。何故かそうしたくなってしまうのです。

そんな流れに乗って、キャンピングムーンの火ばさみを買いました。

テオゴニアのファイヤープレイストングの人気に便乗して参考にしたらしきデザインでしたが、はさみの色がシルバーだったりグリップがゴツゴツしていたりで、グレーゾーンにとどまりつつもかっこよく値段も求めやすい。

しかし、買ってすぐに後悔することになります。

というのも、キャンピングムーンの火ばさみにはバネが組み込まれていないために、はさみの開け閉めを自分でやらなければならないからです。閉めるぶんにはただ手を握るだけなので別段問題ありませんが、開くときに力が入りにくくて、これがストレスなのです。

安くてかっこいい火ばさみを手に入れたと思ったら、まさかこんな落とし穴があったとは。

落胆しているところにスプリング仕込みのVENTLAXの焚き火トングを見かけちゃったものですから、ろくに使ってもいないうちから買い替えてしまおうかと悩んでいたほど、火ばさみの開けにくさは地味ながら大問題です。

そんな折、YouTubeで火ばさみにバネを仕込んで開け閉めしやすくなるカスタム動画を見まして、これは素晴らしいと感銘を受けた私はホームセンターで押しバネとホースバンドを購入してきました。

押しバネをホースバンドで固定して、力を入れるのは手を握って火ばさみを閉じるときだけ、手を開けばバネの力で火ばさみが自然に開くように、改良しました。

溶接でバネを固定している人もいましたが、自分にはそんな技術も道具もないので、素人仕事丸出しの無骨カスタムです。

たったこれだけですが、これだけで火ばさみの開け閉めがめちゃくちゃ楽になりまして、部屋でひとりにやにやと火ばさみを眺めながら無駄に開け閉めしてしまったくらい、嬉しい。

嫌気が差して速攻で買い替えようとしていたのが嘘みたいに、この火ばさみが愛おしくてたまらない。

早くキャンプに行きたいですね。焚き火して、無駄に薪を火ばさみで突っつき回したくてしょうがない。

ただ、押しバネを仕込んだために、そのままにしておくと常にはさみの先が開いている状態になってしまい、持ち運ぶときに危なかったり邪魔だったりしそうだったので、ワークマンのパラコードを丁度いい長さに切り落として結び、簡易ロックにしました。

コードの切り端はライターで炙って、解けるのを防止。グリップがボコボコしているおかげで、手に馴染むばかりかパラコードも丁度いいところに引っかかる。最高です。

見栄えでは溶接固定に及ぶべくもありませんが、ホースバンド固定のおかげでバネの交換や開度調整が容易なので、大満足です。

ホースバンドも押しバネも銀色なので、キャンピングムーンの火ばさみが銀色でちょうどよかったですね。これがもしテオゴニアやロゴスのように黒い火ばさみだったら、バネとホースバンドも黒く塗らないと悪目立ちして気になってしまったかもしれません。

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イタリア出身のロックバンドMåneskinにハマった

イタリア出身のロックバンドMåneskinにハマった

Måneskinのことを知ったのは、ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2021で彼らが勝者となり、その喜びを捉えたひと幕がTwitterのタイムラインに流れてきたことがきっかけでした。

最終パフォーマンスが終わって完全燃焼、疲れてへたり込んだヴォーカルのダミアーノのパンツの股間が破れているのを他のメンバーが指摘する、短い動画が面白かったんですよね。

その時の率直な感想は、久しぶりにユーロヴィジョン・ソング・コンテストに関する話題を見た気がするなぁ、というものでした。

ノルウェーのハードロック・バンドWig Wamがノルウェー代表となり、欧州を席巻していた頃以来です。日本ではあまり話題にならないですよね。過去にはABBAやCeline Dionなども勝ち取っている、歴史あるコンテストです。

https://youtu.be/bC9sg6MpDc0

ユーロヴィジョン・ソング・コンテストのYouTube公式に、Måneskinの優勝決定からトロフィー授与、優勝決定に喜び昂ぶるメンバーがそのまま最終パフォーマンスに臨んでいる動画が上げられているんですけど、これがまあ普段どおりの好パフォーマンスで見事なんですよね。

指先が震えちゃってミス連発とか、気持ちが昂りすぎちゃって泣いてしまい歌えないとか、浮足立ってしまって普段どおりに振る舞えないとか、そんな様子はまったく伺えません。

これはつまり、彼らはまだハタチそこそこの若さにして、すでに少々のことでは動じない確かな実力を備えているバンドである、という証です。くぐり抜けてきた場数を感じます。

ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2021優勝曲”Zitti E Buoni”がまた最高で、途中でラップっぽくなったりもしてけっこう独特でアクも強いのに、めっちゃキャッチーでパンチもきいていて、何故か聴きやすくて妙に心に残ってクセになるという、強烈な魅力をまとった楽曲だったのです。

様々なジャンルの音楽からの影響を感じる、エネルギッシュでハイテンションなロックです。

一発で虜になってしまいました。

その頃はまだAmazonでは輸入CDもなく配信のみだったので、”Zitti E Buoni”が収録された『Teatro d’IRa – Vol. Ⅰ』をダウンロード購入しました。

早まったかな、という思いもありました。

というのも、欧州だけでなく日本も含むアジアはもちろん、北米や南米でも売上チャートで急上昇し、彼らを特集したネット記事が次々に上がり、大手洋楽レーベルがTwitterで取り上げたり、大手CD販売チェーン店が店頭に特設コーナーを設けたり、日本語字幕Ver.の公式MVがアップされたりと、日本盤が出るのも時間の問題だろうなと思わせる、異例の盛り上がりを見せていたからです。

そのムーブメントの盛り上がりからすると、予想以上に時間がかかったような気もしますが、無事に日本盤のリリースも決定しました。ソニー・ミュージックより、2021年10月13日発売です。

その後、1stアルバムやEPのCDを取り寄せました。もしかしたら日本盤のボーナストラックに(特にEPは)収録される可能性もあるなと様子を見ていたのですが、ボーナストラックは一曲のみとの記載があったので安心して踏み切りました。

クレジットを見て意外だったのが、まだ若いのにとんがった独自性とクセになる聴きやすさを最初の頃から自分たちのプロデュースで両立していて、恐るべきバランス感覚に舌を巻きました。

コロナ禍さえなければと、惜しまれますね。今頃、日本盤リリースにとどまらず、フェスへの出演や単独来日公演、プロモーション来日など、様々な話が決まっていたでしょうに。

生でライブを観てみたいですよ。

動き回りながら複雑な歌メロを平然と歌いこなすヴォーカル、奔放に跳ねるリズム、骨太なサウンド、ユーロヴィジョンで優勝するほどのステージングと、話が決まった時点で最高が約束されている要素満点ですからね。

いつの日か彼らのステージを生で観られることを願いつつ、とりあえず日本盤が手元に届く日を心待ちにします。

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Blu-rayが再発されたので、久しぶりに『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』を観た

Blu-rayが再発されたので、久しぶりに『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』を観た

Amazonで検索していたら、キングレコードの「死ぬまでにこれは観ろ!2021」キャンペーンの中の一作として、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』が再発されると知ったので、Blu-rayディスクを購入しました。

前に観たのはまだWOWOWに加入していた頃だったので、もう何年前か定かではありません。確かなのは、『トランスポーター』シリーズを観たあとってことだけですね。(あ、ジェイソン・ステイサムが出てる!)という驚きが鮮烈に残っているので。

ガイ・リッチー監督の初監督映画として名高いですが、俳優ジェイソン・ステイサムの映画デビュー作でもあります。

アクションスターとしての確固たる地位を築く前の出演なので、ステイサムの華々しい活躍シーンがなくて彼のファンには少し物足りないかもしれませんが、そんなことはどうでもよくなるほど娯楽映画作品としての構成の妙が際立っています。

物語の主人公は盗品売買でその日暮らしの四人組。

資金を持ち寄り裏賭博で一攫千金を目論むも胴元のイカサマにハメられて法外な借金を背負い、返済に迫られ途方に暮れたところで強盗団の計画を盗み聞き、その獲物を横取りしようと画策します。

その奇襲は見事に成功し、これで借金を返済して一件落着かと思いきや、ここから話はこじれにこじれます。

街でのんきに遊び呆ける主人公グループ、復讐に燃える強盗団、強盗被害にあった一味、取り立て屋、胴元たちの思惑が交差しては複雑に絡み合い、捻れまくり、さすがにこれで決着かという場面からさらにひと捻りし、おまけに最後あのあとどうなったんだろうという想像の余地の楽しみまで残す、という凝りよう。

それでいて、しっちゃかめっちゃかにとっ散らからずに、散漫さや冗長さも感じさせることなく、過不足なく説明しつつ小気味いいテンポで物語を進行し、あっちにこっちにと揺さぶりながらも鮮やかに結末に向けて収束させるのだから、見事と唸るほかありません。

本当に初監督作品なのか?と疑いたくなるほど卓越した手腕です。

デジタル一眼カメラで写真を撮るようになったり、アクションカメラなどで動画を撮って編集したりするようになった今だからこそ、観直して改めて気がつくこともありますね。

公開当時1999年。2021年の今観ても全然古臭さを感じさせない斬新な構図やリズミカルで心地よいカット割り、場面転換には驚かされます。新進気鋭の新人監督の恐るべき才気が迸っています。

まさに、死ぬまでにこれは観ろ!キャンペーンにふさわしい傑作と言えるでしょう。

https://youtu.be/h6hZkvrFIj0

Perfect Planのヴォーカリスト、Kent Hilliのソロデビューアルバムが素晴らしい

Perfect Planのヴォーカリスト、Kent Hilliのソロデビューアルバムが素晴らしい

Perfect PlanのヴォーカリストであるKent Hilliがソロアルバムをリリースする、という報せを聞いたとき、まず私の頭をよぎったのは(ペース早くね?)という疑問でした。

というのも、去年、2020年にPerfect Planの2ndアルバムをリリースしたばっかりだったからです。Kent Hilliはバンドでもほとんどの作詞作曲に関与しています。今回のソロアルバムも共作も何曲かあるとはいえほぼ自分で書いているので、作品発表の間隔が短いことが気になりました。

創作意欲の表れか、ちょうど今なにかがキていて勢いが留まるところを知らない状態なのか。

ライナーノーツによると、来年にはバンドの3rdアルバムをリリースしたいというのだから、驚きのハイペースです。コロナ禍のせいで満足なライブ活動ができない結果、スタジオでの新曲制作が捗っているという、皮肉な背景もあるのでしょうが。

Kent Hilliのソロアルバムと記述しましたが、より正確性を期すならば、本作のプロデュースとすべての楽器パートを担当したMichael Palaceとのコラボ作品である、ともいえるでしょう。

Kent Hilliがアコースティックギター弾き語りの楽曲データをMichael Palaceへと送り、それをもとにMichael Palaceが楽器隊の音を肉付けし、曲に仕上げたのですから。

すべてのサウンドをMichael Palaceが手掛けた、というのがミソですよね。本作の強みはここにあります。Michael Palaceのサウンドが好きなんですよね。特にギターの音色が。きらびやかで華のある音色の響きがたまらないんですよ。

Kent Hilliが書いた強力な楽曲が、Michael Palaceの音色で彩られる。想像しただけで垂涎モノですし、実際に手元に届けられたアルバムの出来は期待以上でした。キーボードやギターが華々しく活躍する、ポップかつキャッチーなハードロック。

マルチプレイヤーがひとりで音作りすると、無駄が削ぎ落とされすぎて淡白な音になったり、得意な楽器と必要最低限はこなせる楽器で差が大きくて音が詰めきれなかったり、プロダクションが拙かったりして、甘いところが悪目立ちしがちなんですけど、それも皆無。

これが発端となってこのふたりが中心の新プロジェクト立ち上がったりしないかな、と夢想したくなるほどの快作です。

北欧スーパー・メロディック・ロックバンドCrowneのデビューアルバムが凄すぎる

北欧スーパー・メロディック・ロックバンドCrowneのデビューアルバムが凄すぎる

2021年6月、Art Nation、H.e.a.t、The Poodles、Europeといったスウェーデンのメロディアス・ハードロック・バンドのメンバーが各1名ずつ集まって結成されたスーパー・バンド、Crowneのデビューアルバム『Kings In The North』が発売されました。

3月にこのバンドの結成と同時に新曲”Mad World”が挨拶代わりに公開されてからというもの、このCDの発売を心待ちにしていました。というのも、発表から発売までの間の約三ヶ月で、四曲がアルバムの発売に先駆けて順次先行公開されていったんですけど、そのどれもが素晴らしかったからです。

新曲を先行公開して注目を集めるからには、半端な曲なわけがないのですが、それにしても出来が良すぎる。それが四連発ですよ。こんだけ煽られたら、否が応でも期待感が高まり募ってしまいます。ハードル上がりまくりですよ。自分で自分の首を絞めるとはこのことか。

ようやく待ちに待った発売日に入手して早速聴いてみると、一曲目がアルバムのタイトルトラックだったのですが、これまで秘匿されていたこのタイトル曲が、先行公開曲によって上がりまくっていたハードルを軽々超えてくるという怪物っぷり。

最強タイトル曲で幕を開けて、怒涛の先行公開曲四連発とさらに畳み掛けて、そろそろここらでバラードを挟んで小休止かと思いきや、まだまだ続くアグレッシブな強烈ナンバー。手綱を緩める気ゼロ。

細かい駆け引きとか、緻密な組み立てとか、物語性のある曲の流れとか、そんなことガン無視で全力全開チューンを次々に投入、という豪快なアルバム構成。

めっちゃいい曲書けたから自分のバンド用にこれは残しとこ、みたいな腑抜けた出し惜しみは皆無。

いや、ホントのところはわからないので、勝手な妄想ですけども。さらにこの上を行く曲も書いていて、それは自分のバンド用にキープしている可能性も無きにしもあらずです。でも、そんなせこい考えで、こんな凄い曲だらけのアルバムは到底作れないと思うんですよね。

全員、自分の今のバンドや主な仕事を投げ捨てて、このCrowneに乗り換えようとしているのではないか、と疑いたくなるほどの気合の入りようです。

ただ豪華なメンバーが集結しただけじゃなくて、血気盛んな新進気鋭バンドのような、一発ドカンとかましてやるという野心が透けて見えるような、そんなメロディとサウンドが満載です。

欲を言えば、疾走系のかっこいい曲ばっかりなので、ポップで親しみやすいさわやかな曲やグッとくる情熱的なバラードなどもあったら、全方位完全無欠のアルバムになっていたのではないかと思いますが、まあこれはただの無い物ねだりでしょう。

果たして、W.E.T.のように、第二弾、第三弾はあるのか。Art NationやH.e.a.tの活動に支障をきたさない程度に、上手くバランスを取った継続的な活動を望みたい新たなスーパー・バンドの誕生です。