純正標準ズームレンズが万能すぎる

純正標準ズームレンズ万能説

この一本さえ持っておけば、他には何もレンズなど要らないのではないか。

せっかくレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラで趣味の写真撮影を楽しんでいるのにも関わらず、レンズ交換式カメラの醍醐味であるレンズ交換など不要なのではないかと思ってしまうほど、万能のレンズ。

それが、私の手持ちの一本、EF-S18-135mm IS STMです。

EF-S18-135mm IS STMの素晴らしいところ

いわゆる便利ズームなどと、揶揄されることもある不遇のレンズですが、素晴らしいレンズですよ、これ。

大きくて迫力があるのに、見た目ほど重くなくてしかもお求めやすい価格、ってのがいいですね。

使っていて、確かに便利だなと痛感するところはあるわけで、誰が名付けたのか便利ズームとはよく言ったものだと感心しきりなのですが、ただ便利なだけではなくて、その実力は本物ですからね。

これ一本で、広角域から中望遠域まで対応できる

最高のセールスポイントは、誰がなんと言ってもこれ。広角端18mmから、望遠端135mmをカバーする、圧巻の焦点距離。

立ち位置を工夫しなくても、それぞれの焦点域の特色を活かした、バリエーション豊かな写真を記録することができます。

数年前、私が撮ってきた富士山の写真を例に挙げます。ほぼ同じ場所に立って撮り続けていた写真です。

そういえば、最近、富士山の写真、撮りに行ってないですね。イベントのついでとかはあるんですけど。今度、久しぶりに富士山撮りに行こうかな。

広角域の作例

焦点距離18mm。

夜明け前は空一面曇っていて富士山も見えていなかったのですが、夜が明け始めると同時に雲が割れました。ミラクル。うおー、すげー、と大興奮でシャッター切りまくり。

焦点距離27mm。

陽が上がるにつれて、雲海だけ残って雲は消え去るという奇跡。広角域なので、富士山と太陽を両端に入れて、ダブル主役。

標準域の作例

焦点距離50mm。

ズームして、撮りたかった富士山に焦点を。太陽が出てきて朝焼けが広がってきているんだな、と想像させたかったので、富士山を左端に寄せて、右端に朝焼けを。

焦点距離50mm。

下の街並みを削って、晴れてきた空を入れつつ、朝焼けも落ち着いてきたので、富士山の位置を微調整。

中望遠域の作例

焦点距離85mm。

主役の富士山にぐぐっとズームして、朝焼けの雰囲気も漂わせて。ホントは富士山をど真ん中にして、富士山のきれいな末広がりの稜線を入れたいのですが、朝焼けの様子も少しでも残したく。

焦点距離81mm。

シャッター切りまくった割に、日の丸構図を避けすぎていたことに気がついて、この日の主役である富士山をど真ん中に。下をもうちょい切って、空を広めに入れるべきでしたね。

手ブレ補正を搭載している

地味に嬉しいのがこれ。レンズに手ブレ補正搭載。

私の愛機Canon EOS 8000Dには、カメラ内手ブレ補正が搭載されていないので、レンズ側に手ブレ補正が付いているおかげで、失敗を少なくすることができます。

オートフォーカス駆動音が静か

普段写真を撮っているだけではこれといった恩恵はないですが、動画撮影時や、めちゃくちゃ静かなところで写真を撮るときには、ノイズが抑えられているので助かります。

申し分のない描写

拡大して隅から隅まで粗を探せば、いくらか気になるところも出てくるかもしれませんが、TwitterやInstagramなどのSNSに上げたり、ブログに載せたり、iPhoneの待ち受けにしたりするのであれば、これ以上何を望むものがあるというのでしょう。

しかも、けっこうボケますしね。下の作例のように。

単焦点顔負けのきれいなボケ味、素晴らしい。望遠端135mmで、前景と背景を入れたので、奥行き感もよく出ていると思います。

いや、うわさのLレンズとは一体どれほどすごいのかと、気にはなりますよ、そりゃ。フルサイズのカメラとの組み合わせやいかに。

でも、でかくて重くて値段も高いですからね。予算も厳しいですし、ガチすぎて、旅のお供にもキツイ。

そうなってくると、このEF-S18-135mm IS STM、ベストチョイスのひとつに挙がってくるはずですよ。コスパ抜群。

EF-S18-135mm IS STMのイマイチなところ

とまあ、こんな感じでとても使い勝手のいい素晴らしいレンズなのですが、もちろん弱点もあります。

万能であるということは、すべてが及第点である、ということです。ちょっとくらいの欠点には目をつぶってしまうほど、飛び抜けて強烈な魅力があるわけではないのです。

総合力が高くて致命的な欠点はないが、ちょっと物足りない。そんなところがあるんですよね。

F値が通しではない

このレンズのF値は、F3.5-5.6です。

F値はレンズの明るさのことで、F3.5-5.6とは何を意味するかというと、焦点距離18mmのときの最小F値は3.5で、焦点距離135mmのときの最小F値は5.6である、ということです。

18mm時にF値を3.5にしていると、ズームリングを回すと同時に、F値が勝手に変わっていってしまうのです。変えたくなくても。

プログラムオートや絞り優先オートで撮っているぶんには、カメラがその他の数字を自動で調整してくれるので、何ら問題はないのですが、問題はマニュアル撮影時ですね。

露出をバッチリ決めたあとで焦点距離を変えてしまうと、暗くなったり明るくなったりしてしまうので、再調整が必要になってしまいます。

逆に言えば、マニュアル撮影さえしなければ、F値が通しではなくても、不満はないでしょう。

レンズの明るさがやや暗い

上でも述べたとおり、このレンズのF値は、焦点距離に応じて、3.5から5.6が最小値となります。このF値が小さければ小さいほど、明るいレンズであるといえるわけです。

いわゆる大三元レンズと呼ばれるF2.8通しズームや、F1.4やF1.8といった次元の違うF値を誇る単焦点レンズが、なぜもてはやされるかというと、めちゃくちゃ明るいからなのです。

レンズが明るいと、背景や前景がボケやすいのと、暗いところでもISO感度を下げれたり、シャッタースピードを稼げたりするので、画質や表現にその違いが現れるのです。

明るいレンズは大概、でかくて重くておまけに高いのですが、めちゃくちゃ明るくて写りも抜群なので、崇め奉られてるんですよね。

そのせいで、F値が変動するズームレンズは、便利ズームなどと揶揄されることになっちゃうんですよねぇ。F2.8通しや単焦点レンズが明るすぎるだけであって、標準ズームが暗いわけではないと思うんですけどね。

まとめ

以上を踏まえて、簡潔に結論を述べます。

EF-S18-135mm IS STMはこんな人におすすめ

  • レンズ一本で、幅広い撮影状況に対応したい
  • レンズに手ブレ補正がほしい
  • コスパ抜群のレンズがほしい
  • レンズに明るさを求めていない
  • F値が通しではなくても別に気にならない

以上五点。すべて当てはまるのであれば、EF-S18-135mm IS STMは、きっとあなたの写真撮影活動において、最高の相棒となることでしょう。

京都で紫陽花の名所を巡ってきた

紫陽花の見頃

紫陽花の見頃は、地域や天候により多少前後しますが、6月の上旬から7月の上旬にかけて、このあたりが一番見応えのある時期でしょう。

ちょうど梅雨入り期間に当たってしまうのがネックですね。天気が悪い確率が高くなってしまうので。

6月の上旬、今年はまだ梅雨入り前でしたけど、京都で紫陽花の名所を巡ってきたので、そのときに撮った写真を投下していきます。

京都で紫陽花巡りを楽しむ上で注意すべき点

点在しているので移動に時間がかかる

京都で紫陽花の名所を巡る上で注意すべき点としては、点在しているため移動距離と移動時間が増えてしまい、損をしてしまうということですね。

紫陽花にこだわらないのであれば、京都にはいくつもの名所が、エリアごとに固まっているので。

可能な限り移動を減らして、まず一番の目当ての名所を訪れて、その近くから回っていく、というのが最も効率的だと思いますし。

今回の場合だと、朝イチで三室戸寺に参拝したのですが、本来であればそのすぐ近くにある平等院にも参拝したかったところ、紫陽花に重きをおいていたため効率の良さを無視して、次の目的地である柳谷寺がある長岡京市まで愛車を走らせました。

有料道路を利用して、普通に流れている想定で、約40分。そこを、すべて下道で移動したため、一時間強かかりました。初日は紫陽花の名所を巡ると決めた時点で、効率を度外視した結果です。

効率を重視すべきか、見たいものを重視すべきか

移動にある程度時間を取られるのは仕方ないと、最初からわかっていた上で計算に入れているのであれば、問題ないです。

一日で回れる名所の数は減ってしまうかもしれませんが、その分、一箇所一箇所を丁寧にじっくりと見て回ろう、という気分にもなりますしね。数を焦ると、せかせかと足早な参拝になりがちですし。

効率を追求しすぎて、あまり詰め込みすぎるのも、それはそれでちょっとどうなんだろう、という疑問もありますしね。仕事でもあるまいし。

余裕がなかったせいで、あのときもう少し落ち着いていればこんな構図もあったのにとか、露出をもうちょっといい感じに追い込みたかったとか、家に帰ってから悔やむようでは、なんのためにそこまで行ったのかという話になってしまいますからね。

今回の撮影機材

今回は、カメラ本体はCanonのデジタル一眼レフEOS 8000D、レンズは純正標準ズームのEF-S18-135mm IS STMの組み合わせで撮影してきました。すべてマニュアル撮影です。

今回参拝してきた京都の紫陽花の名所

三室戸寺

まず朝一番のお目当てとして向かったのが、宇治市にある寺院、三室戸寺です。京都の紫陽花といえば、まっさきに名前が挙がるであろう名所、それがこの三室戸寺です。

開門の10分ほど前に着いたのですが、開門を待って並んでいたのは約20人でしょうかね。紫陽花のピークはこの次の週だったと思われるので、ピークであればもっと混んでいたんだろうな、と想像しています。

三室戸寺で撮ってきた写真

ゆ〜とびさんのYouTube動画を見るようになって、前景や背景、主題や副題を、自分なりに試行錯誤するようになってきました。

可愛らしい蓮が一輪。蓮って、今まさにこれから咲こうとしている瞬間が、一番美しくないですか?

斜めから見る塔や寺社の屋根が好き。計算しつくされた様式美を感じます。

下の三分の一を切って、横構図にしたほうがスッキリしてよかったかな、とあとになって反省した一枚。

不動明王かっこいいですよねー。

楊谷寺

朝一番には三室戸寺に参拝しましたが、実は私がこの日一番楽しみにしていたのが、この楊谷寺でした。

Twitterのタイムラインに、紫陽花を浮かべた美しい手水舎の写真が流れてきて、それがこの楊谷寺の手水舍であると知ったのがきっかけです。

紫陽花の時季に京都を訪れるのであれば、ここは絶対に外せないな、と。

楊谷寺で撮ってきた写真

周りが人だらけだったので、人と人の隙間から、中望遠でぶち抜きました。

まったくの偶然ですが、龍とLeeが並んで写真に収まっているのがラッキーポイント。ドラゴンといえばリー。

ひと回りしてきたら、手水舎の周辺の人だかりが入山時より少なくなっていたので、スキをうかがって撮った一枚。

もうちょっと自分なりの構図を探すべきでしたね。思い切って龍を入れないとか。龍と紫陽花に固執してしまったような気がします。

廊下の脇にポツンとあった、紫陽花が美しい手水鉢。

もっと近づいてかぶりついて撮りたかったのですが、下に降りるための草履がひとつしかなくて、先に履いている人が夢中で譲ってくれそうな気配もなかったので、諦めました。

日本庭園を前にすると、とりあえず撮ってしまうこの構図。好きなんですよね、この構図が。

上の庭園の脇にさり気なく鎮座していた手水鉢。雅すぎる。

善峯寺

この日の最後に、京都市西京区大原野の山奥に鎮座している寺院、善峯寺に参拝しました。三室戸寺と並ぶ、京都でも屈指の紫陽花の名所です。

紫陽花の時季となるとここも外せないなという結論にいたり、楊谷寺から近いこともあってコースに組み込みました。

道が狭い上に曲がりくねっていて斜面も急なので、クルマの運転には気を使います。

善峯寺で撮ってきた写真

この見晴らし台の眼下に、思わず感嘆の声を上げてしまうほど、あたり一面紫陽花が咲き誇っていました。

紫陽花も半端なかったですが、斜面の上り下りも半端なかった庭園。足腰ガクガク。

よくまあここまで俺たち、登ってきたもんだなと。京都市内を一望する抜群の眺望。向こうの山は比叡山でしょうかね。

なんだかいいことがありそうな予感がする、ハート型の紫陽花。枯れかけてたのが惜しい。

濡れていてツルッツルで、下山する参拝客を恐怖のどん底に叩き落していた帰路。数回足を滑らせて、ハラハラしながら下りました。

紫陽花の時季の京都は比較的空いているのでおすすめ

京都で紫陽花巡りを楽しんできて、ひとつ誤算がありました。

これは嬉しかった誤算なのですが、想像していたよりも混雑していなかったことですね。

桜や紅葉の時季ほどではないだろう、とは思ってましたけど。

鎌倉の様子を見るに、京都の紫陽花の混雑もヤバイかもしれないと危機感を持っていたので、駐車場待ちの車列が全然進まないとか、人が多すぎてゆっくりできないとか、じっくり散策や撮影を楽しめないとか、そんなことはなかったので助かりました。

紫陽花のちょうど見頃となると、梅雨入りしていることがほとんどであるため、天気も悪いことが多くて客足が伸びにくい、というのもあるでしょうね。

この日は終始今にも降り出しそうな曇天で、パラパラと雨粒が落ちてくることはあったものの、本降りにはならなかったのでホッとしました。