H.e.a.tの輸入ライブ盤『Live At Sweden Rock Festival』を聴いた(観た)感想

H.e.a.tの輸入ライブ盤『Live At The Sweden Rock Festival』を聴いた(観た)感想

きっかけは、YouTubeのおすすめに上がってきた、一本の動画でした。

スウェーデン出身のメロディアス・ハードロック・バンド、H.e.a.tが所属するレーベルのearMUSICが、H.e.a.tが地元スウェーデンの2018年のロックフェス、Sweden Rock Festivalに出演していたときのパフォーマンス映像を、フルセット丸々無料公開してくれていたのです。

映像パッケージも発売しているのに、レーベルが一本丸ごと無料公開とは、珍しいですよね。太っ腹だなぁ、と感心しました。

昨今のコロナ禍の影響による無料公開だったのかもしれませんけど、それでも嬉しいじゃないですか。

観てみたら、広大な会場を埋め尽くす観衆を沸かせるパフォーマンスで、彼らの実力の確かさを改めて感じるとともに、やっぱりライブは良いなぁ、生でその場で体感したいよなぁ、としみじみ思ってしまいました。

2020年3月に予定されていた来日公演は、コロナ禍の影響により延期。振り替え日程の発表はまだですけど、大阪か東京のどちらかが金曜日か土曜日に振替になったら、観に行きたいですね。

YouTubeでライブを丸々一本観たあとに、Amazonで検索してみたら、この『Live At Sweden Rock Festival』は、国内盤がDVDで、輸入盤だとCDとBlu-rayのセットで販売されていました。

値段を見てびっくりしたんですけど、国内盤(DVD)は5000円、輸入盤(CD+Blu-ray)は2000円ちょいと、倍以上の開きがありました。

輸入盤のお買い得感が際立っちゃいますよね、こうなると。ライブCDのおまけにBlu-ray映像がついてくるって話ですからね。

輸入盤の映像ソフトを買うとなると、リージョンコードの違いで、プレイヤーで再生できるかどうかという不安がつきまとってしまうわけですが、こちらはレビューに日本国内のプレイヤーでも問題なく再生できたという報告があったので、なんの不安もなく注文できました。

ただ、MCは英語ではなく母国語で喋っているので、英語以外はなんと言っているのかまったくわかりません。国内盤であれば字幕付きでしょうが、DVDのみというのがネック。

どちらを選ぶか、悩む人もいるかも知れません。

あとは音質ですね。CDとBlu-rayとで、差が大きく感じました。CDのサウンドミックスに失敗したのか?と怪訝に思うほど、途中でガクッと音質が落ちます。序盤は何も問題なかったのですが。

Blu-rayやYouTube上の映像では、途中からの音質の低下は感じられませんでした。

なお、これは手元に届いてから知ったんですけど、Blu-ray独自の特典として、バックステージのダイジェスト映像と、8曲のオフィシャルMVが収録されていました。

これはアツいですよ。ただでさえCD+Blu-rayのお買い得感が際立っているというのに、さらなるダメ押しです。

H.e.a.tが好きならば、買わない理由を探すのが難しい輸入ライブ盤です。

YouTube動画をテレビで観たいがために、Google Chromecastを買った

生まれて初めて、テレビ画面でYouTube動画を観たくなった

動画投稿共有プラットフォームのひとつ、YouTube。そのYouTube、私は今まで、PCのブラウザで観るか、iPhoneのアプリで観るか、そのいずれかで満足しておりました。

テレビやBlu-rayプレーヤーにLANケーブルを指してインターネットと接続すれば、大きな画面でYouTubeを観ることができるとは知っていましたが、やってみようなんて考えたこともありませんでした。

かつてのYouTubeコンテンツは、画質や音質がイマイチで、あえて視聴環境の向上を図る意味が見いだせなかったんですよね。

それが、機材の進化と参入者の増加で、動画のクオリティはどんどん上がり、今や大画面やステレオでの再生に耐えうる画質や音質は当たり前となってきました。たとえ素人が撮影、編集し、投稿した動画であったとしても、です。

それに加え、ですよ。

B’zが公式チャンネル上に(期間限定とはいえ)広告無しで映像作品全23作品を無料で公開したかと思えば、ONE OK ROCKはライブ映像作品6作品の生配信を発表し、Mr. Childrenも25周年ライブの模様を前後編に分けて二夜連続で生配信と、YouTubeの存在感が否が応にも際立つ昨今の流れ。

もちろん、この流れは、新型コロナウィルスの蔓延を防止する自粛運動を応援するためのものであるわけですけど、この心意気が嬉しいじゃないですか。

で、早速B’zのライブ作品を再生してみたら、画質も音質も目いっぱいで公開されていたので、驚きました。少なくとも、DVDと同等のクオリティは確保されているでしょう。

品質絞らないの? マジかよ…。映像ソフトとは多少なりとも品質に差をつけて当然と考えていた自分の、なんと器の小さいことよ。

ここで、私の胸に、生まれて初めて、この思いが芽生えました。

テレビ画面でYouTubeが観たい、と。音も自慢のオーディオシステムから流せますしね。

Google Chromecastを買ってきた

最初は、LANケーブルを買ってきて、Wi-Fi親機から有線でBlu-rayプレーヤーと繋ぐ気でいました。それが一番安上がりで、通信の安定性も見込めると考えていたので。

買いに行く前に、そういえば妹がテレビでYouTubeを観ていたな、と思い出しまして、どうやっているのか聞いてみたところ、次のような答えが返ってきました。

「Google Chromecastを使っているよ。接続も簡単だし、スマホもリモコン代わりに使えて便利だよ」

完全に予想外の答えだったので、面食らいました。それと同時に、なるほどそういう手もあったのかと目からうろこの落ちる思いで、妹のアドバイスに素直に従いました。

木曜日でしたかね。仕事終わりに、職場と自宅の中間にあるケーズデンキに赴きまして、入口を入ってすぐのところに置いてあったGoogle Chromecastを買い求めました。

接続は、妹が言っていたとおり、メチャクチャ簡単でした。ただしこれには、条件がふたつあります。

ひとつは、Googleアカウントが作成済みであること。もうひとつは、Google Homeアプリがスマホにインストール済みであることです。

このふたつが済んでいるのであれば、Google Chromecastとテレビを接続後、アプリの「追加」メニューから追加するデバイスを選んでいけば、わずか数分で設定が完了します。

イチから全部だと、めんどくさく感じてしまうでしょうね。しかし、その後の手軽さ、便利さを考えると、多少の面倒には目をつぶってでも踏む価値のある手順です。

HDMIケーブルで繋ぐので、スマホでYouTubeを観ていて、「あ、この動画テレビで観たい」となったら、YouTubeアプリ上でGoogle Chromecastと接続すれば、テレビ画面も一瞬でYouTubeに切り替わるんですよ。

しかも、動画視聴中にスマホ上のアプリをYouTubeからTwitterに切り替えても、テレビ画面ではYouTubeの再生を続行。YouTubeを観ながら、他の操作もできる。この手軽さと便利さは素晴らしいですね。

いやぁ、良いものを教えてもらいました。感謝。

B’zのBlu-ray『LIVE-GYM 2019 Whole Lotta NEW LOVE』を観た感想

B’zのBlu-ray『LIVE-GYM 2019 Whole Lotta NEW LOVE』を観た感想

2020年2月26日、B’zの日に、2019年に開催されたアルバムツアー、『LIVE-GYM 2019 Whole Lotta NEW LOVE』のライブ映像ディスクが発売されたので、地元のCD屋さんで買ってきました。

このディスクには、2019年7月31日のさいたまスーパーアリーナでの公演の模様を完全収録に加え、ボーナスとして、その前日に披露された三曲の日替わり曲と、ツアーダイジェスト映像があてられた”兵、走る”の計四曲が追加収録されています。

今回のツアーでの最大のトピックは、なんといっても長年の付き合いの阿吽の呼吸のサポートメンバーの一新、これに尽きるでしょう。

まず最初にTwitterのタイムラインでその情報を見たんですけど、公式で確認するまで、絶対ガセネタだと思ってましたからね。信じられなかったですし、衝撃でした。

自分は『MAGIC』のツアーからLIVE-GYMに行くようになったんで、30周年ツアーのHINOTORIまでずっとあのサポートメンバーでしたから、もはやサポートというよりも準メンバーという感覚を抱いていましたし。

おふたりも、そういったところに危機感を覚えたのかもしれません。

馴れ合いやなあなあのつもりはなくとも、気心の知れたいつものメンバーに、知らず知らず甘えてしまっている自分たちに気が付がついて、なんとかしなければならない、と思い至ったのでしょう。

マンネリを打破し、新しい刺激でもってB’zをアップデートする、そんな覚悟での、サポートメンバー一新だったに違いありません。

LIVE-GYM 2019は、6月8日からスタートして9月10日に終わっているので、今回収録されたさいたまスーパーアリーナ公演は、ツアーのちょうど中盤になります。

新メンバーの暗中模索の手探り状態から始まったツアーが、回数を重ねるたびにお互いの理解が深まり、バンドがどんどん出来上がっていっている様子が収められています。

恐るべき仕上がりの早さですよ。メンバー一新して一本目のツアーの中盤とは、にわかには信じがたいステージ進行です。ツアー開始前のリハーサルの段階から、相当追い込んでいたんでしょうね。

あと、メンバーの変化が音に現れているのを直に感じられて、奏者が変われば音も変わるって本当だったんだな、と興味深かったですね。

特に顕著だったのがベースですね。Mohini Dey。タッピングやスラップなどの派手な技巧もさることながら、5弦ベースだからなのか、階調と表情の多彩な、この目で見てもベースとは信じがたい音色には驚かされました。まるで、キーボードやオルガンのソロのような音色に聴こえる瞬間があるんですよね。

私は7月上旬に大阪城ホールで開催された1000回記念公演を観に行ったんですけど、その時と今回収録されたさいたま公演での大きな違いといえば、新曲”きみとなら”の追加でしょう。

これがまた、良い曲なんですよねぇ。ドラマ主題歌採用も納得の仕上がりです。心が温かくなるような、ピュアで前向きなメロディがたまりません。

次のアルバムの目玉曲でしょうかね。アルバム収録を見送るのであれば、配信限定でもいいのでリリースをお願いしたいところ。

今回のツアーは、B’zにしては比較的小さな会場での公演が多かったためか、代名詞ともいえるド派手なステージ演出は控え目だったんですけど、それがまた楽曲を全身で浴びることに集中できて、良かったです。

ドームや野外スタジアムの迫力もいいんですけど、アリーナ公演には、それとはまたひと味違った魅力があります。

それにつけても、近年のB’zの楽曲の充実は目を瞠るものがありますね。

個人的には、青春時代に聴きまくっていた、『RISKY』から『SURVIVE』の頃の、いわゆる黄金期のデビュー10周年までが、思い入れもあって一番好きな時代なんですけど、その頃の名曲、名作ともタメを張れる充実の楽曲群は圧巻です。

前作『DINOSAUR』も粒ぞろいでしたけど、今作『NEW LOVE』もそれに負けず劣らずの力作。

30周年を過ぎて、普通ならこれでひと区切りと落ち着くところを、周囲の予想を良い方向に裏切って前を向いて突き進む、その姿勢には頭が下がります。

正直なところ、ずっと聴き続けていたわけではなくて、一時心が離れていた時期もあったんですけど、B’zが好きで良かった、戻ってこれて良かった、心からそう思うばかりであります。

東京は代官山のライブハウスSPACE ODDで、デンマーク出身のロックバンドH.E.R.O.の単独来日公演を観てきた

東京でH.E.R.O.のライブを観てきた

東京で、デンマーク出身のロックバンドH.E.R.O.のライブを観てきました。

ライブを観るのは、半ば諦めてたんですけどね。どうせ名古屋スルーで、下手すりゃ東京のみでしかも平日開催でしょ、と。

Harem ScaremやFair Warningクラスであれば、まだ大阪や東京や川崎での土曜日公演にも希望が持てるんですけどね。

それが蓋を開けてみれば、東京と大阪の二公演で、そのうち東京はまさかの土曜日開催と、嬉しい誤算でした。これは行くっきゃねぇ。

ライブ開催時期的に、大寒波とかち合って首都圏の交通網がマヒ、というのが想像しうる最悪のシナリオだったんですけど、スキー場が雪不足を嘆くほどの暖冬のおかげで、杞憂に終わりました。

それにしても、HOKUO LOUD NIGHT 2018に出演後のH.E.R.O.の勢いは、とんでもないですね。

Slashのサポートに抜擢、念願のアルバムデビュー、五大都市来日プロモーション敢行、シングルがラジオ各局でパワープレイ、まだアルバム一枚しか出していないのに単独来日公演決定、その公演日の直前に2ndアルバム『Bad Blood』のリリースも決定。

シンデレラかな。

会場は代官山のSPACE ODD

代官山というよりは渋谷駅にほど近い住宅街のど真ん中に、その会場SPACE ODDはありました。壁がレンガ造りだったり、ロゴに間接スポットが当たっていたりと、場所柄かおしゃれな会場でした。

ライブ前の寄り道が響いて、開演30分前に会場に着いたんですけど、まだ入場途中で、しかも外に並んでめちゃくちゃ待っていたので、驚きました。さすが、東京の土曜日公演。

私が入場したときで、200番まで案内していたので、観客は300人ほどでしょうか。

チケットを発券したときは、その整理番号の若さから大丈夫かなと心配していたのですが、余計なお世話だったようです。

ロッカーに上着を押し込んでTシャツを着てフロアに降りると、すでに結構いっぱいで面食らいました。まあそうですよね、すでに200人近く入ってるんですから。六本木の隠れ家カフェで微睡んでいる場合ではなかった…。

前の人の背が高くて思うようにステージが見えず、ちょっと場所取りミスったなぁと凹みながら、ビールを飲んで開演を待つのでした。

いざ開演、H.E.R.O.のライブ

18時過ぎ、予定時刻をやや過ぎたところでステージが暗転し、ついにH.E.R.O.のライブが幕を開けました。

まだアルバム一枚しか出していない段階での単独公演ということで、普通にやったら尺が足りないのは明らかなので、2ndからの新曲を数曲お披露目と、自身のルーツ的な楽曲を何曲かカバーして、それでなんとか15,6曲ほどのセットリストを組むのかな、と予想していたんですけど、そんな浅い予想は完全に裏切られました。

2ndからは、先行シングル”Avalanche”のみ。カバー曲も無し。すべて自分たちの楽曲。

それでいて、よくあるヴォーカルがアコースティック弾き語りの間にリズム隊は休憩とか、リズム隊のジャムセッションの間にヴォーカルは休憩とかも無し。メンバーみんな出ずっぱり。いいですね。みなぎるやる気、あふれる男気を感じます。

MCが長すぎたり、アコースティックセットを設けたりも無し。かといって喋らないというわけでもなく、淡々としすぎず中だるみもせず。声もよく出ていましたね。存在感のある美しいハイトーン。ライブの重低音にも埋もれずにストレートに飛んでくる。

アコースティックセットがなかったのは、寂しく感じた人もいたでしょうね。バンドのフレンドリーさを直に感じられるひと幕なので。声がいいので、アコースティックとの相性の良さはたやすく想像できますしね。

自分はできればオリジナルに近い、かといってアルバム音源そのままではないライブならではのアレンジが聴きたいので、アルバム音源の再現性は高めながらも、ライブならではの味付けも感じられた今回のステージ進行は、大歓迎の流れでした。歌詞をちょっといじって観衆を沸かせたりとかですね。

Slashのサポートの際のライブ動画が公式YouTubeに上がっているんですけど、そのときはステージ上のアクションはあまりなくて、音源に忠実な再現を目指している印象を受けたんですけど、近年まれに見る勢いでキャリアを駆け上がった中で変革があったのか、動きが出てきて聴衆を惹きつけるステージングに進化していました。

今後、ライブを重ねて、どんどんかっこいいバンドになっていくんでしょうね。

うまく行けば、年内の再来日も全然ありますよね。楽しみですよねぇ。まずは4月に発売される2ndアルバム『Bad Blood』を心待ちに、H.E.R.O.からのさらなる吉報を待ちます。

定時ダッシュして、名古屋でLast Day Before Holidayのライブを観てきた

Last Day Before Holiday復活!? ライブを観に名古屋へ

2019年の暮れも迫った12月上旬、TwitterのTLを眺めていたら、思わず目を疑うような告知が飛び込んできました。

イタリアのポップ・パンク・バンド、Last Day Before Holidayが復活して、しかも来日ツアーを開催するというのです。それも、五夜連続四都市で。

チケット代も安い。3000円にドリンク代。神か。招聘者は神なのか。

そのうちの名古屋公演が金曜日開催だったので、これは定時ダッシュかましてライブ会場にチョッコーするしかねぇ、とテンションブチ上がりまして、駆けつけてきました。

画像はPixabayより

久しぶりに定時ダッシュ

ライブの前の週あたりから、職場の機械の調子が今ひとつで、計画の消化が捗らず定時オーバー、というのが何日かあったので、いやこれ大丈夫かとちょっと不安だったのですが、当日は何事もなくすんなりと仕事を終えまして、無事に定時ダッシュできました。

定時ダッシュでライブ会場に直行、久しぶりにやりましたけど、しんどいですね、やっぱり。

行きの電車では座れたのでしばしうたた寝してしまい、ハッと起きたときには大府を出発するところで、「大府って金山の前だっけ、もう過ぎてるっけ?」と一瞬パニックに。

うたた寝程度で済んで助かりました。大垣行きの電車に乗っていたので。気がついたら大垣だったとか、シャレにならないですからね。

今回は開演が20時だったので時間に少し余裕があったんですけど、それでもゆっくり食事を摂れるほどの余裕はなかったです。

結局飲み物しか口にできずに、腹を空かせたまま会場で受付。

バーカウンターでビールを頼んだら、待っている間にタイムテーブルが載っていることに気がついて、それによると終演21時半とあったので、終電は余裕だなとのんきに構えてたら、まさかの延長に次ぐ延長で、終電逃しちゃいました。

いつになくノリノリでクレイジーな名古屋の観客

当初21時半終演の予定だったのに、バンドが予定を変更して次から次へと延長した理由のひとつは、間違いなくこれでしょう。

ここ名古屋だよな? と今一度確認したほど、いつになくノリノリでクレイジーな観客。この反応の良さに、バンドの気分もアガっちゃって、引っ込みがつかなくなってしまったのでしょう。

正直なところ、バンドの仕上がりは、今ひとつだったんですよね。ハードスケジュールのせいなのか、サウンドの追い込みや、全体的な完成度の底上げに、リハーサルが足りないのではないかと感じました。

でも、めちゃくちゃ楽しかったんですよ。

今まで、こんなにも心底ハッピーで満ち足りたライブがあったかな、と考えて、いや思い当たらないよな、と納得してしまうほど、底抜けに楽しかったんです。

ライブへの満足感を決めるのは、バンドのパフォーマンスの完成度だけじゃないんだな、と実感しました。

あの日、あの会場にいた観客は、果たして何人だったんでしょうか。四十人、いや、三十人いたかどうか…。それが、会場の大小、観客の多い少ないなんて、そんな細けぇことどうでもいいじゃねぇか、そんな盛り上がりをみせたんですよね。五十人にも百人にも感じるような。

あの日あの場に居合わせた人、みんな終生のマブダチ。そんな連帯感、多幸感が溢れんばかりでした。いつもは鬱陶しいなと毛嫌いしているモッシュやダイブですら、微笑ましく眺めていられたくらい、幸せだったのです。

あのサイズの箱ならではの一体感でしょうね。

延長に次ぐ延長のおかげで、好きな曲全部聴けたのでもう大満足です。これでチケット代3000円は安すぎる。神。

フロアが明るくなったので、もうさすがにこれで終わりかと、会場を出てエレベーターに乗り込んだら、扉が閉まる直前に歓声が沸き上がったので、もしかしたらさらなる延長があったのかもしれません。

どうせ終電を逃すのなら、もうちょっと留まってればよかったな、とちょっぴり後悔しました。

終電ダッシュで一本遅れて間に合わず、金山から蒲郡まで立ちっぱなし。これが堪えるんですよねぇ。腹減った、疲れた、足痛い、でも楽しかったなぁ、そんなことを心のなかでつぶやきながら、帰路についたのでした。