Måneskinの最新配信シングルは王道のロック・バラード!

Måneskinの最新配信シングルは王道のロック・バラード!

2022年10月7日、日本時間午前9時。

Eurovision 2021を制してからというもの、あっという間に世界的ロックバンドへと登り詰めたイタリアの雄、Måneskinの最新配信シングル”The Loneliest”が公開されました。

早速聴いてみたところ、これがまた奇をてらわないストレートな王道ロック・バラードだったので驚きました。

Måneskinはこれまでにも何曲かバラードを歌っていますが、いずれもイタリア語詩だったり、発声が巻き舌で圧が強かったりして、彼らならではの強烈な個性を前面に押し出してきていたので、落ち着いてじっくり聴き入るようなサウンドやメロディとはまたひと味違っていたんですよね。

それがここへ来ての王道ロック・バラードですよ。外部ライターとしてDiane Warrenが共作で参加してたりするのか?と一瞬思っちゃうような。

Aerosmithでいう”I Don’t Want To Miss A Thing”みたいな。

これは素晴らしい。

シンプルなメロディが二度三度と繰り返されるうちに次第に熱を帯び、いつもより個性を抑えた歌唱なのに不思議と切々と胸に迫り、ここぞというタイミングで放たれる豪快な音で鳴くギターソロも圧巻。

トーマスのギターはいつものストラトだろうと思いますが、ストラトでもこのような音が鳴るのかと目を見張るような轟音です。このギターソロをスキップする人はいないでしょう。

ダミアーノの歌声がいつもより個性控えめなのは、そうすることで自分としてはいつも通りのつもりだけど傍からみたら何かが違うどこかがおかしいという、大事な人の死を悼んで悲しみに打ちひしがれているさまを表現しているのだろうと想像していますが、誰にいわれるでもなく自分で考えてそうしているのだとしたら、ハタチそこそこの若さにして恐るべき自己プロデュース能力の高さと表現力の豊かさです。

私、僭越ながら彼らの将来を心配していたんですよね。

いきなり世界中で爆売れしたことで、イケイケだったインディーズ・ロックバンドがメジャーデビューした途端小綺麗に小さくまとまってつまらない音になっちゃった状態に陥ってしまうのではないかと。

まったくもって余計なお世話でした。

だって、ブレイク後の配信シングル曲、どれも素晴らしいですから。

この調子なら次のアルバムも傑作に決まってますから。

楽曲がいいだけでなく、パフォーマンスの凄さもサマソニでZOZOマリンスタジアムを熱狂させたことで証明されていますからね。

サマソニやフジロックのヘッドライナーに登り詰めるのも時間の問題でしょう。

Måneskin – The Loneliest

https://rollingstonejapan.com/articles/detail/38511/1/1/1

映画『グレイテスト・ショーマン』を観たら、感動と煩悶で板挟みになってしまった

映画『グレイテスト・ショーマン』を観たら、感動と煩悶で板挟みになってしまった

YouTubeのおすすめに映画『グレイテスト・ショーマン』の撮影開始直前のワークショップの模様を収録した動画が上がってきて、そういえばこの映画話題になったけどまだ観てなかったなと興味半分でクリックしてみたら、めちゃくちゃソウルフルな熱い曲を絶叫するようにメインキャストたちが合唱してて(何だこれ、凄いな。『天使にラブ・ソングを』を観た時に似た感動がこみ上げてくるぞ…)と度肝を抜かれた私は最寄りのツタヤに走り、Blu-rayを借りてきました。

早速ソフトをプレイヤーに投入して視聴開始したのですが、のっけから掴みが凄まじく、圧倒されました。

このオープニングはすごいな…。『ボヘミアン・ラプソディ』の”Somebody To Love”に匹敵するかもしれない…。

早くも興奮を覚えながらもそんなことを考えてるそばから物語はテンポよくずんずん進み、次から次へと感動的な神曲が流れてきます。既発のヒット曲に頼らずに、映画のためのオリジナル曲ばっかりでこのクオリティはとんでもないな…。

少々(んん?)と疑問に感じるところもあったのですが、曲の素晴らしさにとりあえず些事は流して感動に打ち震えていました。

ここまでは良かったんですよ。問題はここからです。

胸一杯の感動に大満足の私は続けて二回目を視聴したのですが、そこで初回時にとりあえずスルーして打ち捨てていた些事が妙に気になり引っかかり、胸に残るしこりがどんどん大きくなっていったのです。

(これは…いいのか…?いや、いかんでしょ。でも曲は本当に圧倒的に素晴らしいんだよなぁ。でもなぁ。この展開はどうなんだろう…?しかしこの楽曲群はほんと凄まじいな…)

交互に押し寄せる感動と煩悶に、板挟み状態になってしまいました。

なぜこんなにも悩み悶えるのか。

似てるんですよね。

この前年に公開されたアニメーション音楽映画『シング』に。

『グレイテスト・ショーマン』の主人公P.T.バーナムは実在の人物で、『シング』の主人公バスター・ムーンのモデルもそのP.T.バーナムらしいので、ある程度似かよるのは当然かも知れませんが、それにしてもというくらい似てるのです。

初めて観たときは(なんか似てるなぁ…)程度だったんですけど、二回目はストーリーの流れから場面場面から(やけに似てるなぁ…)と事あるごとに引っかかりました。

それと同じくらい、(まあまあ、ストーリーが多少似てるとかそんな細かいことどうでもいいじゃない)といわんばかりに超名曲が続々と流れてきて一瞬忘れさせられては、曲が途切れるたびにいちいち引っかかり、曲が流れ出すとまた些事など忘れて。

振り幅がデカすぎて、整理がつかなくてわけがわからなくなっています…。

初めて観たときは『シング』が大好きな人にはたまらない映画だろうと思いましたが、二回目を観たら『シング』が大好きな人には逆に受け入れられないかもしれないと思い直したり。

劇中歌は最近のPanic! At The Discoに近い雰囲気があるので、Panic! At The Discoが好きなら間違いなく感動するでしょう。ひょっとしたらライブでもないのに泣くかもしれないくらい感動的な歌ばかりです。

未だ混乱が収まらず自分の中で上手く折り合いがついていませんが、このサントラに収められた名曲群と出会えたことには心から感謝しています。

『シング』を観る前に映画館の音響で観たかったなぁ…。

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One OK Rockの新譜『Luxury Disease』の国内盤と国際盤を聴き比べると、なるほど贅沢病とは言い得て妙だなと腑に落ちる

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自覚はなかったのですが、どうやら知らず知らずのうちに病にかかっていたようです。

贅沢病という病に。

先日、One OK Rockの新譜『Luxury Disease』の国内盤と国際盤が発売されたので両方ともCDを買いました。

町のCD屋さんの売り場面積がガンガン縮小し、名古屋の有名中古CD屋さんが閉店を発表し、CDの買取停止を宣言する有名チェーン店が出てきたこのご時世に、同じアルバムのちょい仕様違いを両方とも買いました。

薄々、両方ともほとんど同じ内容なんだろうな、と想像しながらも。

ええ、想像ついてましたよ。もちろん、想像ついてましたとも。

前作も前々作もその前のアルバムも国内盤も国際盤も買ったので、リリースを重ねるにつれて加速していくとある傾向から、今回もその方向だろうなと予想していながらも、いい意味で裏切ってくれていたら嬉しいなと一縷の望みを抱きながら買いました。

残念ながら予想通りだったわけですけども。世界一かっこいいロックバンドを自称するならば、いちファンの予想なんて軽くぶっ千切ってほしいところなんですけども。

ワンオクが国内盤と国際盤の両方を発売するようになったのは、2015年のアルバム『35xxxv』からです。海外での活動にも力を入れはじめた時期ですね。

その頃はまだ良かったんですよ。国際盤が後発だったこともあってか、国内盤では日本語の歌詞が多かったり、新曲が追加されていたりと、はっきりと区別化がされていたので。

海外での活動に際しメロディック・パンクやエモに強いFueled By Ramenと契約し、より海外指向が強まっていくのですが、皮肉なことにその結果として国内盤と国際盤の差異も小さくなっていってしまいました。

すぐに分かる差異といえば、日本語詩があるかどうか、ゲストが参加しているかいないか、収録曲が数曲異なる、ジャケットのデザイン違い、これくらいでしょうか。

もっと細かくチェックしていけば、もしかしたら参加ミュージシャンが違うかもしれませんし、アレンジも若干違うかもしれませんし、関わっている編曲者やプロデューサーも違うのかもしれませんが、目を皿のようにして探さないとわからないレベルの違いとなると、もはや意地悪な間違い探しみたいですよね。

ついつい(これ、国内盤と国際盤、二枚出す意味ある?)と不満をこぼしたくなってしまうのも無理からぬ話でしょう。

それなら、どっちか一方だけ買うか、もう買うのやめれば?と思う人もいるかも知れませんけど、違うんですよね。そういうことじゃないんですよ。

好きなんですよ。彼らの音楽が大好きだから、ほとんど同じ内容のアルバムを二枚も買ってるんですよ。ほとんど同じだろうけど予想と違ってたら嬉しいなと思いながら。

わかりませんかね。この複雑な胸の内。

しかし、このことについて不満げな人が、他に全然見当たらないんですよね。

もしかして、両方とも買うのって圧倒的少数派?みんなどっちかしか買わないとか?

そんなことないと思うんだけど。ワンオク目当てにサマソニ行った同僚の奥さんも両方買ったって聞いたし。

っかしいな〜。私だけなのか?みんな本当になんとも思ってないの?心広すぎじゃない?

私が贅沢すぎるんだろうか。せっかく国内盤と国際盤とリリースするなら、もっと差別化してほしいと願うだなんて。

感謝の心が足りないんでしょうか。欠けてるんでしょうか。

そうか。感謝を忘れて、贅沢に溺れてしまっていたのか。

まるで自覚はなかったけど、知らず知らず贅沢病にかかってしまい、彼らへの要求水準が跳ね上がっていたのか…。

コロナ禍を経て二年以上越しでついに開催されたEclipseの来日公演を大阪で観てきた

コロナ禍を経て二年以上越しでついに開催されたEclipseの来日公演を大阪で観てきた

元々は2020年4月に予定されていたEclipseのViva La VicTOURia来日公演ですが、コロナ禍により同年10月に一度延期された後、更に2022年への振替が発表され、果たして本当に開催されるのか、このまま開催されないのではないかと不安になったこともありましたが、2021年にさらなる新アルバム『Wired』のリリースを経て2022年9月にRewired Tour 2022としてついに実施されました。

大阪公演が日曜日だったので、翌日の仕事のことを考えて一瞬怯んだものの、好きなバンドのライブが観れるなら行くっきゃないと新幹線に飛び乗りました。

最後に大阪に行ったのは2019年10月のMidnite Cityの大阪公演なので、約三年ぶりですね。

約三年ぶりの大阪行きにあたって、サマソニで失敗した食事を中心に予定を組みました。

ハードロックカフェで着きつけ一杯、南堀江のレコード屋さんでThe 1975のTシャツ購入、暑かったので喫茶店に避難、喫茶店で涼んでたら寒くなってきたのでわなかでたこやきを食べ、やっぱり暑いので喫茶店で涼んで、とフラフラしてたら開演時間が近づいてきたので会場に移動しました。

会場の入口がちょっと分かりにくかったのでしばしウロウロと不審者してしまいましたが、EclipseのTシャツを着た方が階段を降りていくところを見かけてあとをついていきました。地下だったのか。

観客の入りは8〜9割くらいでしょうか。バーカウンターでハイボールを頼んで、ちびちび飲みながら開演を待ちました。地下フロアだからか、天井とフロアの隙間が狭くて、ステージが観にくいような印象を受けましたが、いざ始まってみればいつしか気にならなくなっていました。

前回の来日公演からアルバムを二枚出しているため、最近の曲中心のセットリストです。もう”Bleed And Scream”や”SOS”、”Wide Open”などはレア曲になっていくのでしょうね。寂しいですが…。

Eclipseの曲はサビのコーラス部分などで声を挙げてシンガロングしたくなる曲が多いので、声を出せないのはもどかしくも辛くもありましたが、やっぱりライブはいいですね。

久しぶりの来日公演にテンションが上っているのか、楽しそうにはっちゃけている面々を見るのも微笑ましくて嬉しくなりますし、ライブハウスで全身に浴びる生音の迫力も気持ちいい。

ライブハウスは、フロアから足の裏を伝わって心臓まで響いてくるドラムの鼓動が最高なんですよね。

家や車で音楽を聴いているときはヴォーカルやギターやピアノ、キーボードなど華やかな中音域に耳が引かれてしまいますけど、ライブを観るとなると不思議とベースラインやドラミングが気持ちいい。

前回の来日公演を観たときに、Erikってけっこう客席にマイク向けてくるんだなと思った印象が残っているんですけど、今回はその手が使えないので自分で全部しっかり歌ってて、歌をじっくり集中して聴けるので声出し禁止も悪いことばっかりじゃないな、なんて感じてしまいました。

公演内容がややコンパクトであっさりめにも感じましたが、あとでセットリストを確認したら20曲演っていたのでそれは完全に気のせいで、それだけ体感時間の短くなる楽しい時間を過ごしていた、という何よりの証拠でしょう。

最高でしたね。好きなバンドがライブが上手いと至福です。

ライブアルバム+DVDの『Viva La VicTOURia』を観たり聴いたりして余韻に浸りながら、新作の発表と再びの来日を楽しみに日々を過ごしています。

H.E.R.O.のChrisとPretty MaidsのKen Hammerが組んだTabooの1stアルバムがまるでH.E.R.O.の4thアルバムみたいになっていて驚いた

H.E.R.O.のChrisとPretty MaidsのKen Hammerが組んだTabooの1stアルバムがまるでH.E.R.O.の4thアルバムみたいになっていて驚いた

どちらもデンマークのロックバンドである、H.E.R.O.のヴォーカリストであるChrisとPretty MaidsのギタリストであるKen Hammerが組んだプロジェクトTabooが発足したというニュースを初めて聞いた時、私はただ(へぇ)と思っただけで、あまりピンときていませんでした。

Pretty Maidsはベストアルバムを持っているだけで、H.E.R.O.はこれまでに出た3枚のアルバムを持っていて来日公演も東京まで観に行っている大好きなバンドですが、このふたりが組むという字面を見ただけでは実像が上手く浮かんでこなかったからかもしれません。

最初のその反応からも容易に推察できるように、こんなこと言ったらあれですけどあんまり興味なかったんですよ。CDを買うかどうかも迷っていましたし、スルーするかもしれないなと思っていました。

それがですよ。

アルバム発売に先駆けて公開された新曲を何曲かYouTubeでチェックしてみたら。

びっくり仰天というか目からウロコというか。

イントロを聴いてずっしりと重心の低い硬質なバンドサウンドの北欧メタルか、なんて思ってたら、Chrisが歌い出した途端まるでH.E.R.O.みたいなポップで親しみやすい鮮烈な歌メロをぶちかまされて、頬を叩かれたような衝撃を受けました。

なんじゃこれ??

Chrisが歌い出した途端、美味しいところを全部持っていっちゃってるじゃないか!

ふたりでスタジオで相談や提案し合いながら制作していたらしいですけど、これKen Hammerは頭を抱えてたんじゃないですかね。どう頑張って音を作っても歌に入ったらChrisに持っていかれちゃうので。

インタビューには”コーラス部分はH.E.R.O.の1stや2ndから出てきたような感じ”と載っていましたけど、それどころじゃないですよこれは。

Ken Hammerも随所で印象的なトーンを響かせたギターソロで意地を見せているんですけど、歌に戻ったらそのすぐそばからChrisが自分色に染め直してKen Hammerの渾身のプレイが無力化されているので、呆気にとられるほかありません…。

Chrisの歌力が凄すぎる。

H.E.R.O.が好きになったのもChrisの歌声に惚れ込んだからという側面があるので、私がChrisの歌声に弱いというのは前からですが、それにしてもこの存在感とパフォーマンスは圧巻です。

H.E.R.O.のChrisとPretty MaidsのKen Hammerが組んだスーパー・プロジェクト、という触れ込みだったのに、いざ聴いてみたら実質H.E.R.O.の4thアルバムみたいになってしまっていたとは…。

Taboo – Taboo

https://gekirock.com/interview/2022/09/taboo.php