Stoneflowerの曲を聴くと、何故かめっちゃ懐かしく感じる

Stoneflowerの曲を聴くと覚える懐かしさは、一体どこから来ているのだろう

ノルウェー出身のハードポップ・バンド、Stoneflowerが3rdアルバム『Finally』を発売するということで、レーベルがYouTubeにアップしていたMVを見たときに、何故か得も言われぬ懐かしさを覚えたのでした。

私の記憶が確かならば、彼らの音楽は初めて聴いたはずなのに、ギターの音色とかコーラスワークに、めっちゃ懐かしさを感じるのです。

例えるなら、級友のいつもの昔話を聞いているかのよう。その話何回目だよ。耳にタコができるわ。毎度毎度、初めて聞いたかのようなリアクションを取るこっちのことも考えてほしい。でも楽しい。心地いいひととき。嬉しくて笑顔になってしまう。

なぜだろう。Stoneflowerの曲を聴くと感じるこの懐かしさは、一体どこから来ているのだろうか。首をひねりながら、Stoneflowerのアルバムを三枚、Amazonでダウンロード購入したのでした。

画像はPixabayより

十年ぶりに地元の駅に降り立って空気を大きく吸い込んで、「そうそう、これこれ、この匂い」とひとりで納得しているときみたいな、晴れやかで清々しいメロディが懐かしい。初めて聴くのに。

特に1stアルバム。昔に聴いたことある感が半端なくて、いやこれ絶対CD持ってるだろ自分、とCDラックを捜索するもやっぱりなくて、これは一体どういうことだと首をひねるばかりです。

摩訶不思議。

自宅の建て替えのときに、CDをまとめてこんぱく堂に売却したことがあったので、もしかしたらその中の一枚にStoneflowerの1stがあったのやもしれぬ。

そうやって記憶を改ざんしてでも、無理やり理由を見つけないと、この懐かしさは説明できそうもありません。

それにしても懐かしい。この懐かしさはただごとではないですよ。常にどこかで聴いたことがあるような気がつきまとう。この懐かしさは一体どこから来ているのでしょうか。

プロデューサーか、編曲者か、作曲者か、メンバーか、ゲストプレーヤーか、はたまたサウンドエンジニアか。ヴォーカルもどこかで聴いたことがあるような気がするんですよねぇ。

全部気のせいだったら、それはそれですごいことですが。幻。

Electric Mobのデビュー作『Discharge』を聴いた感想

Electric Mobのデビュー作『Discharge』を聴いた感想

ブラジル出身のハードロック・バンド、Electric Mob。彼らのことを知ったきっかけは、YouTube上にアップされたアルバム収録曲”Far Off”のMVを見たことでした。

MVも凝っているので、レーベルの力の入れようが伝わってきますね。

アルバムリリースのタイミングに合わせたビデオ公開で、少しでも露出を多くして目に止まりやすくしようという狙いだったのでしょう。

そのおかげで彼らのことが目に止まり、ビデオを再生してみて気に入って、実際にCDを買うに至ったわけですから、有効な戦略なんでしょうね。

いらぬお世話でしょうけども、バンド名でちょっと損をしそうだな、と心配してしまいます。

実際に聴いてみれば骨太でパンチのあるサウンドは強烈ですし、そんなサウンドに負けない存在感を放つヴォーカルの歌声も素晴らしいですし、バンド名から連想されてしまうであろうモブらしさは皆無なわけですが。

ヴォーカルのRenan Zontaですが、良い声してますねぇ。Adam LambertとJack Blackを足して2で割ったような。ねちっこくも色気があって、それでいて時折思わず感心するようなシャウトをぶち込んできたりして。

オーディション番組にチャレンジしたものの特筆すべき成果は残せなかったようですが、この声で勝てなかったとは、よっぽど他の挑戦者が物凄かったのか、審査員との相性がすこぶる悪かったのか。

いずれにせよ、本人は前向きで、自身であのときの素晴らしい経験を自らの血肉にできたと語っているので、それが今後のElectric Mobの活動に活かされるかと思うと、楽しみでゾクゾクします。

YouTubeを見ていると、今回のデビュー作には収録されなかった曲もありますし、それらも何故収録が見送られたのか不思議なほどよくできているんですよね。

手直しされて次作に収録されるのか、それともボーナストラックとなるのか。もしくは過去作には見向きもせずに次々と新しい楽曲を生み出し続けるのか。

Arctic RainやLandfallと、今年の最優秀新人バンドの座を争う、有望なバンドの誕生です。

H.e.a.tの輸入ライブ盤『Live At Sweden Rock Festival』を聴いた(観た)感想

H.e.a.tの輸入ライブ盤『Live At The Sweden Rock Festival』を聴いた(観た)感想

きっかけは、YouTubeのおすすめに上がってきた、一本の動画でした。

スウェーデン出身のメロディアス・ハードロック・バンド、H.e.a.tが所属するレーベルのearMUSICが、H.e.a.tが地元スウェーデンの2018年のロックフェス、Sweden Rock Festivalに出演していたときのパフォーマンス映像を、フルセット丸々無料公開してくれていたのです。

映像パッケージも発売しているのに、レーベルが一本丸ごと無料公開とは、珍しいですよね。太っ腹だなぁ、と感心しました。

昨今のコロナ禍の影響による無料公開だったのかもしれませんけど、それでも嬉しいじゃないですか。

観てみたら、広大な会場を埋め尽くす観衆を沸かせるパフォーマンスで、彼らの実力の確かさを改めて感じるとともに、やっぱりライブは良いなぁ、生でその場で体感したいよなぁ、としみじみ思ってしまいました。

2020年3月に予定されていた来日公演は、コロナ禍の影響により延期。振り替え日程の発表はまだですけど、大阪か東京のどちらかが金曜日か土曜日に振替になったら、観に行きたいですね。

YouTubeでライブを丸々一本観たあとに、Amazonで検索してみたら、この『Live At Sweden Rock Festival』は、国内盤がDVDで、輸入盤だとCDとBlu-rayのセットで販売されていました。

値段を見てびっくりしたんですけど、国内盤(DVD)は5000円、輸入盤(CD+Blu-ray)は2000円ちょいと、倍以上の開きがありました。

輸入盤のお買い得感が際立っちゃいますよね、こうなると。ライブCDのおまけにBlu-ray映像がついてくるって話ですからね。

輸入盤の映像ソフトを買うとなると、リージョンコードの違いで、プレイヤーで再生できるかどうかという不安がつきまとってしまうわけですが、こちらはレビューに日本国内のプレイヤーでも問題なく再生できたという報告があったので、なんの不安もなく注文できました。

ただ、MCは英語ではなく母国語で喋っているので、英語以外はなんと言っているのかまったくわかりません。国内盤であれば字幕付きでしょうが、DVDのみというのがネック。

どちらを選ぶか、悩む人もいるかも知れません。

あとは音質ですね。CDとBlu-rayとで、差が大きく感じました。CDのサウンドミックスに失敗したのか?と怪訝に思うほど、途中でガクッと音質が落ちます。序盤は何も問題なかったのですが。

Blu-rayやYouTube上の映像では、途中からの音質の低下は感じられませんでした。

なお、これは手元に届いてから知ったんですけど、Blu-ray独自の特典として、バックステージのダイジェスト映像と、8曲のオフィシャルMVが収録されていました。

これはアツいですよ。ただでさえCD+Blu-rayのお買い得感が際立っているというのに、さらなるダメ押しです。

H.e.a.tが好きならば、買わない理由を探すのが難しい輸入ライブ盤です。

高校時代、選択授業で音楽を選んだら、クラスメイトの前で自作の歌を披露することになった

高校時代の音楽の授業が風変わりすぎた

「弘志くんの初ライブはいつですか?」

「…?」

「将来、絶対聞かれるよ」

私の人生において、こんな『スラムダンク』の一場面みたいなやり取りはありませんでしたし、そんなことを聞かれるような人生にもならなかったわけですけど、それでも初ライブはいつですか、と聞かれたなら、高校時代です、と答えます。

高校二年の、最後の音楽の授業でした。

今はどうかわからないですけど、私達が現役の高校生時代は、芸術の授業は選択制でした。書道、美術、音楽。この三つの中から、自分が履修したい授業を選んでください、と。

最初、美術を選択していたんですけど、書道がほぼ定員で、美術の希望者があまりに多すぎるということで、誰か音楽に変えてくれないかという話になって、ごちゃごちゃめんどくさい話になる前に、さっさと音楽に鞍替えしました。

どちらかといえば後ろ向きな理由で音楽の授業を選んだわけで、そういった意味では当初はあまり気乗りしていなかったんですけど、世にも奇妙な音楽の授業を受けることができたという面では、得難い経験でした。

その最初の授業でのひと幕が、あまりにも衝撃的すぎて、高校卒業から20年以上が経過した今でも覚えています。酒の席で当時の仲間と集まると、未だに語りぐさになるほどのエピソードです。最初の授業ということで、ひと通り自己紹介したあと、先生から今後の授業方針と成績のつけ方についての説明がありました。

一部、失われた記憶を、こうであったはず、という想像で補完してお送りします。

「音楽の授業といえば、先生がピアノを伴奏してみんなで合唱する、そんな内容が定番ですけど、そんな授業ではみんなもつまらないでしょう。なので、私はそんな授業はしません」

かすかにざわめき、周りを見渡す生徒たち。音楽の授業の人気の無さに絶望して、やけっぱちになっているのか。生徒たちの動揺をよそに、備品室に入り、一本のクラシックギターを持って出てくる先生。

「そこで、みんなにはこのギターを弾いてもらいます。一年の間は、課題曲を決めて、自分でギターで伴奏しながら歌う練習をします。二年になったら、作詞作曲に取り組んでもらいます。コード進行や言葉選びは助言します。最後の授業では、みんなの前でその自作の曲をギターを弾きながら歌ってください」

画像はPixabayより

いやもう、想像外すぎて目が点でした。おそらく、誰ひとり先生の説明についていけてなかったんじゃないですかね。

「成績ですけど、演奏の上手い下手、歌の上手い下手、曲の良し悪し、そんなことは問いません。みんなの前で発表すれば10点。発表しないのであれば2点です。盗作が判明したら1点です。発表するしないは自分で決めてください」

こうして、期せずして生まれて初めてギターを演奏する機会に恵まれることになったのでした。

めちゃくちゃ恥ずかしかったですけど、成績欲しさに魂を売り飛ばした私は、みんなの前で自作の曲を披露し、無事に10点をゲットしたのでした。

え、どんな曲を書いたのかって?

とっくに忘れちまいましたよ、そんなもん。とうの昔に音楽のノートも灰になっちゃってますしね。暗闇の中でひと筋の光、かすかな希望を見い出すみたいな、そんな歌詞のバラード曲を書いた覚えはかすかにあります。

それにしても、弾き語りって難しいですよねぇ。歌に集中するとギターの伴奏がおろそかになりますし、かといってギターに気を取られると歌が怪しくなりますし。

歌いながら弾けるってだけで神業ですよ、私からしたら。

関連記事

Fair Warningの3rdアルバム『Go!』を聴いた感想

Fair Warningの3rdアルバム『Go!』(1997)を聴いた感想

予感めいたものは、何ひとつありませんでした。

このアルバムを聴く前は、これが人生で最も好きなアルバムのひとつになるとも、このアルバムとの出会いがきっかけでますますメロディアス・ハードロックにのめり込んでいくことになるとも、想像もしていませんでした。

私がこのアルバムを買ったのは、良いバラードがひとつでも入っていれば儲けもの、そう思ってのことだったのです。

というのも、このアルバムを買う前に、Fair Warningの初期二枚からのベストアルバム『Early Warnings』を聴いていたのですが、あまりピンとこなかったのです。

“Long Gone”や”Take Me Up”など、バラード曲はめちゃくちゃ素晴らしいなと感激したんですけど、激しい曲については「なんかメタルみたいでヘヴィだな」と感じてしまい、自分にはちょっと激しすぎる、という結論になってしまいました。

だから、また素晴らしいバラードがいくつか聴けたら嬉しいな、くらいにしか期待していなかったのです。

これには、当時の私の嗜好も関係しています。この頃は、ロックバンドが歌うバラードが特に好きだったんですよね。B’zやBon JoviやAerosmithといった大好きなバンドの曲の中でも、アップテンポなロックナンバーよりも、美しいバラードが好きだったのです。

初めて一曲目の”Angels Of Heaven”を聴いたときも、(今では超大好きな曲ですけど)やっぱりちょっとヘヴィで激しすぎるな、と感じました。

なので、初めて”Save Me”のイントロを聴いたときの衝撃は、とてつもなかったですね。Bon Joviの”Livin’ On A Prayer”を初めて聴いたときの衝撃も凄まじかったですが、それに勝るとも劣らない、甲乙つけがたい衝撃でした。

撃ち抜かれましたね。不意打ちで。得も言われぬ高揚感を伴った、美しいキーボードのイントロに。

続く名バラード”All On Your Own”、ドラムの乱れ打ちからポジティヴなムードに移行する”I’ll Be There”といった曲も素晴らしく、繰り返し聴きこんでいるうちにすっかりFair Warningの魅力の虜になりました。

それから初期ベストを聴き返してみたら、驚いたことに、彼らに対してちょっと苦手だなと感じていたネガが、消えてなくなっていたんですよね。綺麗サッパリと。

当然ですけど、そのすぐ後に1st『Fair Warning』と2nd『Rainmaker』を入手し、こちらも繰り返し聴きこんでいくことで、さらにFair Warningにハマっていくことになるのでした。