初めての単焦点レンズは、通称ダカフェレンズ、SIGMA 30mm F1.4 DC HSM

単焦点レンズが欲しくなったきっかけ

これはもう単純です。仲間を眺めていて、羨ましくなったから。

カメラ仲間のうちふたりが単焦点レンズを買って、お互いのカメラを覗きながら、キャッキャと楽しそうに撮影している様子を眺めていたら、無性に羨ましくなってしまって、自分も一本くらい持っておこうかな、と考え出したのがきっかけです。

それから実際に買うまでが、長かったですけどね。

半期に一度のボーナスシーズンが訪れるたびに、さてそろそろ単焦点行っとくかなと購買意欲がもたげてくるものの、虎の子の一本である標準ズームレンズがめちゃくちゃ便利で万能であるため、迷っているうちにどうでもよくなって物欲が霧散する、という葛藤を数年間繰り返しました。

その数年間の葛藤の末ようやく購入したのが、シグマの単焦点レンズ30mm F1.4 DC HSM、通称ダカフェレンズであった、というわけです。

約二年前ですね。夏のボーナスが出た直後。2017年の7月に、買いました。

https://www.instagram.com/moriponbai/?hl=ja

SIGMA 30mm F1.4 DC HSMがダカフェレンズと呼ばれる由縁となった、ダカフェ日記の管理人、森友治さんのインスタグラムです。

SIGMA 30mm F1.4 DC HSMに決めた理由

初めての単焦点レンズに、このシグマの30mm F1.4 DC HSMを選んだ理由はいくつかあるのですが、それぞれについて説明していきます。

仲間と同じレンズではない

所持レンズが仲間とかぶらない、ということを重視しました。

同じところに行って、同じ被写体を同じレンズで同じように撮るからこそ、それぞれの着眼点や設定の違いが明確になって面白い、という面もあるとは思うんですけど。

せっかく仲間全員が同じメーカーの同じマウントのカメラを使っているので、どうせなら誰も持っていないレンズを買ったほうが、貸し借りを楽しめるかもしれない、と考えました。

まあ、意外と、そんなシーンはないんですけどね。

同価格帯では数少ないF値1.4

F値とは、レンズの明るさを表す値のことです。このF値が小さければ小さいほど、明るいレンズです。

例えば、F2.8とF1.8であったら、数字上ではそれほど差がないように感じてしまいますが、断然F1.8のほうが明るいです。それはもう、比べ物にならないほど明るいです。

そのため、F値が小さいレンズほど、ありがたがられ、重宝されています。ただし、明るいレンズには、でかくて重くて価格も高くなりがち、という問題が持ち上がります。

価格.comなどで、キヤノンのEFレンズを価格の安い順に並べ替えてみるとわかりやすいと思うんですけど、4万円前後という比較的求めやすい価格帯の中に、ひときわ明るいF値を誇るこのシグマの30mm F1.4 DC HSMが入ってくるため、俄然購入候補として注目を浴びる存在になるのです。

最初の単焦点レンズの画角は標準域

レンズには、標準画角と呼ばれる焦点距離があります。

画角が広い方から順に、広角>標準>中望遠>望遠、と狭くなっていくのですが、最初の単焦点レンズは、標準域にあたる焦点距離から選ぼう、と漠然と考えていました。

だいたい、30mmから60mmの間くらいですね。

中でも、50mm付近が、人の肉眼の視野に近いからということで、標準レンズといえばこの画角、と言われることが多いです。

と、ここで疑問に思った人もいるでしょう。50mm付近のレンズがほしいのに、なんでSIGMA 30mm F1.4 DC HSMを買ったのか、と。

これがデジタルカメラのややこしいところのひとつなんですけど、フルサイズ換算という概念がありまして、私が愛用しているカメラ、Canon EOS 8000DはAPS-Cサイズのセンサーを積んでいるカメラであるため、約1.6倍した焦点距離が、実質的な焦点距離となるのです。

https://logcamera.com/35mmkanzan/

saizouさんが運営されているログカメラのコンテンツ。画像や図解を数多く用いて、フルサイズ換算について解説されています。

30mmであれば、1.6倍した48mmが、実質的な画角になるというわけです。

Canonの撒き餌神レンズと呼ばれているレンズに、EF50mm F1.8 STMがあるんですけど、標準画角の50mmだからと、APS-Cサイズのセンサーのカメラを使っているのに買ってしまうと、1.6倍されて中望遠域の80mmの画角になってしまうのです。

私の場合は、詳しい仲間がいて、助かりました。理解するまで、気軽に何度も同じことが聞けたので。もし仲間がいなかったら、よくわからないままに迷走していたことでしょう。

ダカフェ日記への憧れ

森さんがダカフェ日記に上げ続けた、ふんわりと優しい雰囲気の、一瞬のなんともいえない味のある表情を切り取った写真を見ては、憧れが募っておりました。

あんな写真を、自分も撮ってみたい。

そう思うのはみんな同じようで、森さんのもとには、おすすめのカメラはなんですか、という質問が数多く寄せられたそうです。

その質問に答える形で、森さんはダカフェカメラというコンテンツを作られたんですけど、その中に、おすすめのレンズとして、SIGMA 30mm F1.4 DC HSMの前身モデルが紹介されていたのです。

これが由縁となって、シグマの30mm F1.4は、通称ダカフェレンズと呼ばれるようになりました。

いやもう、これは、行っちゃうしかないでしょう。買っちゃうしかないですよ。

SIGMA 30mm F1.4 DC HSMで撮ってきた写真

2017年7月にこのレンズを買って以来、約二年間。どこに行くにも、ほぼこのダカフェレンズ一本で写真撮影を楽しんできました。

ちょっとでかくて重いのが玉に瑕ですが、コスパに優れた素晴らしい単焦点レンズですよ。

このレンズで撮ってきた作例を貼っていきます。

人物写真は身内の写真しかないのでここには出せませんが、人物の写りも抜群です。

沖縄県の慶良間諸島のひとつ、渡嘉敷島。高台から見下ろしたビーチが美しすぎた。

沖縄県の伊江島のビーチ。青い海と空、白浜の美しさが鮮烈。

滋賀県の湖東三山のひとつ、金剛輪寺の素晴らしい庭園。光の差し込み方、見頃の紅葉、池のリフレクション、すべてが最高。

焼津市の見事な桜並木。木屋川堤だったかな、たしか。買ったばかりの折りたたみ自転車で、初のポタリングを楽しんできたときの一枚。枝が交差するかのように入り組んだ並木がすごすぎる。

早朝の世界遺産、奈良の吉野山。見渡す限りの満開の桜は圧巻のひと言。

梅田でH.e.a.tのライブを観た翌朝、裏天満ちょうちん通りを散歩したときの一枚。夜のほうが雰囲気があっていいのですが、周りが飲み屋さんばっかりでめちゃくちゃ賑わっているため、夜は落ち着いて写真を撮っている暇などないのが難しいところ。

このレンズを買って初めての週末、西伊豆に撮影ドライブに行ったときの一枚。新緑の西伊豆スカイライン最高。

西伊豆いいですよ。道がめちゃくちゃ良くなって沼津からすぐですし、運転していて楽しいワインディングばっかりですし、東伊豆ほど混んでいないですし。

初秋。快晴の白馬八方尾根を、白馬八方池までトレッキングしたときの一枚。普段山歩きはしていないので大変でしたけど、その甲斐あって素晴らしい絶景でした。この景色を背景に家族写真を撮ったんですけど、はめ込みCGにしか見えません。

約二年間、SIGMA 30mm F1.4 DC HSMを使ってみて

せっかくのF1.4だが、実はそんなに使わない

このレンズ最大の売りであるF値1.4ですが、私は風景を撮ることが多いからなのか、F4とかF6とかF11とか、絞ってしまうことがほとんどのため、その恩恵にあまり預かれていません。

開放すると、被写界深度が浅くなってしまって、ピント合わせも難しくなってしまいますしね。

意外と不便さは感じない

このレンズを買うまでの唯一の手持ちのレンズが、EF-S18-135mm IS STMという、いわゆる便利ズームであったため、ズームできないことに対して、使っていて不満たらたらになってしまうのではないか、と危惧していました。

いざ使ってみると、画角が自分の用途にピッタリだったからなのか、意外と不便さは感じずに済んでいます。

手持ち撮影しかしないので、手ブレ補正が欲しくなる場面がある

私は、すべて手持ちで写真撮影しています。カメラに手ブレ補正が搭載されていないため、レンズにも手ブレ補正が搭載されていないと、手ブレが発生しやすくなってしまいます。

脇を固めておでこをファインダーに押し当てて、なんとか手ブレを抑えようと必死でカメラを構えているんですけど、手ブレ補正があると安心感が違いますからね。

失敗を一枚でも減らせるのは助かりますよ。

純正標準ズームレンズの便利さが際立つ

この約二年間、ほぼほぼSIGMA 30mm F1.4 DC HSMのみで写真を撮っていたんですけど、たまに純正標準ズームレンズを使うと、その便利さが際立ちましたね。

手ブレ補正も付いてますし。

たったの一本で、幅広い焦点距離のおかげで、あらゆる撮影状況に対応できるという心強さを、我が身をもって痛感しました。

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愛車のエアコンのコンプレッサーが瀕死になって、考えたこと

それは、夏真っ盛りのとある休日の昼下がり、突然に

あれは、長かった梅雨がようやく明けてから一週間ほど経過した、夏真っ盛りのとある休日の昼下がりのことでした。

そのとき、私は愛車を運転して、信号待ちしていました。すると、それまでキンキンに冷えていたエアコンの風が、急にぬるくなったのです。

うん? なんだ? 

不思議に思いながら、普段の設定である25度でもやや肌寒いくらいだったのを、どんどん下げても、風はぬるいまま。エアコンのガス、切れちゃったかな。

そうこうしているうちに、信号が青になったので発進しようとしたら、クルマが動かなかったのでさらに困惑が深まります。

はあ? 何これ。

そこでようやくメーターを見ると、エンストしてるじゃないですか。なんの振動もなしに。

え、チョット待って、どうなってるの?

胸騒ぎを覚えつつもエンジンを掛け直すと、始動性は悪くなくてエアコンの効きも復活。

たまたまかなと首を傾げながら愛車を走らせると、いつもよりシフトショックが大きく感じました。気のせいだと信じたいけど、明らかにどこかがおかしい。

しばらく様子を見ながら走り続けていると、信号待ち数回に一回の割合で、いつの間にかエンストしていることがわかりました。

折しも、お盆休み突入直前という間の悪さ。半年前にブレーキディスクとブレーキパッドの交換をお願いした市内の修理屋さんに、電話でアポも取らずに駆け込みました。

原因は、エアコンのコンプレッサーの動きが重くなっていたためだった

愛車を預けた翌日、修理屋さんから回答がありました。

なんでも、エアコンのコンプレッサーの動きが重くなっているそうで、それが過負荷になってしまい、運転中にエアコンを稼働していると悪影響がある、とのことでした。

エアコンを使わなければ問題はないということでしたけど、いくらか涼しい朝晩ならともかく、真夏の快晴の昼間にエアコンが使えないとか、死活問題ですからね。

修理代金の見積もりを受け取った私は、嫌でも現実と向き合わざるを得なくなりました。

乗り続けるべきか、乗り換えるべきか

私の愛車は平成14年式で、走行距離も20万キロを超えているため、何かと維持費がかかります。

エアコンのコンプレッサーの修理に加え、タイミングベルトの交換と、それに伴う消耗品の交換も合計すると、フルサイズミラーレス入門機と小三元標準ズームレンズが買えてしまうくらいの費用がかかってしまうのです。

さらに、12月には車検も控えており、スタッドレスタイヤもそろそろ買い替え。

嫌でも、考えざるを得ません。乗り続けるべきか、乗り換えるべきか。

半年前に、ブレーキパッドとブレーキディスクをリフレッシュしたばっかりですからね。

気持ち的には、エアコンを直すと同時に、タイミングベルトなど消耗品も交換して乗り続けたいんですけど、その後に車検とスタッドレスの買い替えもあるとなると、全部合計すると、フルサイズミラーレス標準機と大三元標準ズームレンズが買えちゃうくらいの費用になってしまいます。

現実的に考えて、17年落ちの走行距離20万キロを越えた車両に、そこまで注ぎ込む価値があるといえるのか。

難しいところですね。

かといって、乗り換えも即断できません。いくら古くて過走行とはいえ、コツコツと自分で手を入れてきた車両で、愛着がありますからね。

乗り換えに適したタイミングであることは頭ではわかっていても、なかなか割り切れません。

乗り換えもギャンブル

問題は、決断して乗り換えたところで、次の車両が今の車両よりも状態がいいとは限らない、ということです。

私の愛車探しの条件として、マニュアルで四駆でワゴンという三カ条があるので、この縛りを遵守すると、17年落ちから12年落ちへの乗り換えとか、意味のわからない事態が平然と起こってしまいます。

12年落ちともなると、歴代のオーナーがどのようなメンテナンスを施していたかなんて、わかりようもありません。すべてディーラーに持ち込んで、ひとつ残らず記録を取っている車両なんて、稀です。まあ、そんな車両はまずないでしょうね。

外観はきれいだったけど中身はボロボロだったとか、掃いて捨てるほどあるよくある話でもあります。

どのお店で買うかも重要ですよね。中には、新品のタイヤに替えてありますと言いながら、しれっとバースト寸前のタイヤで納車するような、極悪店もありますからね。

修理屋さんには、休み明けに返事しますと答えたので、連休の間、ちょっと愛車と向き合ってみます。

はぁ。楽しいはずの連休が、ちょっと気が重くなっちゃいましたよ。

初夏の上高地でハイキングを楽しんできた

いざ、新緑の上高地へ

昔に治療した歯の詰め物が取れてしまって、随分と久しぶりに歯医者に行くことになったのがきっかけでした。

そこでレントゲンを撮ったら、親知らずが一本、横向きに生えてすぐ横の歯を押しているのが判明したため、取れた詰め物の治療を進めると同時に、トントン拍子にさっさと抜いちゃいましょう、という話になってしまったのです。

「え、チョット待って、怖いんですけど」などという私の心の内の逡巡など置き去りに、あれよあれよという間に抜歯手術の日程まで決まってしまったので、絶望に沈んだ私は楽しい予定を詰め込んで現実逃避を図りました。

よし、上高地に行こう!

今まで何度か上高地には行ってますけど、夏真っ盛りか秋かのどちらかで、新緑の初夏ってパターンはなかったですからね、ちょうどいい。

絶景の上高地をハイキングして、抜歯の恐怖に負けそうな心を奮い立たせるのだ。

今回の撮影機材

今回も、カメラはCanonのデジタル一眼レフEOS 8000D、レンズは純正標準ズームのEF-S18-135mm IS STM。この組み合わせで、すべてマニュアル撮影です。

上高地で撮ってきた写真

上高地は、長野県と岐阜県の県境にある山岳リゾートです。

クルマで行く場合は、マイカー規制されているので、あかんだな駐車場沢渡駐車場にクルマを停めて、バスかタクシーで目指しましょう。

私の華麗なる脳内計画では、8時前には駐車場にクルマを停めて、8時半には大正池から散策を開始しているはずが、駐車場に着いたのは9時過ぎ、散策を開始したのは10時前でした。

おかしいな。前と同じような時間に家を出たはずなのに、どうしてこうなった…。

いつ見ても、悠然と美しい大正池。素晴らしい。穂高連峰に雲がかかっていようとも、まったく揺るがない素晴らしさ。全然人がいないように見えますが、後ろと右側にめっちゃいます。

大正池のほとりギリギリまで寄って、さらにズームで。この日は基本曇りだったんですけど、時折、雲の割れ目から差し込む陽光がきれいでしたね。

いやぁ、きれいですよねぇ。なんなんですかね、この新緑の輝きさえ霞むほどの水面の美しさは。

大自然の中で異彩を放っていた、盆栽のような趣のある小さな木。経年経過を観察したくなる一本ですね。

入り組むように倒れ込む枯れ木と超ナイスなリフレクション。渋い。

新緑の白樺も鮮烈。

田代湿原から望む穂高連峰。ため息がこぼれるほど尊い。

新緑がめっちゃ鮮やかな田代池。水の透明感も抜群。

絶景の撮影に夢中になっていたら、ヒザ下を何かがかすめたような気配があったので、びっくりして見たらお猿さんでした。周りの人間には目もくれずに、気ままに闊歩してましたね。

日光みたいな、気性の荒いお猿さんじゃなかったので、いたずらされずに済みました。

写真ではわかりにくいですが、この梓川、めっちゃ流れが急です。優雅かつダイナミック。

この日は、めっちゃお猿さん見ました。子猿を背負った母猿もいて、シャッター切りまくったんですがまともに写らず。

やっぱ、動いている被写体をマニュアル撮影は厳しいですね。こういうときに、何も考えなくてもぱぱっと撮影モードを切り替えられるようになりたい。

梓川から見上げる河童橋。いくら夏とはいえ、三連休の初日にしてはやけに人が少ないなと不思議だったんですが、その理由は帰りに判明しました。

河童橋の上から望む穂高連峰。新緑が眩しすぎる。

河童橋越しの穂高連峰。いつ見ても絵になりますね。素晴らしい。毎回毎回、似たようなところから似たような構図で撮ってるんですけど、わかっていながらついつい撮っちゃうんですよねぇ。

新緑の上高地も素晴らしかった

毎年のように、上高地を訪れては、似たような構図に心奪われて思わず写真を撮っちゃってるんですけど、これはもうしょうがないですね。

上高地の被写体力、高すぎ。もう大好き。

渋滞に巻き込まれたわけでもないのに、何故か予想よりも到着時刻が遅くなったため、予定が押しに押して、ハイキングを終えてバスターミナルに戻ってきた頃には、15時を過ぎてしまいました。

また帰りのバスやタクシーの行列がとんでもないことになっているのではと戦々恐々としていたのですが、なぜかあまり混んでいなかったので、ホッとしてタクシーに乗り込んだら、運転手さんからその理由を聞きました。

なんでも、松本市から上高地に続く国道で、重傷者が出る酷い事故があったらしく、その国道が通行止めになっているそうで。

せっかくの連休なのに全然お客さんが上がってこないから商売上がったりだよ、とボヤいていました。

そうだよなぁ、連休の上高地が、こんなに空いてるわけないよなぁ。おかしいと思った。

最短距離で帰ろうとすると抜けるのに何時間かかるかわからないよ、と教えてもらったので、途中で迂回して大回りして宿に向かいました。

塩尻市に宿を取ったんですけど、宿のすぐ近くにワイナリーが何軒かあったので、16時までにはチェックインして、夕食までの間にワイナリー巡りにでも洒落込もうかと考えていたのですが、なかなか思うようには計画は進まないものですね。

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あの東福寺も、初夏に行けば混雑知らず

さすがの東福寺も、初夏は空いている

7月の上旬、大阪城ホールでB’zのライブを観たその翌日に、帰りながら京都に立ち寄ってきました。

桜ノ宮に泊まったのですが、そこから京都まで、第二京阪経由でクルマで約50分。

前々から、大阪から帰りながら京都に寄っていこうという話になっていたので、皆で候補を考えていたのですが、東福寺塔頭天得院がちょうど桔梗の特別拝観期間中とのことで、では東福寺に行きますか、と話がまとまったのでした。

秋に東福寺に行くと、見渡す限りの人の波に揉まれるばかりで、正直なところ観光や写真撮影どころではないのですが、新緑が輝く初夏であれば、そんな秋が嘘のように、ひっそりと静かで落ち着いた東福寺を、のんびりと心ゆくまで散策できます。

今回の撮影機材

今回も、カメラはCanonのデジタル一眼レフEOS 8000D、レンズは純正標準ズームのEF-S18-135mm IS STM。この組み合わせで、全てマニュアル撮影です。

純正標準ズーム、マジで優秀ですよ。一度使い出すと、あまりの万能さに甘えグセが付いてしまって、単焦点レンズを持ち出すのが億劫になってしまうほどです。

今回参拝した名所

天得院

まずは、東福寺塔頭天得院に参拝。桔梗が咲き誇るお庭の特別拝観です。

天得院で撮ってきた写真

綺麗だなと思ってシャッターを切ったものの、漫然としすぎていて、結局何を撮りたかったのかよくわからなくなってしまった一枚。

広角だとちょっと厳しいなとズームしてみたら、天得院感がゼロに。いや、桔梗を撮るの、ちょっと難しすぎますぞ。

望遠端で日の丸構図。キレイに撮れたけど、ひねりも工夫もなさすぎる。

庭に下りれなかったので、縁側から必死に構図を探して四苦八苦。苦し紛れの前景が悲しい。

地面スレスレできれいに咲いている桔梗を主役にしたはいいが、他の要素が漫然としていてごちゃごちゃに感じる。いやぁ、むずいっすね。

東福寺

天得院のすぐ横、東福寺に参拝。東福寺も、同じ名前の寺社が全国にいくつかあるみたいですね。そのひとつが、なんと地元にもあったので、びっくりしました。

この前の週には、2019年G20大阪サミットで来日された首脳陣の奥様方が参拝して、感嘆の声を挙げていたそうです。

東福寺で撮ってきた写真

こんなに人の少ない通天橋、初めて見ましたよ。

もし秋だったら、絶対に訪れないタイミング。ここが無人とか、ありえねっすから、マジで。

朝一番で開門待ちに並んで、開門ダッシュにポール・トゥ・ウィンしたとして、ワンチャンあるかどうかじゃないですかね。

方丈庭園も初めて見ました。悠久の時が刻んだ侘び寂び、最高です。

通り抜けてくるそよ風がめちゃくちゃ気持ちよかった廊下。

伝わりますかね、この三門の大迫力が。

両足院

最後に、建仁寺塔頭両足院を参拝してきました。初夏の特別拝観で、庭園に半夏生の葉が生い茂る様を、見ることができます。

祇園に建仁寺という大きなお寺があるということは知っていましたが、その塔頭にまさかこのような知る人ぞ知る素敵なスポットがあったとは。

両足院で撮ってきた写真

玄関横のこの枯山水からして、センス抜群すぎる。

この白っぽいのが半夏生だそうで、初夏らしさあふれる、素晴らしい彩りの庭園。

分厚くて無骨な扉の向こうに見える、雰囲気の良さげな美しい庭園。素晴らしい雰囲気に気分も高まってゆく、こんな廊下をゆっくりと歩いたり、縁側に腰掛けたりするのが好き。

座敷から、窓ガラス越しに眺める庭園。清々しい初夏の爽やかな空気が最高でした。

提灯のムカデが可愛いくて、ついつい撮った一枚。

初夏の京都はやっぱり空いているのでおすすめ

もう何度もこのブログでは書いていることですが、初夏の京都は空いていて最高ですね、やっぱり。

狙うべきは、GW明けから梅雨明けまでの、祇園祭が始まるまでの間でしょう。ツツジや紫陽花が咲き誇る庭園は美しいですし、紅葉の名所はどこも新緑が爽やかで清々しいです。

その割に混んでないってのがもう最高ですね。

東福寺だって、朝イチの開門直後とかじゃなくて、11時すぎですからね。

さすがに人気の寺院なので、いくら空いているとはいっても人影が皆無というわけではないですが、ちょっと待てばいくらでも訪れるシャッターチャンス。

このチャンスをモノにしないって手はありませんぜ。

純正標準ズームレンズが万能すぎる

純正標準ズームレンズ万能説

この一本さえ持っておけば、他には何もレンズなど要らないのではないか。

せっかくレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラで趣味の写真撮影を楽しんでいるのにも関わらず、レンズ交換式カメラの醍醐味であるレンズ交換など不要なのではないかと思ってしまうほど、万能のレンズ。

それが、私の手持ちの一本、EF-S18-135mm IS STMです。

EF-S18-135mm IS STMの素晴らしいところ

いわゆる便利ズームなどと、揶揄されることもある不遇のレンズですが、素晴らしいレンズですよ、これ。

大きくて迫力があるのに、見た目ほど重くなくてしかもお求めやすい価格、ってのがいいですね。

使っていて、確かに便利だなと痛感するところはあるわけで、誰が名付けたのか便利ズームとはよく言ったものだと感心しきりなのですが、ただ便利なだけではなくて、その実力は本物ですからね。

これ一本で、広角域から中望遠域まで対応できる

最高のセールスポイントは、誰がなんと言ってもこれ。広角端18mmから、望遠端135mmをカバーする、圧巻の焦点距離。

立ち位置を工夫しなくても、それぞれの焦点域の特色を活かした、バリエーション豊かな写真を記録することができます。

数年前、私が撮ってきた富士山の写真を例に挙げます。ほぼ同じ場所に立って撮り続けていた写真です。

そういえば、最近、富士山の写真、撮りに行ってないですね。イベントのついでとかはあるんですけど。今度、久しぶりに富士山撮りに行こうかな。

広角域の作例

焦点距離18mm。

夜明け前は空一面曇っていて富士山も見えていなかったのですが、夜が明け始めると同時に雲が割れました。ミラクル。うおー、すげー、と大興奮でシャッター切りまくり。

焦点距離27mm。

陽が上がるにつれて、雲海だけ残って雲は消え去るという奇跡。広角域なので、富士山と太陽を両端に入れて、ダブル主役。

標準域の作例

焦点距離50mm。

ズームして、撮りたかった富士山に焦点を。太陽が出てきて朝焼けが広がってきているんだな、と想像させたかったので、富士山を左端に寄せて、右端に朝焼けを。

焦点距離50mm。

下の街並みを削って、晴れてきた空を入れつつ、朝焼けも落ち着いてきたので、富士山の位置を微調整。

中望遠域の作例

焦点距離85mm。

主役の富士山にぐぐっとズームして、朝焼けの雰囲気も漂わせて。ホントは富士山をど真ん中にして、富士山のきれいな末広がりの稜線を入れたいのですが、朝焼けの様子も少しでも残したく。

焦点距離81mm。

シャッター切りまくった割に、日の丸構図を避けすぎていたことに気がついて、この日の主役である富士山をど真ん中に。下をもうちょい切って、空を広めに入れるべきでしたね。

手ブレ補正を搭載している

地味に嬉しいのがこれ。レンズに手ブレ補正搭載。

私の愛機Canon EOS 8000Dには、カメラ内手ブレ補正が搭載されていないので、レンズ側に手ブレ補正が付いているおかげで、失敗を少なくすることができます。

オートフォーカス駆動音が静か

普段写真を撮っているだけではこれといった恩恵はないですが、動画撮影時や、めちゃくちゃ静かなところで写真を撮るときには、ノイズが抑えられているので助かります。

申し分のない描写

拡大して隅から隅まで粗を探せば、いくらか気になるところも出てくるかもしれませんが、TwitterやInstagramなどのSNSに上げたり、ブログに載せたり、iPhoneの待ち受けにしたりするのであれば、これ以上何を望むものがあるというのでしょう。

しかも、けっこうボケますしね。下の作例のように。

単焦点顔負けのきれいなボケ味、素晴らしい。望遠端135mmで、前景と背景を入れたので、奥行き感もよく出ていると思います。

いや、うわさのLレンズとは一体どれほどすごいのかと、気にはなりますよ、そりゃ。フルサイズのカメラとの組み合わせやいかに。

でも、でかくて重くて値段も高いですからね。予算も厳しいですし、ガチすぎて、旅のお供にもキツイ。

そうなってくると、このEF-S18-135mm IS STM、ベストチョイスのひとつに挙がってくるはずですよ。コスパ抜群。

EF-S18-135mm IS STMのイマイチなところ

とまあ、こんな感じでとても使い勝手のいい素晴らしいレンズなのですが、もちろん弱点もあります。

万能であるということは、すべてが及第点である、ということです。ちょっとくらいの欠点には目をつぶってしまうほど、飛び抜けて強烈な魅力があるわけではないのです。

総合力が高くて致命的な欠点はないが、ちょっと物足りない。そんなところがあるんですよね。

F値が通しではない

このレンズのF値は、F3.5-5.6です。

F値はレンズの明るさのことで、F3.5-5.6とは何を意味するかというと、焦点距離18mmのときの最小F値は3.5で、焦点距離135mmのときの最小F値は5.6である、ということです。

18mm時にF値を3.5にしていると、ズームリングを回すと同時に、F値が勝手に変わっていってしまうのです。変えたくなくても。

プログラムオートや絞り優先オートで撮っているぶんには、カメラがその他の数字を自動で調整してくれるので、何ら問題はないのですが、問題はマニュアル撮影時ですね。

露出をバッチリ決めたあとで焦点距離を変えてしまうと、暗くなったり明るくなったりしてしまうので、再調整が必要になってしまいます。

逆に言えば、マニュアル撮影さえしなければ、F値が通しではなくても、不満はないでしょう。

レンズの明るさがやや暗い

上でも述べたとおり、このレンズのF値は、焦点距離に応じて、3.5から5.6が最小値となります。このF値が小さければ小さいほど、明るいレンズであるといえるわけです。

いわゆる大三元レンズと呼ばれるF2.8通しズームや、F1.4やF1.8といった次元の違うF値を誇る単焦点レンズが、なぜもてはやされるかというと、めちゃくちゃ明るいからなのです。

レンズが明るいと、背景や前景がボケやすいのと、暗いところでもISO感度を下げれたり、シャッタースピードを稼げたりするので、画質や表現にその違いが現れるのです。

明るいレンズは大概、でかくて重くておまけに高いのですが、めちゃくちゃ明るくて写りも抜群なので、崇め奉られてるんですよね。

そのせいで、F値が変動するズームレンズは、便利ズームなどと揶揄されることになっちゃうんですよねぇ。F2.8通しや単焦点レンズが明るすぎるだけであって、標準ズームが暗いわけではないと思うんですけどね。

まとめ

以上を踏まえて、簡潔に結論を述べます。

EF-S18-135mm IS STMはこんな人におすすめ

  • レンズ一本で、幅広い撮影状況に対応したい
  • レンズに手ブレ補正がほしい
  • コスパ抜群のレンズがほしい
  • レンズに明るさを求めていない
  • F値が通しではなくても別に気にならない

以上五点。すべて当てはまるのであれば、EF-S18-135mm IS STMは、きっとあなたの写真撮影活動において、最高の相棒となることでしょう。