写真撮影を趣味にしている男の映画『シャイニング』評はちょっとズレている
映画『シャイニング』といえば、巨匠スタンリー・キューブリック監督による名優ジャック・ニコルソン主演の超名作ホラー映画として名高いですよね。
自分も幼い頃に初めて観た時には恐怖に震え上がりましたし、しばらく経った後に再び観た時にも同じように恐怖しました。
あれから何十年も経った今でもそんなことを覚えているほど怖かった、『エクソシスト』と並ぶホラー映画の金字塔です。
では今『シャイニング』を観ても昔と同じように恐怖に震えるのかというと、そんなことはありません。
むしろ真逆で。恐怖とはまったく別の感情に襲われております。
感動の嵐に。
(1980年の作品でこの映像美どうなってんの!?)
(構図完璧!)
(今観ても斬新なアングルの数々!)
(まったくブレない超滑らかな映像は一体どうやって撮られているんだ?)
(ジャック・ニコルソンの多彩な顔芸おもしろ!ていうかジャック・ブラックにめっちゃ似てるなぁ。いや逆か、ジャック・ブラックがジャック・ニコルソンのことが好きで影響を受けているのか?)
一例を挙げるとこんな具合でして。映像が凄すぎて次から次へと感動が押し寄せて、恐怖を覚えている暇がないのですよ。
この視点の変化には、10年ほど前に始めた趣味のデジタル一眼カメラでの写真撮影が影響していると思われます。
何事もそうだと思うんですけど、趣味にしろ仕事にしろ、自分で実践して知っていることって、機材や手法や裏側への理解や興味が芽生えたり深まったりするじゃないですか。
それと同じで。
1980年当時のどんなカメラを使ったらこんなに美しい映像が撮れるんだろう?とか、当時のカメラはめちゃ大きそうなのにどうやってこんなアングルから撮ったんだろう?とか、感心というか好奇心というか驚愕というか信じ難いというか。
そんなわけで、私は今、映画『シャイニング』を観たら、怖がる暇もなく巨匠の手腕に舌を巻いております。