初めてサマソニに行ってみてわかったこと

初めてサマソニに行ってみてわかったこと

行ってきました。初めてのサマソニ。2022年8月20日土曜日、東京一日目。

実際に行ってみて、家で頭で考えていただけではわからなかったこと、行ったからこそ骨身にしみてわかったことがいくつかありました。

色々なバンドを少しずつ観るよりも超好きなバンドをじっくり観たいということもあって、フェス派か単独派かで言ったら単独派なので次があるかどうかはわかりませんが、今回の気づきを次の機会に活かせたらいいなと。

プラチナチケット強すぎ

特に痛感したのはこれですね。プラチナチケットの圧倒的強さ。

プラチナチケットとは何なのかざっくり説明すると、一般チケットより高価だが数が絞られているぶん様々な恩恵が受けられるチケットです。

細かく説明すると長くなるので割愛しますが、高価なぶんそれだけの見返りが得られると思っておけば間違いありません。

逆にいうと、恩恵を把握しておいて自分から積極的にそれを活用しに行かないと、あまり旨味がありません。

グッズは絶対に買うタイプの人や、入場で長々と待つのは嫌だ、無料会場循環バスで並びたくない、休憩時間は日陰で優雅に過ごしたい、優遇されたアリーナ席で気持ちゆったり観たい、そんな人は何も考えずにプラチナ一択で間違いありません。

特に衝撃的だったのはプラチナラウンジですね。ガラスに透けて中がちらりと見えていたんですけど、一般チケット民がうだる暑さのなか地べたや縁石を椅子代わりに座り込んで休憩したりご飯を食べている横で、涼しそうな室内で優雅にソファでくつろいでいたりなんかして。

何だこの差は?と。ショックを受けた一般チケット民も少なくなかったのではないかと。

プラチナチケットが高速道路ロングドライブだとしたら、一般チケットは下道オンリーロングドライブ、それくらいの差があります。

次に行くことがあったとしたらプラチナチケットだな、と思いました。炎天下で行列に並ぶ時間を圧倒的に減らせるわ、涼しい室内で休めるわで、荷物めちゃくちゃ減らせますもん、あの好待遇を受けられるなら。

ZOZOマリンスタジアムと幕張メッセの行き来は想像以上に大変

地図で見ると、サマソニ幕張の会場であるZOZOマリンスタジアムと幕張メッセは道路を挟んで隣り合っています。

そのため、現地に行く前の私はこう思っていました。なんだ、すぐ隣じゃん。これなら各ステージ間の行き来は余裕だな、と。

とんだ勘違いでした。

この画像はZOZOマリンスタジアムから幕張メッセのマウンテンステージに移動したときの歩行ログです。約2キロの移動に約30分かかりました。

一度移動しただけで(いやこれは想像以上にキツイぞ)と自分の思い違いを痛感しました。

まだ本格的に混んでくる前の時間帯の移動だったのでこれで済みましたが、メインを張るバンドの直前や直後にもなると観客の多さも移動による入れ替わりも激しさを増すので、入退場規制などにより歩みが遅かったり動線が制限されたり大回りを余儀なくされたりで、もっと時間がかかると予想されます。

また、ステージを移動して戻ってきたところで、思っていたような席や場所を確保できない、ということもあるでしょう。

そう考えると、移動もリスクですよね。

時として決断を迫られることもあるでしょう。それでも移動するか、諦めてそのまま留まるか。

自分の中で確固たる優先順位を先に決めておかないと、現地で右往左往することになる

サマソニの場合、開場は朝9時で10時過ぎ頃から各ステージでバンドの演奏がスタート、終演はステージによって異なりますが21時や22時頃と、一日丸々会場にいると拘束時間が長くなります。

そのため一度受付した後は手首に目印のリストバンドをして入退場自由となります。そのまま会場内で一日ふらつくのも、一度会場の外に出て目当てのバンドの時間に戻ってくるも、それぞれの裁量次第です。

自由度が高いということが魅力であるが故に、自分の中で確固たる優先順位が定まっていないと、現地でちょっとしたことで揺れて惑わされることになります。

このTシャツとタオルは絶対に手に入れておきたい、このバンドは絶対に観たい、お酒飲みながらご飯食べたい、ご飯を食べるならこの時間帯に、などなど。

そのうえで、事前に考えていたとおりに事が運ばなかったとしてもその都度その場で柔軟に修正していく対応も求められます。

そうじゃないと、いちいち狼狽えてしまって、ああしておけばよかったこうしておけばよかったと、いつまでも引きずりながら後手後手に回ることになってしまいますからね。

アーティストグッズを手に入れるには、出演するステージ側のグッズ売り場に行く必要がある

ちょっと考えれば想像がつきそうなものですが、エリアマップでZOZOマリンスタジアムと幕張メッセ両方にグッズ売り場があるのを確認した私は、どっちかに行けばそれで事足りるのだと早合点しました。

実際にはそれは大間違いで、オフィシャルグッズであればどちらでも買えますが、ZOZOマリンスタジアムに出演するアーティストのグッズはZOZOマリンスタジアムのグッズ売り場で、幕張メッセ側のステージに出演するアーティストのグッズを買うには幕張メッセのグッズ売り場でなければ買えません。

そこに想像が及ばず幕張メッセ側のグッズ売り場のほうが行列が短くて済みそうだと判断した私はまず幕張メッセに向かいました。それが大間違いとも知らずに。

幕張メッセのグッズ売り場の列に並んでしばらくして、ようやく気が付きました。あれ?ManeskinやThe 1975のグッズがないぞ…と。

思い違いに気がついてすぐさま行列を離脱しZOZOマリンスタジアムに移動。グッズ売り場に並びましたが時すでに遅く、ManeskinとThe 1975のTシャツは並んでいる間に売り切れて終了してしまいました。これももしプラチナチケットにしてたら、待ち時間が短く済んだぶん間に合ってたかもしれません。

翌日のバンドのグッズも売っていたので、泣く泣くThe StrutsのTシャツとオフィシャルのTシャツとタオルを買いました。

次の機会には並ぶグッズ売り場を間違えないように気をつけます。

フェスだと単独と違って持ち時間が限られているからか、MCや休憩でダラダラせずに次から次に曲を演ってくれるのは最高

フェスの最大の利点として、様々なバンドを一度に観ることができるという点が挙げられますけど、その一方で各自持ち時間が短く限られているというマイナス要素もあります。

しかし、そのマイナス要素がプラスに転じることもあります。

持ち時間が短く限られているぶん、MCや休憩でダラダラせずに次から次へと曲を演ってくれる、というプラスに。

MCを聞くのが好きな人もいるんでしょうけど、自分は生演奏を全身で浴びたいがためにライブに行っているので、MCや休憩が長いとイライラしちゃうんですよね。いつまで話してんだよ、なげ〜よ、さっさと次の曲いってくれよ、と。

時間が短く曲数も少なくなるのは寂しいですけど、そういうストレスを感じずに済むのはありがたいです。

飲み物は500mlペットボトル四本で足りた

荷物は泊まり用の手提げボストンと、サマソニ用の装備を詰め込んだリュックのふたつになりました。

リュックの中身はマスクの予備、タオル、フード付きタオル、雨用ポンチョ、制汗スプレー、ウェットティッシュ、モバイルバッテリー、500mlペットボトル四本、日焼け止め、家で凍らせてきたポカリのゼリー飲料二個、現地で買ったグッズです。

これだけでもずっと背負いっぱなしだとけっこう重く感じて、辛かったですね。

でも野外イベントで手ぶらはちょっと怖いですからね。

昔、GWに富士スピードウェイにスーパーGTを観戦しに行ったことがあったんですけど、昼間快晴でめちゃ暑くて半袖一枚で手ぶらで行ったらレース終盤に雨が降ってきて、日が暮れたらめちゃくちゃ寒くなってきて、雨に打たれながら寒さに震えて全然戻ってこない送迎バスを待ち続けていたのが悪夢のようで、トラウマになっています。

喉がカラカラなのに飲み物が売り切れてたらとか、想像しただけで恐ろしすぎますからね。

当日の天気は雲が多めの晴れで夜になったら小雨が降ってきてと、暑さ的には暑かったは暑かったですけど絶望的に厳しいというほどでもなく、助かりました。

現地で買った生ビール二杯とペットボトル三本半で終演までもちました。家で凍らせてきたポカリのゼリー飲料は最後の砦の奥の手でしたが、我慢せずとも飲まずに済みました。

これはあくまでも天候に恵まれたからこの程度で済んだのであって、本当に暑さが厳しかったらこんなものではなかったと勘違いしないように気をつけねばなりません。

雨への備えは絶対必要

先にも少し書きましたけど、当日は少し雨が降りました。

私はマリンスタジアムのスタンド席で屋根の下にいたので、雨用のポンチョを着なくてもズボンが少し濡れたくらいで済みましたが、空の下のアリーナ席で観たいとなるとカッパを着ていなかったら全身ずぶ濡れで終了です。

会場内では傘禁止なので、会場外用に折り畳み傘と会場内用にポンチョかレインコートか、最低でもこれくらいは用意しておくべきでしょう。

ポンチョも、安いだけのやつは防水性はともかく透湿性は皆無なので、通勤や通学で短時間雨を凌げれば問題ないのなら我慢できるでしょうけど、野外フェスで長雨で長時間ずっと羽織りっぱなしとなると蒸れて不快指数がとんでもないことになると思うので、多少高くても透湿性も確保されたものがおすすめです。

想定以上に夜の気温が低く寒く感じた場合に備えて、パッカブルウインドブレーカーをカバンに忍ばせておくのもいいかもしれません。

会場にフェス用の荷物を詰め込んでいくバッグも、できれば撥水性や防水性のあるものが望ましいでしょう。私はナイキの耐天候性を備えたバックパックを買いました。6000円ほどと安かったですしね。

泊まる場合は会場から歩いていける距離で送迎付きのホテルを選ぶべし

当日、幕張に着いた私はライブ会場に行く前にホテルに向かいました。送迎付きのホテルを選んだので、まずフロントで泊まり用の荷物を預かってもらい、そのまま会場まで送ってもらうためです。

我ながらこれは大正解だったと思います。

会場の最寄り駅ではないため電車もそれほど混んでいませんでしたし、荷物も軽くできて送ってもらえてと、だいぶ楽ができました。

ツーデイズ観覧した同僚は会場に直行してクロークに荷物を預けて、終演後に荷物を引き取って海浜幕張駅から数駅移動した先のホテルに泊まったそうなのですが、絶えず人波に揉まれての満員電車の移動で立ちっぱなしで堪えたそうです。

私が泊まったホテルから会場までの距離は約3.5キロ、歩くと40分ほどです。終演後はちょっときつかったですけど、己に課した制約を遵守して歩いてホテルに戻りました。

なんだかんだロスが尾を引く

フェス派というよりは単独派だと気取っておきながら、サマソニを観終わって帰ってきてからというもの、魂を置き忘れてきてしまったかのようなロス状態に見舞われ、心ここにあらずな数日間を過ごしました。

ホテルをチェックアウトして帰りの駅に向かう道中、いかにもこれからサマソニに行きますって格好をした人とすれ違うたびに、中学の親友と高校から離れ離れになるみたいな寂しさや切なさを感じたり。

月曜日の朝に出勤する時、朝っぱらからなんでもない交差点の縁石で愛車のお気に入りのホイールをがりったり。

ヒゲを剃ってるときに手元が滑ってカミソリでアゴと上唇を切ったり。

同僚と「俺たちほんとにサマソニ行ってきたんかな?」とラインをやり取りしたり。

楽しかったフェスとつまらない日常のギャップのデカさに戸惑ったり。

このような数日間を経て、ようやく地に足がついてきました。喜ぶべきか悲しむべきかはさておき。

単独派だなんだといいながら、要は超楽しかった、ということです。きつかったこともありましたけど、楽しかったです。

今まで一度もフェスに行ったことがないのであれば、食わず嫌いしてないで、知見を広げるためにも一度行ってみるのもいいと思いますよ。

単独派を気取っていた自分でもびっくりですけど、こんなおじさんくさいことを言いたくなる気持ちになるくらいには、満喫しましたし楽しかったのは確かです。

Pale Wavesの3rdアルバム『Unwanted』を聴いたら俄然来日公演観に行きたくなったけど仕事が繁忙期という罠

Pale Wavesの3rdアルバム『Unwanted』を聴いたら俄然来日公演観に行きたくなったけど仕事が繁忙期という罠

イギリス出身のロックバンドPale Wavesは昨年2021年に2ndアルバム『Who Am I?』をリリースしたばかりなので、今年3rdアルバム『Unwanted』をリリースしたことで二年連続の新譜リリースとなりました。

ファンにとっては喜ばしいことですが、1stから2ndの間隔が三年であったことを考えると、異例のハイペースであると言えるでしょう。

もっとも、このハイペースの新譜リリースはPale Wavesに限った話ではなく、コロナ禍でライブやプロモーション活動を制限された多くのバンドに共通している話なのですが。

1stの頃は怪しげというか不思議というか、インパクトのあるビジュアルで、音に丸みのあるおっとりした歌メロの独特な雰囲気のポップロックを鳴らしていました。

2ndでは音像がスッキリして歌声の力強さが強調されて、ポップパンク風味を取り入れたロックサウンドにハマっていました。

1stの音が好きだった人には寂しい変化でしょうけど、ロックバンドがずっと同じ路線の音を鳴らし続けるっていうのも珍しいですからね。自分は2ndの音のほうが好きだったので、この変化は歓迎していました。

では続く今作『Unwanted』はどうだったかというと、そのポップパンク路線をさらに推し進めていました。(ここまでやる?)と思いましたけど、まあそれも一瞬ですね。超好き。超好きな音だったので。

昨今、80年代回顧や約二十年前の青春パンクリバイバルな流れがありますけど、単に流れに乗ったわけじゃなくて、インタビューで語っているように自分たちが好きな音、本当にやりたい音楽を鳴らすんだという信念の結晶なのでしょう。

単刀直入で展開が鬼早い曲ばっかりだな、というのが率直な感想です。

とにかく早い。極限まで無駄を削ぎ落としたメロディ展開。イントロはほとんどなし。曲が始まったと同時に歌い出す勢い。

たまに(お、この曲はイントロあるのか)と思っても、5秒とか7秒とかで歌い始める。まれに10秒以上イントロがあると(この曲はイントロ長いなぁ)と感覚がバグってしまうくらいイントロが鬼短い。

あまりにも歌い始めるのが早くて情緒もへったくれもないんですけど、ポップパンク全開のパワフルで勢いのあるサウンドには合っていますね。曲が始まった瞬間からガツンとかまされます。

音質もいいですね。鮮烈で圧も強いので、耳に刺さってくるような、休まずに周回を重ねてたら耳が疲れちゃいそうな音ではありますけど、立体感や空間を感じるスケールの広がりが素晴らしい。

アルバム発売前に小出しにされた新曲をYouTubeで聴いていた段階で(ひょっとして今回のアルバム凄いのでは?)と予感していましたけど、その予想を上回ってきましたね。

アルバムを聴いたら、秋の来日公演、めっちゃ行きたくなってきました。名古屋火曜日。

ただ、仕事が繁忙期なんですよね…。すんなり定時ダッシュできるかどうか。1stや2ndの曲もライブで化ける可能性があるから観たいなぁ…。

https://news.goo.ne.jp/article/rollingstonejapan/entertainment/rollingstonejapan-38216.html

アルバムツアー終了間際に発売されて、その初回限定盤にまだ開催中のそのツアーから6曲が抜粋されたライブDVDが付属する異例ずくめのアルバム、それがB’zの『Highway X』

アルバムツアー終了間際に発売されて、その初回限定盤にまだ開催中のそのツアーから6曲が抜粋されたライブDVDが付属する異例ずくめのアルバム、それがB’zの『Highway X』

B’zの新作『Highway X』は、異例中の異例、そんな言葉がぴったりと当てはまる一枚です。

2022年5月14日からアルバム『Highway X』の全国ツアーが開始されているのにそのアルバムの発売日が約三ヶ月後の8月10日で、そのアルバムツアーがアルバム発売後まもなくの8月14日で終了するとか。

しかもアルバムの初回限定盤には今まさに最終日が間近となったそのツアーの模様が収められた6曲入りライブDVDが付属するとか。

今まで何枚も音楽CDを買ってきて、このパターンはさすがに初めてですね。前代未聞、前人未到、空前絶後。そんな言葉で語られるレベルの、世にも珍しい販売パターンです。

今度のアルバムに収録されるのはどんな曲なのかな?とドキドキワクワクを胸にライブを観に出かけ、そのライブの感動も薄れ忘却しつつある約三ヶ月後にCDに収められたいつになくライブ感あふれるサウンドに感激し、まだ終わってないツアーの映像をDVDで観てCDもよかったけどやっぱりライブもいいなぁと感動を揺さぶられる。

こんなふうに様々な楽しみ方ができたアルバムがかつてあっただろうか、という話ですよ。

まあ、なかったんですけどね。

特別な野外ライブイベントでこれから発売されるアルバムに収録される新曲を一曲だけ聴いた、とかならありますけど、さすがにアルバムツアーでCD発売前のアルバムから全曲先駆けて聴いたのは初めてです。

ツアーの日程を消化しながら、ライブ中に気がついたことを試したりしてギリギリまで音源に手を加えていたからなのか、新作のサウンドはいつになくライブっぽいサウンドに仕上がっているように感じました。

ギターの骨太なトーンはもちろん、豪勢できらびやかなブラスとか、重厚でありながら跳ねているリズムとか、要所要所で効果的なアクセントをつけてくるキーボードとか、それら主張の強いサウンドの束にも埋もれずに突き抜けてくる唯一無二の歌声とか。

それらが代わる代わるその存在を主張してくるんですけど、その主張が強すぎずかといって物足りなくもないという絶妙のバランスでまとめられていて、賑やかで迫力がありつつも、聴きやすくてわかりやすいサウンドが最高です。

中でも特に印象深いのが、アルバムの最後を飾るバラード”You Are My Best”ですかね。

ライブで初めて聴いたときも(曲名から予想していた通りの感動的なバラードだ〜)と感激したんですけど、CDで聴いたら(うお〜ライブのときの好印象を上回る完成度だ!)と驚かされて、ライブDVDを観てみたら(いやいや、ライブバージョンもやっぱり素晴らしいぞ?)と振り回された挙げ句、何を信じたらいいのかわからなくなって心の整理がつかなくて。

何だこれ?一体どうなってる?ちょっとわけがわからないな…。

まあ、何にしろ素晴らしいことに変わりはないのだから、別にいっか。

私は考えることをやめました。

『DINOSAUR』や『NEW LOVE』ほどの即効性のあるインパクトには欠けるような気もしますが、これは聴き込むほどにしっくりハマってくる、もしくはライブで聴くとまた印象が変わって化ける、そのどちらかでしょう。

延期になりましたけど、それまではCDを聴き込んで、ライブツアー千秋楽のライブビューイングで答え合わせします。

世の中ではネタバレは悪とされているけど、一概にそうとは言い切れないところもある

世の中ではネタバレは悪とされているけど、一概にそうとは言い切れないところもある

ネタバレは悪。諸悪の根源。なにが何でも回避すべきこと。

それが、世間一般的な認識だと思います。

自分も基本的にはその立ち位置です。ネタバレは回避すべし。

これから読むミステリー小説の内容とか、これから観るライブのセットリストとか、もうじき公開される新作映画の内容とか、残業になって観れなかったサッカー日本代表の試合の結果とか。

うっかり目にしてしまったらそのときはもうしょうがないと諦めてもいますが、できるだけ目にせずに済むように気を配っているのも事実です。

しかし昨夜、本当にネタバレはすべて悪だと言い切れるのだろうか、一概にそうだとは言い切れないのではないか、と自分の足場が崩壊しかねない疑念を抱いてしまいました。

映画『シング:ネクストステージ』のBlu-rayを観ていたときのことです。

「コアラ・ジ・エンド」

映画の中盤で、ポーシャを怒らせてしまったムーンが項垂れながらつぶやくセリフに、シャレが効いてて最高だなと私はニヤニヤしました。

では映画館で初鑑賞したときはどうだったかというと、ポーシャ役の日本語吹き替えを誰が担当しているのか知らずに観ていたので、そのセリフの面白さと意味がまったくわかっていませんでした。

ポーシャ役の日本語吹き替えを誰が演じているのか知っているのといないのとでは、そのたったひと言のセリフの面白さが全然違ってくるのです。

こういうこともあるのか…。目が覚めたというか、新たな世界があることを知ったような思いです。

知らずに観たほうが面白いこともあれば、知っていたほうがその真の意味がわかって面白いと感じられることもある。

どうやらそういうことのようです。

そして、この『シング:ネクストステージ』には、知っている人だけが楽しめる小ネタがまだまだ隠されていそうです。

というのも、ムーンたちが劇場に忍び込むときに清掃員に扮したり、ムーンに君たちは誰?と聞かれて「夜間清掃員です」と答えたり、これってもともとそういうふうに映画が作られていたということもありますけど、ポーシャ役にBiSH(ファンのことを清掃員と呼んでいるそうです)で活動しているアイナ・ジ・エンドを配したことで、遊び心と作り込みが生まれているんですよね。

自分が無知のため気がつけていないだけで、他にも遊び心や仕掛けが隠されているかもしれません。

知らないとただそれだけで何事もなく過ぎていきますが、知っていると気がつけて面白がれたりもっと探してみようと意欲的になったりと、その世界の深さを知ってさらにのめり込むきっかけになりえるんですよね。

自分で調べてそこに辿り着けるのであれば余計なお世話ですけど、そういう人ばかりではないですからね。細やかな解説やネタバレに助かる人もいるでしょう。

決してネタバレの肩を持つわけじゃありませんけど、ネタバレも一概に悪とは言い切れないのではないか、そんなことを考えてしまった真夏の夜の出来事でした。

バンドやアーティストの伝記映画の良し悪し

バンドやアーティストの伝記映画の良し悪し

イギリスのロックバンドQueenの結成からLive Aid出演までを振り返った伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットでその流れにあやかろうという風潮が生まれたのか、その後何本かの伝記映画やミュージカル映画が制作、公開されて私も実際に劇場に観に行きました。

a-haの『a-ha THE MOVIE』やAretha Franklinの『リスペクト』、Elvis Presleyの『エルヴィス』に、Elton Johnの『ロケットマン』など。

他にも、Netflix限定配信なども含めると、未加入のため自分は観れていませんがMotley Crueの『The Dirt』やTaylor Swiftのドキュメンタリーなども話題になりましたね。

そんな伝記映画のひとつに、この冬『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』が仲間入りします。

https://amass.jp/159880/

Whitney Houstonというと、ケビン・コスナーと共演した映画『ボディガード』とその主題歌”I Will Always Love You”のメガヒットが代表曲、代表作としてイメージが確立されていると思いますが、今度の伝記映画のタイトルにも採用されているような80年代ダンスポップスも歌っています。

バラードばっかりじゃなくてこういうタイプのポップスも歌っているのかと、新鮮な驚きを感じる人もいるんじゃないでしょうか。

映画の内容は”Whitneyの名曲誕生の裏に隠された、Whitneyと彼女を支えた音楽プロデューサーClive Davisの知られざる物語を描きます”と紹介されていますが、たったこの一文だけで曲がりなりにも何本か伝記映画を観てきた自分には察しがついてしまいます。

ああ、なるほど、家族や制作陣との間に生まれる苦悩や成功への喜びに満ちた道のり、栄光とそこからの転落やいざこざ、苦渋の決断などが描かれているのですね、わかります、と。

だってそうでしたもん。全部そうでしたもん。細かなところは全然違えど、大まかな流れは全部一緒でしたもん。

苦労が報われて成功へと上り詰めていく過程は良いんですよ。こっちも幸せな気分になりますし。でも、生活が荒んで身を持ち崩したり家庭での問題や制作陣との軋轢がじわじわキツイんですよね。胃がキリキリ痛んでしんどいというか。

上手く行かなくなって酒に溺れたり、クスリに逃げたり、浮気に走ったり、そんな自分が嫌になってさめざめ泣いたり、歌から距離を置くも結局戻ってきてしがみついたりもがき苦しんだり、再出発がなかなか軌道に乗らなくて荒れたり、そうなるってだいたい相場は決まってるんですよ。

いや〜重い、この流れは重すぎますって。後生ですから…と手を合わせたくなってしまいます。

映画館の素晴らしい音響で大好きな名曲が聴けるのはアツいんですけどね。

その代償が一見華やかに見えるエンターテイメント世界の裏側での孤独な苦悩というのが、なんかいたたまれなく感じちゃうんですよね…。

ダメ?そこに触れなきゃダメ?スルー無理?ダメか…と全身がどっと重くなってしまうのです…。

まあ、なんだかんだいいながら観に行くんですけどね。映画館の音響で名曲を聴きたくて。

音楽系の映画は空いてることが多くて贅沢感が増し増しになるのがまたいいんですよね。特別感に浸れて。